カードローンとクレジットカードのキャッシング。お金を借りられるのはどちらも同じですが、カードローンは借入れと返済を自由に行える借入れ専用のカード、クレジットカードはショッピング機能がメインで合わせてキャッシングにも使えるというカードです。それぞれの違いを理解して、借入れの目的に合わせて使い分けましょう。

カードローンとキャッシングの違い

カード一枚で現金が借りられるカードローンとクレジットカードのキャッシング。細かな点で次のような違いがあります。

利用年齢

カードローンが満20歳以上の成人が利用できるのに対し、クレジットカードは高校生を除いた収入のある満18歳以上の人が利用可能です。未成年者がクレジットカードの申込みをするときは親権者の同意が必要です。

審査

どちらも申込時に審査が行われます。カードローンは即日審査・即日借入れが可能ですが、クレジットカードの審査には最低でも3日程度かかることが多いため、急に申し込んですぐに利用したいときはカードローンが便利です。

借入限度額

ローン会社によって異なりますが、カードローンは10万円以上500万円程度までの利用限度額の範囲で何度でも自由に借りることができます。

クレジットカードのキャッシングは申込み当初は10万円ないし20万円などの少額しか借りられません。さらに、クレジットカードはショッピングとキャッシングの利用可能枠が通算されるため、利用可能枠をショッピングで使い切ってしまうとキャッシングを利用できません。反対に、キャッシングを利用するとショッピングの利用可能枠が減ってしまいます。

したがって、借り入れたい金額がはっきりしているときは、利用限度額内で確実に借りられるカードローンが便利です。

返済方法

カードローンの返済方法は、分割返済または随時返済で、ローン会社の店頭、自動契約機、ATM、インターネット返済サービス、口座振替など複数から選ぶことができます。

クレジットカードのキャッシングは、ショッピングの支払いと同様に口座振替による返済で、翌月以降1回払いが原則であり、リボ払いなど分割返済も選択可能です。手元にお金があるときに自由に返済できるという点でカードローンがまさっています。

金利(利息)

カードローンが3%から18%程度、クレジットカードのキャッシングが15%または18%程度ですので、カードローンのほうが金利は低いといえます。

ただし、利息負担額は借入額や返済方法などによって変わりますので、どちらが有利かはケースバイケースです。

(図表)カードローンとクレジットカード・キャッシングの違い

カードローン クレジットカード(キャッシング)
利用年齢 満20歳~ 満18歳~
※キャッシング枠は、未成年者は収入があるか、親権者の同意などが必要。
審査 スピード審査、即日融資可能 クレジットカードの審査には最低でも3日程度かかる場合が多い。なお、店舗限定で即日可能なカードもある。
借入限度額 10万円~ 1万円~
※1,000万円までのローン会社もある。 ※当初は10万円、20万円などの少額しか借りられない。
利用方法 店頭・自動契約機・ATM・ネット振込サービスなど ATMがほとんど
返済方法 店頭・自動契約機・ATM・インターネット返済サービス・口座振替など 口座振替
分割返済 原則1回払い
※毎月決まった日に決まった額を返済する。 ※ただし元利定額リボ払いなど他の返済方式にも変更可。
金利(利息) 3%~18%程度 100万円未満で18%
※借入額が多いほど金利は低い。 100万円以上で15%など
年会費 なし 有料のケースもある
特徴 即日借入れなど審査の時間が短く、借入れや返済の利便性が高い。 クレジットカードにポイントが付与される。
海外旅行保険やロードサービス・買い物の特典などのサービスが付くものもある

借入額と目的に合わせて使い分ける

カードローンは借入れ専用であり、審査期間が短く即日の融資も可能で、自由に借入れや返済ができるなど、「借りる」と「返す」ためのサービスが手厚くなっています。数十万円程度のまとまったお金を複数回借り入れて分割返済したいときには、クレジットカードのキャッシングよりもカードローンの方が適しています。

それに対して、クレジットカードはあくまでショッピングでの利用がメインであり、急に現金が必要だけれど持ち合わせがない、というときに数万円程度の少額の借入れを利用して一括で返済するという使い方に向いています。

また、キャッシングは海外でもATMから為替手数料無料で現金を引き出せます。よく海外に出かける人は、ショッピング機能、海外旅行保険等の付帯サービスも含めてクレジットカードは便利な存在です。

カードでいきなり高額な借入れをする人は少ないでしょう。最初は、週末のレジャーのお金がちょっと足りないから、教育費や住宅ローンの返済でちょっとお金が足りないから――などの理由で気軽に借りてしまうことが多いのではないでしょうか。でも、ちりも積もれば山となる。クレジットカードはショッピングには便利な機能ですが、衝動買いにつながりかねません。

また、カードローンは返済期間が長くなると家計への負担がいっそう重くなります。どちらも、自分の返済資力を十分に考えて使いたいものです。