店頭オプション
店頭オプションは、銀行間や、銀行と顧客が相対で取引を行います。
金額や契約期間等の取引条件を相対で自由に決められ、証拠金がいらない等、店頭ならではの特徴があります。
ただし、決済の安全性や取引の流動性は取引所取引に比べると劣ります。
店頭取引で最も多く取引されているのが、通貨オプション取引で、主に銀行間や銀行と企業間で取引が行われていますが、個人が取引できる環境はあまり整っていません。
店頭オプションの場合、取引所オプションと違い取引条件が定型化されていないため、ボラティリティ水準で取引の採算を確定させた後、取引の詳細を決めることにしています。
また、店頭オプションでは、ボラティリティを計算式に入れてオプション価格を算出します。
なお、店頭オプションの銀行間取引では、ボラティリティ(予想変動率)を提示して、取引を行います。
取引所オプション
取引所オプションは、その名のとおり取引所で行われています。取引所オプションには証拠金制度があります。
上場市場では、オプション価格(プレミアム)を提示して取引を行います。上場オプションでは、オプション価格を計算式に入れてボラティリティを逆算して相場水準を求めることがよく行われています。
オプション取引が行われている日本の取引所には、東京金融先物取引所と、東京証券取引所、大阪証券取引所があります。
一般に「オプション」という場合、日本では主に大阪証券取引所で取引される日経225オプション取引のことを言います。なお、日経225オプションはシンガポール取引所(SGX)でも取扱いがあります。
取引されているオプション
東京金融先物取引所では、短期金利を原資産とするユーロ円3ヶ月先物オプションが取引されています。
証券取引所では、国債先物、株価指数、個別株式を原資産とするオプションが取引されています。
国債先物オプションは、長期国債先物や中期国債先物を対象とする取引です。株価指数オプションは、株価指数を基礎商品とする取引です。株券オプションは、あらかじめ決められた個別銘柄の取引です。
東京証券取引所の個別銘柄オプションや、東京穀物商品取引所のとうもろこしオプション、大豆オプション、粗糖オプションなども取引所取引ですが、市場参加者は多くなく、流動性も低くなっています。特に、金先物取引は2008年以降、取引が成立していません。
取引されているオプション
原資産 | 対象 | 市場、取引所 | |
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外国為替 | ドル/円 | 外国為替市場 | 店頭市場 |
金利 | ユーロ円先物 | 東京金融先物取引所 | 上場市場(取引所取引)
商品先物オプションはほとんど取引されておらず、開店休業状態 |
債券 | 国債先物 | 東京証券取引所 | |
株式指数 | TOPIX 日経225,日経330 |
東京証券取引所 大阪証券取引所 |
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個別株式 | 株券 | 東京証券取引所 大阪証券取引所 |
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商品先物 | 金先物 とうもろこし先物 大豆先物 粗糖先物 |
東京商品取引所 |
上記以外に、最近ではバイナリーオプションも取引されています。バイナリーオプションについては、店頭取引となっており、証券会社などで提供されています。
日本のオプション市場は世界的に見ても、取引量が少なく、一般に浸透していないのが現状です。
また、海外に目を向けた場合、オプション取引が盛んなのはアメリカで、取引できる市場の種類および取引高において世界最大の規模を誇ります。
アメリカで取引されているオプション取引きは、大きく分けて、現物オプションと先物オプションの2つに分けられます。
オプション先進国であるアメリカでは、あらゆる原資産に対してオプション取引を行うことができ、透明性、流動性、自由度の全てにおいて、最高の投資環境が整っています。
そのため、一日に数千万枚のオプションが取引されており、多くの個人投資家が取引に参加しています。