スワップについて
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差のことをいいます。FXは為替差益だけでなく、このスワップポイントも得られるのが特徴です。
スワップポイントは2つの通貨の金利差、ということですが、例えば日本の場合、政策金利は0.1%(2015年10月現在)です。ほとんど金利がない、ゼロ金利なのですが、日本は世界的に見ても、超低金利国家なのです。
日本以上の低金利といえば、あとはスイスフランとスウェーデンクローナくらいではないでしょうか。
ちなみに、スイスフランの政策金利は-1.25%、スウェーデンクローナの政策金利は-0.35%です(2015年9月現在)。
この政策金利ですが、その通貨を1年間保有した場合につく利子のことです。ですので、日本円を1年間保有すると、0.1%の金利がつくということになります。
先ほども書いたとおり、日本の金利は世界的に見ると、超低金利です。
オーストラリアドルの場合は2.0%、ニュージーランドドルの場合は2.75%(2015年9月現在)ですので、日本の20倍以上の金利です。南アフリカランドの場合は6.0%、トルコリラの場合は7.5%と、日本をはるかに上回る金利の国もあります。
このように2通貨間の金利差をスワップポイントといい、FXでは、低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買い、そのポジションを持ち続けると、保有している金額と期間分のスワップポイントを受け取ることができます。
たとえばニュージーランドドルを買った場合、日本円との金利差は2.65%です。1万ニュージーランドドルを買い、1年間持ち続けると、26,500円の金利差を受け取ることができます。
この例は1年間ですが、スワップポイントは日割計算され、ポジションを持った日数分もらえます。
スワップポイントは毎日ロールオーバー後に加算されます。満期にならないと金利がプラスされない外貨預金とは違い、毎日スワップポイントを受け取れるのがFXの魅力と言えます。(スワップポイントが加算される時間帯や、実際のスワップポイントは、取引会社によって異なります。)
また、スワップポイントは取引する額をもとに計算されます。そのため、取引金額が大きい場合は、その分スワップポイントも大きくなります。
また、スワップポイントを支払うこともあります。例えばニュージーランドドルを売って日本円を買った場合、高金利通貨を売って低金利通貨を買った、ということになります。
この場合は、スワップポイントを支払う必要があります。FXは売りから取引ができますが、その場合、通貨ペアによっては、スワップポイントを支払う払う必要があります。
スワップポイントは支払うこともある
ロールオーバーとは何か
FXでは、ロールオーバーという取引が行われています。ロールオーバーは、決済日を繰り延べする取引のことで、24時間取引のできるFXですが、ロールオーバーが行われている最中は、取引ができなくなります。この時間は会社によりけりですが、大体15分程度です。
ロールオーバー取引は、インターバンク市場のスワップ取引市場でカバー取引が行なわれています。この取引は資金取引市場ともいい、外貨資金の調達の場でもあるのです。
ロールオーバー取引ではどのようなカバー取引が行われているのでしょうか?
例えば、ドル円の買いポジションがある場合、取引の翌日にロールオーバーを行います。
そのため、最初の取引日の決済日は翌日ということになります。FX会社はスワップ市場で翌営業日を決済日とした売り取引と、翌々営業日を決済日とした買い取引を同時に行ない、決済日を繰り延べます。買いポジション分だけ売り取引を行ない、翌日分を相殺し、同じ金額を翌々営業日に持つのです。これがロールオーバー取引です。
そのときのスワップ取引の市場価格がスワップポイントとなり、買いポジションを持っている顧客へ付与され、売りポジションを持っている顧客からは引かれます。
ロールオーバー取引によって、金融機関が外貨で資金調達をします。ドル資金が必要な会社は、翌日物のドルを円で買って、翌々日にドルを売って返却します。この時の取引のレートは、2通貨の金利差、すなわちスワップポイントなのです。
政策金利が変更になったり、リーマンショックのような大きな経済危機が訪れた場合、レートは変動します。特に、信用不安が起きると、どこの金融機関もお金を貸さないこともあります。
そんな時は、高い金利を提示して資金調達する金融機関も出てきます。このような時は、高金利通貨を買いポジションで持っていたとしても、スワップ市場が混乱することで、スワップポイントが逆転することや、買いでも売りでも支払いスワップポイントが発生することがあります。
実際、2008年のサブプライム問題では、金融不安が広がったために、ドル円のスワップポイントは一気に3倍近くに上昇しました。