未来ショッピング_トップ

未来ショッピングは、2016年12月に開始された日本経済新聞社が運営している購入型クラウドファンディングのプラットフォームサービスです。未来ショッピングは親会社の日経新聞の顧客に対して情報発信できることが最大の強みです。

800万人のユーザーを持つNIKKEI STYLEや日経IDのユーザー、月間2700万UB(ユニークブラウザ:Webサイトへのブラウザごとの訪問回数。同じ人が同一のブラウザで複数回アクセスした場合でも、UBは「1」としてカウントされる。)を誇る日経新聞電子版のユーザーにリーチできる強いを生かして集客をしています。

日経新聞の読者層は、現役で活躍しているビジネスパーソンや、マーケットや経済情勢に関心を持っている年収の比較的高いでクオリティの高いユーザーに特化してアプローチが可能なクラウドファンディングサービスになっています。

収入が高く、最新の情報にビビットなビジネスパーソンに対して、日経新聞の顧客情報を元に効率的に集客することが見込めます。

チケット購入型クラウドファンディング」を銘打っており、購入者が事前にチケットを購入し資金を前払いすることで、起案者は事前に資金調達を行った上で新規事業や商品・サービスを実現することができる仕組みとなっています。

その他の購入型クラウドファンディングや、リスクのない寄付型のクラウドファンディングについては、下記のページで詳しく解説しています。

こちらも合わせて是非参考にしてみてください。

購入型と寄付型クラウドファンディングのプライスレスな特徴とは? – 8つの運営業者も紹介

 

未来ショッピングの基本情報

最低出資額 1,000円から数十万円以上まで幅広い 商品・サービスによって異なる★★★☆☆
利用者の支払う手数料 なし 無料でサービスを利用できる★★★★★
その他手数料 なし 一般的★★★☆☆
支払方法 クレジットカードのみ(Visa/MasterCard限定) 選択肢がクレジットカードのみで、さらにブランドも限られている★☆☆☆☆
対象 チケットを買って商品・サービスと引き換える チケットを知人等にプレゼントすることが可能★★★★☆

 

未来ショッピングは「イノベーション」と「地方創生」

未来ショッピングのクラウドファンディングのテーマはイノベーションと地方創生です。

日経新聞がすでにネットワークを持っている大企業からベンチャー企業まで、広く日本企業のイノベーションを支援するプロジェクトを提供しています。

また、地方創生につながる地域の伝統産業や地域のものづくりなどを支援するようなプロジェクトを提供しています。

これらのプロジェクトを通じて、日本のビジネス創出の一助となることを目指しています。また、未来ショッピングのプロジェクトのジャンルは以下のように区分されています。

  • TAKUMI:伝統工芸や地域のものづくり・地方創生にスポットを当てたプロジェクト
  • LOCAL:ローカルビジネス活性化/観光・インバウンド等広義での地域活性化プロジェクト
  • LUXURY:高級ブランドの限定品など、”ラグジュアリー”な購買体験を提供するプロジェクト
  • HEALTH:健康をテーマにした技術や製品、研究などのプロジェクト
  • TECH IT:を軸とし、大手〜スタートアップの技術革新や新製品開発を支援するプロジェクト
  • WOMAN:女性活躍をコンセプトとした商品やイベントなどのプロジェクト
  • SKILL UP:スキルアップや自己研鑽/成長を目的としたセミナー/ワークショップ等のプロジェクト
  • ENTERTAINMENT:アートや音楽など良質なエンタテインメントに関するイベント等のプロジェクト
  • その他:その他、日経読者層のニーズやライフスタイルにマッチするプロジェクト

 

未来ショッピングはチケット型クラウドファンディング

未来ショッピングのプロジェクトを購入すると、商品・サービスと引き換えることができる権利(チケット)が購入者に提供されます。このチケットは出品者に代わって日経新聞社が発行します。

 

「起案者」は準備万端でプロジェクトに着手できる

未来ショッピングを通じて資金調達を行う企業や個人は、起案者と呼ばれています。

未来ショッピングはチケット制の購入型クラウドファンディングという仕組みを採用しているため、起案者は事前に必要な資金を調達した上でプロジェクトに着手することができます。そのため、低リスクで新規事業や商品開発を行うことが可能になります。

 

利用者は製品やサービスの「予約」のイメージ

利用者は未来ショッピングにおいて、「購入者・支援者」と呼ばれています。購入者・支援者は、未来ショッピングを通じてまだ商品化されていない製品やサービスを探します。

基本的には、欲しい商品・サービスがあれば、そのチケットを購入して予約するというイメージです。

クラウドファンディングは、一般的に一定期間の間に出資者を募る方式を採用するため、その時期に応募しなければ当該商品を購入することができないケースがあります。

未来ショッピングでは、すでに成功したクラウドファンディングのプロジェクトで制作した商品を再販しているケースもあります。この場合は、一般的なオンラインショッピングと同様に購入手続きを行うことになります。

 

利用者の手数料負担はナシ

未来ショッピングのビジネスモデルは、起案者からの資金調達の金額に応じた20%の掲載手数料と2.8%の決済手数料収入によって成り立っています。

そのため、支援者は手数料を負担する必要がなく、チケットの購入代だけを支払えば良いこととなっています。商品の送料も購入代金に含まれています。

残念な点としては、今のところ未来ショッピングはクレジットカードによる決済にしか対応していないことです。

また、クレジットカードもVISAとMasterCardにしか対応していません。他の購入型クラウドファンディングと比べると非常に選択肢が限られていると言わざるを得ません。今後決済方法の種類が増えていくことに期待したいところです。

 

プロジェクトの種類は2つ

プロジェクトには「オールオアナッシング(目標達成型)」と「ダイレクトチャレンジ(実行確約型)」があります。どちらの場合でも掲載手数料20%、決済手数料2.8%という点に変わりはありません。

また、スタッフやキュレーターによるサポートや、日経新聞関連の媒体への広告やプレス配信、動画制作、素材撮影などのプロモーションついても違いはありません。

 

オールオアナッシング(目標達成型)

オールオアナッシング(目標達成型)は、目標金額に到達した場合のみ資金調達やプロジェクトの着手が決定する方式です。

 

ダイレクトチャレンジ(実行確約型)

ダイレクトチャレンジ(実行確約型)は目標金額に到達しない場合でも、集まった金額を調達しプロジェクトに着手する形式です。

 

主な購入型クラウドファンディングの手数料比較

業者 利用者の手数料 掲載手数料 決済手数料 プロジェクトオーナーの手数料
未来ショッピング なし 20% 2.8% 22.8%
キャンプファイヤー 1件につき216円 12% 5% 17%
A-port(エーポート) なし 総支援型20%から25% なし 20%から25%
COUNTDOWN(カウントダウン) なし 15% 5% 20%
GREEN FUNDING(グリーンファンディング) なし 20% なし 20%
Kibidango(キビダンゴ) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%)
Makuake(マクアケ) なし 20% なし 20%
Readyfor(レディーフォー) なし 12%(シンプルプランは7%) 5% 17%(シンプルプランは12%)
ShootingStar (シューティングスター) なし 15% 5% 20%
Motion Gallery(モーションギャラリー) なし 5%から15% 5% 10%から20%

 

チケットの購入金額は1,000円から2,000万円を超える商品も

チケットの購入金額は、それぞれのプロジェクトによって異なります。概ね1,000円から数十万円の幅に収まっています。他のクラウドファンディングと比較すると単価の高いプロジェクトが多く見受けられます。

これは、日経新聞の媒体を利用している方々の収入が世の中一般と比べて高いことが理由だと思われます。未来ショッピングが集客できる層が、良質な購入者・支援者であることを意味しています。

 

未来ショッピングの強み「日経新聞社の顧客を集客」

未来ショッピングの強みは、何よりも日経新聞社が運営するクラウドファンディングという点で、プロジェクトは日経新聞が運営している日経新聞のウェブサイトやNIKKEI STYLEなどで広告され、購入者・支援者を募っていきます。

そのため、未来ショッピングで展開されるプロジェクトの多くは、ビジネスパーソン向けのものが多くなっています。

日経電子版の読者は大企業勤務率は30.8%、海外出張時の飛行機利用がビジネスクラスである割合が40.5%、世帯年収が1,500万円超である割合が23.5%となっています。

いずれの指標にしても平均より2倍から3倍程度高い数値となっており、日経新聞のユーザー層がハイクラス・良質なユーザーであることがわかります。

そのため、他のクラウドファンディングと比較して、プロジェクトを通じて購入できる商品もクオリティが高く、かつ価格水準も高いものが多くなっています。

 

未来ショッピングはリアル店舗でも商品を提供

未来ショッピングでは、プロジェクトの中の一部の商品について、三越伊勢丹「イセタンメンズ館」で販売を行っていました。これによって、未来ショッピングを通じてのみ入手できる商品がリアル店舗でも購入できるようになっています。

購入できるのは未来ショッピングでプロジェクト化された商品すべてではなく、イセタンメンズ館のバイヤーが厳選したスピーカーやスマートウォッチ、シャツや眼鏡などに絞って提供されていました。

こういったポップアップストアも定期的に開催されていくことで、実際の商品を手に取って体験する機会が増えていくものと思われます。

 

未来ショッピングのメリット・デメリット

未来ショッピングの良い点

  • 興味を持ったプロジェクトや欲しいと思った商品やサービスを、購入することができる
  • チケット購入型クラウドファンディングであることから、購入したチケットを他者に譲ることができる

 

未来ショッピングの残念な点

  • 投資ではないので、金銭的なリターンを得ることはできない
  • 他クラウドファンディングと比較して起案者の負担する手数料率が高いため、プロジェクトで制作される商品・サービスの原価率が低くなってしまう

 

募集実績

  • ファンディング募集件数:37 件
  • 合計調達資金総額:2,800万円

(2017年8月時点)

 

登録の流れの概要

登録は公式ウェブサイトから新規会員登録のリンクをクリックして新規登録の手続きが行えます。すでに日経ID・Facebook ID・Yahoo! JAPAN IDを持っていれば、そのIDでログインすることで登録が可能です。

また、氏名・メールアドレス・パスワード(半角英数字6文字以上)を入力することで、未来ショッピングIDを無料で作成することもできます。

 

信用できる運営会社か?

  • 社名:株式会社日本経済新聞社
  • 本社所在地:東京都千代田区大手町1丁目3番7号
  • 設立:1876年12月2日
  • 事業内容:雑誌、書籍、電子メディア、データベースサービス、速報、電波、映像、経済・文化事業などを展開
  • 資本金:25億円
  • 代表取締役社長:岡田 直敏
  • サービス開始: 2016年12月

 

日経新聞社は日本を代表する経済紙を発行

日経新聞社は、その名の通り日本経済新聞をはじめとする新聞4紙を発行するほか、近年はデジタルでの情報発信にも力を入れています。

2010年に創刊した「日経 電子版」はスマホやタブレットでいつでも質の高い情報を入手したいという読者ニーズに応え、2018年1月時点で有料会員数が約56万人と、世界有数の有料読者を持つウェブメディアになりました。

アジアを中心に海外発信も強化しており2013年には「Nikkei Asian Review」をスタート、成長著しいアジアのニュースを英語で世界に発信しています。

また、2015年には英国の大手経済紙であるフィナンシャル・タイムズを発行するフィナンシャル・タイムズ・グループを買収し、グローバルなメディアとして発展を遂げています。

未来ショッピングは、日経新聞社が培ってきた大企業や地域の新聞社などのリレーションを生かしてプロジェクトを作っていたり、また自社メディアでプロジェクトを広告するなどといったシナジーを生かしています。

 

サイトの運営は株式会社Relicと株式会社新東通信に委託

未来ショッピングは、直接日経新聞社が運営せず、クラウドファンディングに知見のあるパートナーに委託しています。

事業パートナーである広告会社の新東通信と、チケット購入型のクラウドファンディングサービス「ENjiNE(エンジン)」を提供し運用支援を行っている株式会社Relicの手法を用いて、未来ショッピングが起案者に対するサポートを行います。

自社で一からサービスを立ち上げるのではなく、事業パートナーと協業することで速やかに未来ショッピングを立ち上げることに成功しています。

半面、起案者に対する手数料率が高いのは、こういった事業パートナーと利益をシェアする必要があるからだと想像できます。

 

他社クラウドファンディングとの違い

すでに先行している大手クラウドファンディングと異なっているのは、テストマーケティング・ブランディングといったの意味合いが強く出ているという点です。

プロジェクトは、独自審査を通過した良質なプロジェクトのみを紹介しているといいます。

新聞広告の掲載基準に照らし合わせ、その企業や製品(商品)・サービスが、掲載に耐え得るかを審査しているため、読者は日経関連のウェブサイトで展開される広告に対しても信頼できるというイメージを持っています。

未来ショッピングにプロジェクトが掲載されることは、企業名が知られるだけでなく、その企業自体も日経新聞の高いブランド力・信頼性を持つことができるのです。

この点が、他のクラウドファンディングとは異なっている点と言えるでしょう。

 

プロジェクト案件について

未来ショッピング_案件
出典:未来ショッピング
https://shopping.nikkei.co.jp/

プロジェクトの紹介ページでは、プロジェクトの紹介ムービー、写真などを用いて、商品・サービスについて説明がなされています。起案者の紹介や、すでに集まっている金額、販売されているチケットと金額、残りの募集期間が記載されています。

 

チケット購入の進め方

まず、興味のあるプロジェクトの紹介ページを開きます。その後、購入したい商品の「買い物かごに入れる]ボタンをクリックします。

続いて、買い物かごのボタンをクリックします。最後に「購入内容を確認する」ボタンをクリックし支払い方法を選択し「購入を確定する」ボタンをクリックして、手続きは完了します。

 

過去のプロジェクト例

モバイル型ロボット電話「ロボホン」プロジェクト

  • プロジェクト:シャープ製のモバイル型ロボット「ロボホン」の制作プロジェクト
  • 最終資金調達金額:10,269,285円
  • 目標資金調達金額:100,000円

 
ロボホンは、シャープ製の二足歩行が可能なヒューマノイドロボットです。

ロボホンの名前のとおり、ベースはスマートフォンであり、電話やメール、カメラなど携帯電話の基本的な機能を備えており、全機能が音声対話による操作に対応しているのが特徴です。

一台20万円という高額な商品となるため、シャープは製品化にあたってまずクラウドファンディングでニーズ調査を行うためにプロジェクトが立ち上げられました。ロボホンは非常に高い潜在的ニーズがあり、目標金額の1,000%を超える資金募集を実現しました。

また、その後も数回に渡ってロボホンのクラウドファンディングが行われている、未来ショッピングを代表するプロジェクトとなりました。

 

時計全体に天然石をあしらったラグジュアリー・スマートウォッチ・プロジェクト

  • プロジェクト:ベルトと文字盤に天然石をあしらった、ラグジュアリーなビジネスパーソン向けスマートウォッチ制作
  • 最終資金調達金額:3,797,600円
  • 目標資金調達金額:1,000,000円

 
これまでのスマートウォッチは無機的になりがちなデジタルアイテムといった見た目の商品がほとんどでした。

このプロジェクトは、自然界に存在するモノとデジタルを融合させること。素材に本物の天然石を使用することで、これまでのスマートウォッチとは全く異なる時計を作成することを目指したプロジェクトです。起案者は、未来ショッピングを通じてビジネス立ち上げを目指すスタートアップ企業でした。

 

1400年前より伝わる日本古来の製鉄法”たたら製鉄”でパターを作成するプロジェクト

  • プロジェクト:たたら製鉄によって生産された和鋼を用いて、現代向けの製品化を目指す
  • 最終資金調達金額:972,000円(現在募集中)
  • 目標資金調達金額:300,000円

 
島根県奥出雲地方では、1400年前より伝わる日本古来の製鉄法”たたら製鉄”が盛んな地域でかつては、日本一の鉄生産量を誇りました。

途絶えてしまった「たたら文化」を未来へ伝承していくため、たたら製鉄の手法を現代に蘇られるために立ち上げられたのがこのプロジェクトです。ビジネスパーソン向けの商品らしく、鉄を用いてゴルフパターを制作するプロジェクトとなりました。

未来ショッピングのテーマの一つである地方創生・伝統産業の支援といったカテゴリを代表するプロジェクトの一つです。

 

まとめ

未来ショッピングは、新しいテクノロジーや伝統工芸に関心のある方向けにおすすめのクラウドファンディング

未来ショッピングを利用する起案者の多くは法人で、大企業からスタートアップ企業まで様々です。未来ショッピングでは、これらの企業が新規のテスト・マーケティング的に投入する新商品をいち早く手に入れることができます。

また、目にすることのなかったベンチャー企業の商品・サービスなどを購入することも可能です。

一方で、地方の伝統工芸などの技術を生かして現代のライフスタイルに合わせた商品・サービスなどのプロジェクトも多く見受けられます。イノベーティブな商品・サービスや地方のものづくりに興味のある方におすすめできるクラウドファンディングです。

また、大手メディア企業である日経新聞社が運営しているため、サービスに対する信頼性も高いこともポイントです。

金銭的なリターンを求めるタイプのクラウドファンディングや、少額から投資のできるソーシャルレンディングについては、下記のページで詳しく解説しています。

こちらも合わせて是非参考にしてみて下さい。

ファンド型と株式型クラウドファンディングの違いと特徴 – 大手6運営業者を解説

おすすめのソーシャルレンディング会社 ~ サービスや利回り、メリット、デメリットを比較