カードローンは無担保・無保証の借入れで、「保証人」や「担保」はいりません。その代わり、カード会社は保証会社と提携し、保証会社が利用者の保証をしてくれる仕組みになっています。
利用者が延滞し保証会社が立て替えたときは、利用者は保証会社に債務を返済する必要があります。
申込条件(無担保・無保証人)と保証の関係
カードローンには、ローン会社のローン商品ごとに契約年齢の範囲、収入の有無、勤務形態といった申込条件があります。
申込条件のなかには「担保」「保証人」に関する項目もありますが、たいていのカードローンでは「保証人不要」「担保不要」となっています。
実は、ローン会社がこうした条件にしているのは、これまでの経緯があります。
今日のように消費者向けの貸金業が発達する以前は、お金を借りるとなると、銀行かあるいは質店に限られていました。
質店は質草によっては希望どおりのお金を受け取れませんでしたので、どうしても銀行から借りることになります。
しかし、銀行からお金を借りるとなると、担保や保証人がなければお金を借りることができませんでした。急にお金が必要になっても、なかなか借りる先がなかったのです。
ところが、1960年代に消費者金融という新たな貸金業が登場します。個人でも免許証などの身分証明証だけで無担保・無保証で即時に借入れができる金融システムが誕生しました。
カード一枚で限度額内なら自由にお金を借り入れできるという手軽さも加わり、消費者金融は一気に浸透したのです。
以後、カードローンは無担保、無保証という条件のまま、今日に至っています。
小口融資とはいえ、ローン会社はお金を貸し付けているわけですから貸倒れのリスクを考えないわけにはいきません。
そこで、申込者に担保や保証人を求めないかわりに、ローン会社が保証会社と提携し、保証会社が利用者の保証人代わりの役割をもちはじめます。
これが、現在の無担保・無保証のカードローンの特徴です。
カード会社と保証会社は異なる
「カード会社と保証会社は一緒じゃないの?」と思っている人も多いことでしょう。というのも、銀行系カードローンの場合、保証会社になっているのは主にグループ内にある消費者金融系のローン会社です。
一方、消費者金融系のローン会社のなかには、同じグループ内の消費者金融系の保証会社と保証契約を結んでいるケースもみられます。
では、ノンバンク系はというと、各社本体ではなく、それぞれ提携している保証会社に信用保証業務を行わせているのが実情です。
もちろん、消費者金融系のローン会社のなかには、保証事業を行う別会社をつくっているところもあります。
どうしてこのような構図になっているのかというと、消費者金融という業種の歴史的経緯をみるとわかります。
銀行系ローン会社が消費者金融系のローン会社もしくは提携先の保証会社に保証させているのは、消費者金融系のローン会社のほうが個人向けのローン商品を取り扱っている歴史が古く、信用情報の管理や審査のノウハウを蓄積していることが背景としてあるからです。
カードローン延滞時の保証会社の役割
利用者がカードローンの返済を延滞した場合、保証会社はどのような役割を果たすのでしょうか。
すでに触れたように、ローン会社と保証会社は信用保証契約を結んでいます。もしカード利用者が返済を延滞した場合には、保証会社が利用者に代わってローン会社に滞納分を支払います。
これを代位弁済といいます。その後、保証会社はローン会社に代わって利用者に返済を求める――という流れになります。
ローン会社から滞納の連絡などがある間は、利用者の個人信用情報に返済延滞の記録が残ることはないようですが、保証会社から連絡がきた時点では、債権はローン会社から保証会社に移行していますので、延滞した利用者の個人信用情報にその記録が残る可能性は高くなります。
できるだけ保証会社から連絡がくる前に、滞納分を返済するようにしましょう。