カードローンは、契約で定めた利用上限額の範囲内であれば、一枚のカードで出し入れ自由で、使いみちが自由なローン商品です。

インターネットのサイトや電車の中吊り広告などで、「たった〇秒でキャッシング可能!」とか「収入証明書不要」といったキャッチコピーを見かけることがあります。これはすべてカードローン商品のPRです。

カードローンの仕組み

カードローンとは、カード一枚で簡単にお金の出し入れができる個人向けの小口の融資商品のことです。「すぐに現金が必要だけど手持ちがない」「ちょっと足りない分を補いたい」など、急な物入りのときにとても便利です。

まず、利用するローン会社にローンの申込みをします。申込み後に、ローン会社の審査が行われます。審査をパスすると正式な契約手続きが行われ、カードが発行されます。カードが発行されると、ローン会社が提携する金融機関やコンビニエンスストアのATM(自動現金預入払出機)などで、利用上限の金額内であれば何回でも利用ができます。使いみちに制限はないことから、財布代わりとして使うことも可能です。

カードローンの種類と特徴

ローン会社は、銀行系とノンバンク系に大きく分けられます。

銀行系

銀行系は、〇〇銀行(ネットバンクも含む)、〇〇信用金庫、〇〇労働金庫、〇〇農協など、銀行業務を専門に行っている金融機関です。

ノンバンク系

ノンバンク系は、銀行系以外の金融機関で、さらに、クレジット・信販会社系、百貨店・スーパーなどの流通系、消費者金融系に分かれます。

消費者金融系は、大手銀行グループの傘下に入る会社と独立系に分かれますが、いずれも貸金業法のもと事業を行っていることから、ここでは、銀行系列の消費者金融系ローン会社もノンバンク系として説明していきます。

貸金業法と割賦販売法

貸金業法とは、ノンバンク系の貸金業者に対しルールを定めた法律で、貸金業者を規制して顧客の保護を図ることを目的としています。その概要は図表のとおりです。

(図表)貸金業法の概要

項目 概要
金利体系の適正化 貸付けの上限金利:20%以下
過剰貸付けの抑制(総量規制) 総借入残高が年収の3分の1を超える貸付けの禁止
貸金業の適正化 貸金業者の登録要件:純資産5,000万円以上
ヤミ金融対策 超高金利貸付けや無登録営業の懲役:10年

銀行系のローン会社は貸金業法の対象外です。したがって、銀行系とノンバンク系の最も大きな違いは、総量規制を受けるか否か、つまり借入額の限度にあります。

ノンバンク系では、「年収の3分の1以上を超える過剰な貸付けの契約を締結してはならない」という総量規制があります。年収240万円とすると、ノンバンク系では3分の1の80万円以上は借りられません。さらに、この借入れ制限は他の貸金業者との契約も通算されます。

ノンバンク系A社で50万円のカードローンを利用している人が、新しくノンバンク系B社のカードローンを利用したい場合、30万円未満の借入れまでしか利用できません。

ところで、カードローンと似た仕組みの商品にクレジットカードのキャッシングがあります。クレジットカードは、1枚のカードで商品の購入代金を後払いするショッピングと、現金を借り入れるキャッシングの2つの機能があり、キャッシングについては貸金業法が適用されるため、カードローンとクレジットカードのキャッシングの両方の利用額が総量規制の対象となります。

なお、クレジットカードのショッピングについては、貸金業法ではなく割賦販売法という法律の対象となります。割賦販売法においても、支払能力を超えた過剰な利用で多重債務に陥ることを防ぐため、利用者の支払可能見込額の調査や、利用情報を指定信用情報機関で記録・管理することが義務付けられています。

カードローンの比較のポイント

銀行系とノンバンク系のカードローンの契約条件を比較してみましょう。

融資限度額(利用枠)

融資限度額は会社によって違いがありますが、1万円から500万円までの範囲内が一般的です。銀行系の中には、最大で800万円~1,000万円の上限額を設けている銀行もあります。

ただし、上限額が高額になるほど追加の提出書類が必要になったり、審査に時間がかかったりします。

申込みから利用までの期間

銀行系に比べてノンバンク系のほうが時間は短いようです。銀行系の場合は、申し込んだ銀行に預金口座を開設する手続きが必要になったり、審査に時間がかかったりするケースも多いですが、ノンバンク系はある一定の基準に沿って審査が行われますので、審査に通れば即日融資も可能になります。

なお、一部の銀行系では、テレビ画面を通じた面談でカードが即日発行可能な会社もあります。

申込み方法・契約

銀行系、ノンバンク系どちらも、インターネットによる申込みや、スマートフォン、自動契約機、窓口、ファックス、郵送など各種方法による申込み手段をとっています。

契約については窓口のみとする会社もありますが、最近は書類確認のみ郵送で、やりとりはインターネットやメールという方法がとられている場合も増えています。

金利

金利は、銀行系に比べてノンバンク系のほうがいくらか高く設定されています。会社によって違いはありますが、銀行系では1.99~14.5%前後、ノンバンク系では4.5~18.0%前後が一般的です(平成27年9月1日現在)。

返済方式

返済は、借入れ時と同様に、パソコンやスマートフォン、コンビニエンスストア等のATMなどからできます。返済方式は、一般的に毎月一定時期に返済する約定返済となっています。手元に余裕があるときは、約定返済とは別に任意返済という返済方式も利用できます。

担保・保証人など

カードローンは、担保・保証人が不要です。それらに代わって、申し込んだカードローン会社が提携する保証会社のほうで、担保・保証人に代わって保証人となるのが一般的です。