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ジャパンギビングは、2010年に日本で開始された寄付型のクラウドファンディングです。現在は株式会社LIFULL Social Fundingという不動産会社大手の株式会社LIFULLの子会社がプラットフォームを運営しています。

元々は、イギリスのJustGivingが運営している世界最大級の寄付募集サイトの日本版として「ジャストギビング」という名称でスタートしました。その後JustGivingとのライセンスが終了したことにともない「ジャパンギビング」としてサービスを続けています。

JustGivingから独立したという点と、より日本の文化や習慣にローカライズしたサービスを提供するということを打ち出すために名称を変更しています。

寄付型クラウドファンディングのプロジェクトのほとんどは、NPO法人、地方自治体、大学等の学校法人といった非営利団体によって立ち上げられています。

ジャパンギビングは日本最大級の寄付型クラウドファンディングプラットフォームとして、過去19億円以上の寄付を募っており、2200を超える団体が登録しています。

寄付型クラウドファンディングときくと、募金や投げ銭のようなイメージを持たれる方もいるかと思いますが、支援者をしてくれた方に対してお礼をお返しする「ギフト」が設定されているプロジェクトもあります。

また、ふるさと納税の仕組みを利用して、全国各地の地方自治体の寄付募集もサポートしているため、ふるさと納税に興味のある方にも役立つクラウドファンディングプラットフォームとなっています。

この他の寄付型クラウドファンディングや、商品・サービスのリターンが得られる購入型クラウドファンディングについては、下記のページで詳しく解説しています。

こちらも合わせて是非参考にしてみてください。

購入型と寄付型クラウドファンディングのプライスレスな特徴とは? – 8つの運営業者も紹介

 

ジャパンギビングの基本情報

最低出資額 500円以上であれば任意の金額を選択可能。ギフト付きの場合は何パターンか金額が用意されている 原則500円以上であれば任意に決められる★★★☆☆
利用者の支払う手数料 なし 無料でサービスを利用できる★★★★★
その他手数料 なし 一般的★★★☆☆
支払方法 クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、アメリカンエキスプレス)、Yahoo!決済、ドコモ口座(一部のプロジェクトでは利用不可) 銀行振込が利用できない★★★☆☆
対象 完全な寄付または、ギフトとしてお礼が品やサービスが受け取れる 寄付型クラウドファンディングとしては一般的★★★☆☆

 

ジャパンギビングは社会活動への寄付

ジャパンギビングは、社会の役に立ちたいと思っている人に金銭的な支援をする機会を提供するために、ウェブサイトを通じて社会をよりよくするための活動をしているプロジェクトオーナーを紹介しています。

2200を超える組織(NPO、公益法人、行政、ボランティア支援団体、企業)がクラウドファンディングを通じて実現したいことを達成するために、必要な経済的支援を支援者から募っています。

プロジェクトに共感した支援者は、ウェブサイトを通じて手軽に支援をすることができます。

 

原則、サービスの受け取りはない

ジャパンギビングは、寄付型クラウドファンディングプラットフォームを運営しています。

寄付型のため、原則として投資型クラウドファンディングや購入型クラウドファンディングとは異なり、支援者はリターンや商品・サービスを受け取ることを目的としていません。

ただし、プロジェクトによっては、ギフトとしてお礼が贈られるプロジェクトもあります。

 

資金調達側は「プロジェクトオーナー」

ジャパンギビングを通じて資金調達を行う企業や個人は、プロジェクトオーナーと呼ばれています。多くの場合非営利団体がプロジェクトオーナーとなって、資金募集を行っています。

 

利用者は「サポーター」として500円以上から寄付

利用者はジャパンギビングにおいて、サポーターと呼ばれています。サポーターは、ジャパンギビングを通じて共感できるプロジェクトを探します。

支援したいと思うプロジェクトがあれば、500円以上で任意の寄付金を支援することができます。

ギフトとしてお礼を受け取れるプロジェクトの場合は、何パターンかギフトの内容に応じた金額が設定されているので、支援金のコースを選びます。

 

クレジットカードまたはYahoo!決済、ドコモ口座を通じて決済

ジャパンギビングのビジネスモデルは、プロジェクトオーナーからの資金調達の金額に対して10%の掲載手数料と5%の決済手数料収入によって成り立っています。

購入型クラウドファンディングと比較すると、手数料は低くなっています。

寄付金の15%を手数料として徴収することに違和感を感じる方もいるかと思いますが、日本ユニセフ協会も寄付金の役20%を活動費に充てていると言われており、そんなに違和感のない設定だと言うことができます。

今後、銀行振込などの選択肢が用意されると、サポーターにとって利便性が向上するでしょう。

 

期間・目標金額の設定はプロジェクトによる

ジャパンギビングで公開されているプロジェクトには、期間が設定されているものと、されていないものがあります。また、目標金額も設定されているものとされていないものがあります。

購入型クラウドファンディングや投資型クラウドファンディングでは募集期間と目標金額が設定されているため、期間・目標金額が設定されていないプロジェクトは珍しく感じられます。

プロジェクトオーナーとしても期間や目標金額が設定されている方が高いモチベーションを保てると思われますし、サポーターとしてもプロジェクトの達成度合いが把握しやすいと思われます。

 

主な購入型・寄付型クラウドファンディングの手数料比較

業者 利用者の手数料 掲載手数料 決済手数料 プロジェクトオーナーの手数料
ジャパンギビング なし 10% 5% 15%
未来ショッピング なし 20% 2.8% 22.8%
キャンプファイヤー 1件につき216円 12% 5% 17%
A-port(エーポート) なし 総支援型20%から25% なし 20%から25%
COUNTDOWN(カウントダウン) なし 15% 5% 20%
GREEN FUNDING(グリーンファンディング) なし 20% なし 20%
Kibidango(キビダンゴ) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%)
Makuake(マクアケ) なし 20% なし 20%
Readyfor(レディーフォー) なし 12%(シンプルプランは7%) 5% 17%(シンプルプランは12%)
ShootingStar (シューティングスター) なし 15% 5% 20%
Motion Gallery(モーションギャラリー) なし 5%から15% 5% 10%から20%

 

寄付型クラウドファンディングの老舗

ジャパンギビングは、ジャストギビングという名称で寄付サイトを2010年から運営しています。

2011年に東日本大震災が起こった際に、多くの復興支援プロジェクトがジャパンギビングで行われて一躍有名になりました。これまで累計19億円の資金募集を行っており、プロジェクトオーナーとして登録している団体は2200にまでなっています。

他にも寄付型のクラウドファンディングがありますが、ジャパンギビングは日本において老舗の寄付型クラウドファンディングプラットフォームと言えるでしょう。

認知度も高く、実業家の堀江貴文さんや俳優の伊藤英明さん、女優の辺見えみりさんなどもジャパンギビングで東日本大震災の支援プロジェクトなどを行っています。

 

ジャパンギビングのメリット・デメリット

ジャパンギビングの良い点

  • ウェブサイトを通じて共感できるプロジェクトを見つけて手軽に支援することができる
  • 他の寄付型クラウドファンディングと比較してプロジェクトが多い
  • ふるさと納税の対象となる自治体がプロジェクトオーナーとなっているプロジェクトに簡単に寄付することができる
  • 他の募金団体と比較して、寄付どのような支援に使われのかが明確で、プロジェクトの進捗状況などもウェブサイトを通じて確認することができる。

 

ジャパンギビングの残念な点

  • 投資型クラウドファンディングや購入型クラウドファンディングと異なり、リターンや商品・サービスを得ることはできない(一部お礼を受け取れるものはある)

 

募集実績

  • 合計調達資金総額:19億円超
  • 登録団体数:2,200以上

 

登録の流れの概要

登録は公式ウェブサイトからユーザー登録のリンクをクリックして新規登録の手続きが行えます。

メールアドレスでの登録の他に、Facebookアカウント・twitterアカウント・Yahoo!IDのアカウントを用いて登録することも可能です。また、ゲストとして登録をせずに寄付を行うことも可能となっています。

ゲストとして寄付を行った場合は、税金の控除などで必要となる領収証を発行してもらうことができないことに注意してください。

 

信用できる運営会社か?

  • 社名:株式会社 LIFULL Social Funding
  • 本社所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町一丁目6番地2 アーバンネット麹町ビル7F
  • 事業内容:クラウドファンディング「ジャパンギビング」運営事業、ファンドレイジングコンサルティング事業
  • 代表者:佐藤 大吾
  • サービス開始:2010年

 

 

代表取締役CEOの経歴

代表者の佐藤大吾氏は、1973年に大阪で生まれ、大阪大学法学部に在籍されていました。

1998年には若年投票率の向上を目的にNPO法人ドットジェイピーを設立し、国会議員事務所などでのインターンシッププログラムを運営し、「Yahoo!みんなの政治」などインターネットと政治を近づける活動を行っており、若いころから社会問題に対して高い意識を持っていらっしゃいました。

2010年に、ジャパンギビングの前身となる英国発世界最大の寄付サイト「JustGiving」の日本版を立ち上げ、日本における寄付の文化を持ち込む活動をしながら、2013年には購入型クラウドファンディングサイトである「シューティングスター」も立ち上げており、寄付型・購入型両方のクラウドファンディング事業を行っています。

日本においてクラウドファンディングの歴史はまだ浅いですが、佐藤氏は日本のクラウドファンディング黎明期から業界に携わっている第一人者と言えるでしょう。
 

 

運営会社はオンライン不動産仲介業者大手のLIFULLの子会社

元々ジャパンギビングは株式会社JGマーケティングという佐藤大吾氏が経営していた企業が運営を行っていました。

2017年に東証一部上場企業である株式会社LIFULLが株式会社JGマーケティングを買収、子会社したことにともなって社名を株式会社LIFULL Social Fundingと変更しています。

このM&Aは、株式会社LIFULLが不動産に特化した投資型ソーシャルレンディング事業を開始するにあたり、0からビジネスを作るのではなく、すでにクラウドファンディングのプラットフォームを持っており業界に知見のある会社を買収することで速やかにビジネスを立ち上げることを目指したものと推測できます。

株式会社LIFULLは、オンラインの不動産仲介ビジネスを核としており、特に社会問題となりつつある空き家が増えている問題などを中心に、中古住宅マーケットの活性化を目論んでいます。

ジャパンギビングは寄付型のクラウドファンディングプラットフォームですが、今後運営会社の株式会社 LIFULL Social Fundingとしては、いくつかの領域でクラウドファンディングを運営していくことが予想されます。

 

プロジェクト案件について

プロジェクトの紹介ページでは、動画や写真などを使って支援金の使途や説明が記載されています。

また。プロジェクトオーナーの説明や、現在の支援額、支援者の人数などがわかるようになっています。また、すでに支援を行ったサポーターの支援コメントも読むことができます。

 

支援の行い方

支援をしたいと思ったプロジェクトの紹介ページを開き、「支援する」のボタンをクリックします。画面遷移後3つのタブが表示されます。

1つ目の支援情報タブでは、応援コメントを記入し、メールアドレスの入力と支援金額を選択します。2つ目の支払方法のタブでは決済方法を選択し、クレジットカード等の情報を入力します。

3つ目のタブで内容を確認し、利用規約を読んだ後同意して申し込みボタンをクリックします。

 

過去のプロジェクト例

シリア難民@トルコの子どもたちに学校を!プロジェクト

  • プロジェクト:トルコ国内でシリア難民のこども達が避難している地域での学校(校舎)を作り運営する
  • プロジェクトオーナー:シリア難民支援議員連盟
  • 最終資金調達金額:25,470,082円
  • 目標資金調達金額:20,000,000円

 
2011年の紛争以来、国内情勢の混乱が続いているシリアから、多くの避難民が逃れているトルコで、避難民のこども達が勉強をしたり遊んだりできる学校を作ろうというプロジェクトです。

プロジェクトオーナーは、当時衆議院議員であった小池百合子氏を中心とした超党派国会議員の団体であるシリア難民支援議員連盟です。

学校予定地のハタイ市の避難民の数は難民キャンプ内に約5300人、キャンプ外には16120人に上ると言われています。

避難民の子どもたちは、避難場所での施設の少なさや言語の壁などから、教育の場が制限されている現状がありました。

エジプトに留学されていた小池百合子さんの中東・アラブに対する知見を活かし、日本の国民にシリア難民の現状を理解してもらうためにクラウドファンディングという形で寄付を募ったプロジェクトです。

 

創薬・再生医療をめざす「iPS細胞研究所」に安定した研究支援体制を!プロジェクト

  • プロジェクト:ノーベル賞受賞者である山中伸弥教授のiPS細胞研究所の運営を支援
  • プロジェクトオーナー:京都大学iPS細胞研究基金
  • 最終資金調達金額:3,797,600円
  • 目標資金調達金額:1,000,000円

 
皆さんご存知のとおり、iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の研究グループが開発した日本発の技術です。

ノーベル賞を受賞するほどの重要な研究対象でありながら、iPS細胞研究所は教職員の9割が非正規雇用となっています。

研究支援体制を安定化させるためiPS細胞研究基金は、山中伸弥教授が大阪マラソンを走ってPRを続けてきた基金になっています。

このプロジェクトに寄せられた資金は、知的財産の確保と維持(特許出願・維持にかかる費用)、優秀な人材の確保に充てられます。

 

みんなのチカラで秀吉の初代大坂城石垣見学施設をつくろう!プロジェクト

  • プロジェクト:大阪城の地下に眠る、豊臣秀吉が築いた「初代大坂城の豊臣石垣」を見られる施設を作る
  • プロジェクトオーナー:太閤なにわの夢募金実行委員会
  • 最終資金調達金額:1,021,000円
  • 目標資金調達金額:1,000,000円

 
豊臣秀吉が大阪城を築城した時点の石垣は、その後徳川幕府による改築により、地下に眠っています。つまり今見ることのできる石垣は、豊臣秀吉が作ったものではないのです。

大坂夏の陣から400年を機に、秀吉が築いた初代大坂城の石垣を掘り起こし、大阪城築城時の豊臣石垣を公開するプロジェクトです。

なおこのプロジェクトオーナーは大阪市であるため、寄付金はふるさと納税の対象となっており、大阪市のふるさと寄付金制度の適用が受けられました。

 

まとめ

ジャパンギビングは寄付を行いたい人にとって便利なクラウドファンディングプラットフォーム

ジャパンギビングは、他クラウドファンディングサービス会社に先駆けて寄付型クラウドファンディングに取り組んできたことから、多額の募集実績があり、多くの団体と連携をしています。

そのため、常に様々なプロジェクトがウェブサイトで紹介されています。500円からと少額から寄付を行うことができるので、社会貢献したいと考えている方にとっては手軽に寄付を行うことができます。

また、街中で行われている募金活動とは異なって、ウェブサイトを通じてプロジェクトの経過が報告されるため、寄付したプロジェクトがどのように社会の役に立ったか知ることができるのも、支援者にとってはメリットとなります。

ふるさと納税の対象となるプロジェクトも多数用意されています。ジャパンギビングは、自分自身のできる範囲で共感したプロジェクトを支援したいと思っている方にとって、おすすめのクラウドファンディングサービスです。

寄付型ではなく、資金運用の意味合いが強い株式型やファンド型のクラウドファンディング、また、少額から投資のできるソーシャルレンディングについては、下記のページで詳しく解説しています。

こちらも合わせて是非参考にしてみて下さい。

ファンド型と株式型クラウドファンディングの違いと特徴 – 大手6運営業者を解説

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