銀行のカードローンでは、普通預金口座にカードローンをセットして、水道光熱費などの引き落としができないときに自動的に融資してくれる「自動融資機能」を付けられる商品があります。

便利な機能ですが、知らないうちに借入れがふくれ上がる危険もあります。自動融資機能の便利な活用法と注意点を確認しておきましょう。

銀行系ローンの自動融資機能とは?

カードローンはもともとカードを使ってATMなどを利用してお金を借りる商品ですが、銀行の普通預金口座にセットして、水道光熱費などの支払いが不足すると限度額の範囲内で自動的に融資してくれる「自動融資機能」が付いたカードローンもあります。

普通預金口座とセットで付けるため、銀行系のカードローンが取り扱っている場合がほとんどです。

自動融資機能には、自分が付けたいという意思表示をして初めて付けることができる任意付帯と、はじめから機能がついている自動付帯があります。

利用者本人が自動融資機能を付けたことを認識していればよいのですが、キャッシュカードを作ったつもりだったのに、自動融資機能が自動付帯されていて、本人が知らないうちにいつの間にか借入額が膨らんでしまうことにもなりかねません。

なかには住宅ローンを借りるときにカードローンへの加入が条件になっている銀行もあります。住宅ローンのお客様は特別に限度額を大きくしやすいケースもあり、銀行側も借りる側も延滞の心配が少なくなるメリットがあります。

しかし、家計の支出のなかでぎりぎりの住宅ローンの返済をしているときにカードローンの返済が加わると、家計破たんにもつながりかねません。教育費と住宅ローンの負担が重い時期だけなど、一時的な利用にとどめる必要があります。
また、自動融資機能で借入れをしても、毎日利息を払っていることを忘れてはいけません。

クレジットカードの利用とカードローンの自動融資機能

自動融資機能はクレジットカードのショッピングの支払いにも対応してくれます。クレジットカードはお買い物をしたときよりも支払いの時期が後になります。カード会社によっては1ヵ月以上先の支払いになることもありますので、使ったことを忘れてうっかり預金が残高不足になると、支払いができず延滞の履歴が残ってしまいます。

また、大きなお買い物をしても自動融資機能で支払ってから、分割で少額ずつ返済していくことも可能です。

たとえば、5万円の買い物をして1ヵ月後残高不足で自動融資機能で建て替えた場合、毎月2,000円程度からの返済が可能な銀行もあります。クレジットの金利よりも自動融資機能の金利が低いときはさらにメリットが大きくなります。

最近では、銀行の預金口座にクレジットカードやカードローン、自動融資機能がセットされている一体型のカードが増えています。

1枚のカードで生活費の引き落としからお買い物、融資機能まですべてできるので、上手に使えばとても便利なカードといえるでしょう。

自動融資機能利用時の注意点

自動融資機能は便利な機能だけでなく、注意点もあります。一時的な利用にとどめないと無意識のうちに借入れを増やしてしまうということはもちろんですが、自動融資対象外の取引もあります。

銀行によってどのような取引だと自動融資機能が使えないのか確認しておきましょう。

各行の自動融資対象外の取引

銀行 自動融資機能の対象外の取引
A銀行 ・カードローンの毎月の返済
・返済日当日の口座振替
・支払可能残高を超える預金の引出し
・積立定期への自動振替など他の預金口座への振替や、投資自動積立による自動引き落とし
B銀行 ・カードローンの返済
・預金の払出し ほか所定の取引
C銀行 ・返済用預金口座がマル優の場合
・ATMや窓口での預金の払戻し
・カードロ-ンの毎月の返済
・自動積立定期預金などへの自動振替、定額自動送金サービス、リアルタイム口座振替サービス
・デビットカードサービス
・その他所定の取引

このように、カードローン返済のための返済や、融資を受けながらの積立定期への振替は対象外になっている銀行がほとんどです。中には5大公共料金しか使えない銀行、信用金庫などもありますので、自分が使っている銀行ではどの範囲まで自動融資機能が使えるのかの確認が必要です。

自動融資機能はカードローンをさらに簡単、便利、おトクにする機能です。

しかし、それだけに依存しすぎると家計の中での危険も大きくなります。自動融資であっても、借りている間はずっと金利を払い続けているということを忘れずに、計画的な借入れ、返済をしていきましょう。