loan(ローン)とは、日本語で「貸し付け」「貸すこと」という意味です。たとえば、美術館に絵を貸し出したり、人材を他の会社に貸し出したりすること(出向)など、一時的に人や物を貸し出すこともloan(ローン)と呼ばれます。
ローンの仕組み
私たちは普段、「住宅ローン」や「教育ローン」、「自動車ローン」のように、金融機関の商品名として「ローン」という言葉を使っています。「3,000万円のマイホームを購入したいけれど、手元にそんなにたくさんの現金がないから住宅ローンを組む」というのが一般的な使い方です。
このようにまとまったお金が手元になく一括で支払いができないときに、銀行などの金融機関から一時的にお金を借り、利息を付けて返済していくのがローンです。
いま200万円の自動車を購入したいと思っているとしましょう。しかし、手元に200万円のお金はありません。お金を貯めてから買うとすると数年かかってしまい、自動車がないとても不便な生活を強いられるかもしれません。
ところが、ローンを組んでお金を借りると、いますぐ自動車を手に入れることができます。仮に200万円を5%で借りて5年間で返済すると毎月返済額は約3.77万円、5年間の利息の合計は約26.4万円で、元本と合計で約226.5万円を返済することになります。
このように、ある目的のためにまとまったお金を借り、その後利息を付けて複数回にわたって返していくのが、ローンの基本的な仕組みです。
手元に現金がない場合、200万円の自動車を購入するには?

ローンの種類
基本的なローンの仕組みがわかったところで、ローンにはどんな種類があるのか、整理しておきましょう。
有担保ローンと無担保ローン
お金を借りるとき、万一お金を返せなくなったときにお金の代わりに差し出すものとして、前もって提供するものを担保といいます。土地や建物を差し出す場合は物的担保、代わりに返済をしてくれる保証人を指定する場合は人的担保と呼びます。
有担保ローンとは、借入れの条件として担保の提供が必要となるローンのことです。代表的な有担保ローンに「住宅ローン」があります。住宅の土地と建物を担保に設定し、お金を返せなくなったときに土地と建物を売却して返済することが条件となります。
有担保ローンは金融機関が貸したお金を確実に回収できるため、無担保ローンに比べて低い金利でお金を借りることができます。
有担保ローンには住宅ローンのほかに、株式などを担保にする「証券担保ローン」や、生命保険の解約返戻金を限度に貸付けをする「契約者貸付」などがあります。
「契約者貸付」は東日本大震災のとき、当座の生活資金として役立ったという話も聞かれます。株式や生命保険などの手持ちの金融資産で、担保にできる価値があるかどうかチェックしておくと、いざというときの利用に役立つかもしれません。
有担保ローンに対して、担保を差し出す必要がないのが無担保ローンです。カードローンは無担保ローンの代表的な商品です。
無担保ローンは有担保ローンに比べて借入限度額が数十万円から数百万円以内と低額で、借入期間が10年以下など短期間のローンが多くなります。金利は担保がないため高めに設定されており、中には年10%を超える金利もあります。
また、担保についての審査がない分、審査期間は短くなり、条件を満たせば比較的簡単に借りられるのが特徴です。
目的別ローンと多目的ローン、フリーローン
目的別ローンとは、お金の使いみちが決まっているローンです。自動車ローン、教育ローン、住宅ローン、リフォームローンなどがこれに当たります。
金融機関にとっては使いみちを限定することで貸し倒れの可能性が低くなるため、比較的金利を低く抑えることができ、500万円~1,000万円など高額な借入れができる場合もあります。
多目的ローンは使いみちが自由なローンです。結婚資金や家電製品の購入、旅行や墓石の購入など、さまざまな目的で借りることができます。
ただし、投資のための資金や会社の経営資金、他の返済に充てるための資金などは借りることができません。使いみちは決まっているけれど、目的別ローンには該当しないときに借りるのが多目的ローンです。
フリーローンは使いみちをまったく制限されないローンです。多目的ローンでは借りられなかった事業資金や投資資金、他の借入れの返済資金にも使うことができます。
カードローンはフリーローンの一種です。借入れの方法や返済方法の自由度が高く、審査が簡単なものも多いのですが、借入額は低く、金利が10%以上になるものもあります。
こうしてみると、使いみちが限定されるほど、金融機関から見た信用度は上がり、金利や借入期間などが有利になることがわかります。