
『闇金(ヤミキン)』をテレビや映画などで見たことがある方は多いでしょう。しかし、闇金の実態や怖さを具体的に知っている方は、あまりいらっしゃらないのではないのでしょうか。
今回は、闇金の怖さを正しく知って避けていただくために、実例を挙げた闇金の恐怖と闇金の見分け方をお伝えするとともに、闇金利用の前にできる対策、闇金からの借金への対策について詳しく解説します。
行政書士が伝授
このページの内容は行政書士(現役)の方に作成してもらいました。
目次
闇金ってなに?

『闇金は怖い』とよく聞きますが、そもそも闇金ってなんなのでしょうか?闇金の怖さを知って避けるためには、まずは闇金について正しい知識を持っておくことが大切です。
闇金とは
闇金とは『貸金業の登録を行わずに、業としてお金を貸している業者のこと』をいいます。
日本おいて貸金業(業務としてお金を人に貸すこと)を行うには、国(財務局)や都道府県に貸金業としての登録をしなければなりません。これに登録せずにお金を貸す商売をしている業者のことを、まとめて『闇金』と呼んでいます。
闇金というと、『ヤクザが経営している金貸し』『闇の世界の銀行』などというイメージがありますが、一般人が経営していても、登録をしていなければすべて闇金です。
闇金の何がそんなに怖いの?
『登録をしてないだけで、他の貸金業者と業務内容は同じでしょ??』と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。『登録をしていない』ということこそが、闇金の怖さを生みます。
登録をしている貸金業者は、『貸金業法』『利息制限法』『出資法』という3つの法律によってさまざまな規制を受けます。登録をしていない闇金はその規制を受けないため、借り手にとってはとても危険なのです。
登録済みの貸金業者が守る3つの法律
- 貸金業法
- 利息制限法
- 出資法
登録をしている貸金業者が受ける規制
まずは登録をしている貸金業者が受ける規制について、代表的なものを知っておきましょう。
貸金業法による規制の代表例
- 総量規制(貸し付け上限額の制限)
- 違法な取り立ての制限
- 生命保険による借金返済の禁止
- 金利(利率)の上限制限
総量規制
総量規制とは、『貸金業者は、個人にお金を貸す場合に、その人の年収の3分の1を超える金額を貸し付けてはいけない』という規制のことです(貸金業法第13条の2)。※一部除外または例外となる借金もあります。
総量規制は、すべての貸金業者からの借入合計額で計算されます。
つまり、A貸金業者からの借入額がすでに年収の3分の1を超えている人には、B貸金業者は新しく貸し付けてはいけません。借り手側に立って言いかえると、たとえば「年収300万円の人は、すべての貸金業者から合計100万円までしか借りることができない」というわけです。
この総量規制は、借り手の『借り過ぎによる生活苦』を防ぐために設けられました。年収からみて返せる範囲までしか貸さないように貸金業者を規制することで、お金を借り過ぎて首が回らなくなる借り手を減らそうとしたのです。
総量規制に違反して年収の3分の1以上を貸し付けた貸金業者は、貸金業法違反として一定期間の営業停止や貸金業登録の取り消しなどの行政処分を受けます。そのため登録をしている貸金業者は、借り手の年収などを慎重に調べ、返済能力を超えた無理な貸し付けをしないように注意しています。
違法な取り立ての制限
貸金業者としては、貸したお金は絶対に返してもらわないと困ります。しかし、借り手を威迫し、その私生活や仕事の妨げになるような言動による取り立ては、貸金業法で固く禁じられています(貸金業法第21条)。
禁止されている違法な取り立て行為
- 多人数で押しかける
- 正当な理由なく、夜間(午後9時から午前8時まで)に取り立ての電話・FAX・電報・自宅訪問をする
- 繰り返ししつこく電話・FAX・電報・自宅訪問をする
- 張り紙や看板などで借金の事実を周囲にバラしたり、借り手のプライベートな事柄を広めてまわる
- 他の貸金業者からの借金やクレジットカードの使用などによって返済するよう要求する
- 借り手が弁護士に委任したり債務整理の手続きに入った旨の通知を受けたのに、取り立てを続ける
- 大きな声や乱暴な言葉を使う
- 暴力的な態度で取り立てる
- 勤務先に行って、借り手を困惑させたり不利益を被らせたりする
- 借り手の家族や友人に、借金を肩代わりするよう求める
- 自宅に取り立てに行き、居座る
- 借り手やその家族に、『風俗店で働け』『マグロ漁船に乗せてやろうか!』などと言って脅す
こうした取り立ては違法なものとして貸金業法上処罰の対象となり、営業停止や貸金業登録の取り消しなどの処分を受けます。また強要罪・脅迫罪・恐喝罪・住居侵入罪などの刑事罰の対象にもなります。
そのため登録をしている貸金業者は法律を順守し、内部規則で取り立ての方法をきちんと定めて、こうした違法な取り立を絶対にしないようにしています。
生命保険による借金返済の禁止
貸金業法は、借り手の自殺による生命保険から借金を返済させることも禁止しています。
金利(利率)の上限制限
貸金業者は、『利息制限法』と『出資法』という2つの法律によって、金利も規制されています。
法定の上限金利
利息制限法による上限金利 | 貸付額に応じて15~20% |
---|---|
出資法による上限金利 | 20% |
貸金業者は、これを超える金利でお金を貸し付けることができません。違反すると契約自体が無効となり、貸金業者はお金を返してもらえなくなります。また、罰金などの刑事罰の対象にもなります。
闇金の本当の怖さ
このように、強い立場である貸金業者から弱い立場である借り手を守るために、国はたくさんのルールを設けています。登録をしている貸金業者は罰則や処罰を受けないようにそのルールの中で活動するため、借り手としてはひどい取り立てや厳しい利息に苦しめられる心配がなく、安心なのです。
しかし、闇金はそもそも登録をしていないので、貸金業登録の取り消し処分なんてなにも怖くありません。闇金にはルールも規制もなにもないため、違法な取り立てを行ったり、自殺して生命保険で借金を返すよう迫ってきたり、違法に高い金利に苦しめられたりする危険があるのです。
実際にあった、闇金の怖い話を3つご紹介します。
闇金の怖い話1(実録)『完済させてくれない』
そして10日後、田中さんは11万円を返しに闇金事務所を訪れたところ、「完済は事前に電話で連絡してもらわないと受けとれない、借用書にもそう書いてある」と追い返されてしまいました。
帰宅して借用書を確認すると、たしかにそう書いてあります。そこで田中さんは何度何度も電話をしましたが、まったくつながりません。電話がつながらないまま1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎ・・・と、借金額はふくらむばかりです。』
このように、たいていの闇金はなかなか借金を返させてくれません。利息を払わせ続けようとするのです。
闇金の金利は10日で1割(トイチ)や10日で5割(トゴ)のようにとても高いため、借り手は利息の支払いに追われて、どんどん追いつめられてしまいます。
闇金の怖い話2(実録)『勝手に融資してくる』
あわてて闇金に電話すると、「借りにきたじゃないか、借用書だってあるんだぞ!」と強く恫喝され、反論できませんでした。思い切って闇金事務所を訪れてみましたが、借用書は見せてくれない上、利息を払えと迫られてしまいました。』
闇金に一度口座番号などの個人情報を渡してしまうと、勝手に口座にお金を振り込まれて、自発的に借りたことにされてしまうこともあります。何度完済しても、闇金の手から逃れることは難しいのです。
闇金の怖い話3(実録)『大阪八尾市闇金取り立て苦心中事件』
あるとき、女性はつい闇金から1万5,000円ほどを借り入れてしまいました。その後10万円以上を返済したにもかかわらず、全て利息扱いをされ、いっこうに完済させてくれません。
その上、連日連夜「返せないのなら死ね」「お前が払えないのなら近所の人から取るぞ」などと電話で脅され、違法な取り立てを繰り返し受けました。
女性は警察署にも何度も相談に行きましたが、「闇金にお金を払ったらあかんよ、強くでなければ」などと言われるだけでした。
女性は厳しい取り立てを苦にし、夫と兄の3人で電車に飛び込んで心中しました。
生前、女性が知人に宛てた手紙には「悪徳業者にひっかかり、大変困っております。2万円借り入れして15万円も払わされています・・・毎晩、 毎晩、電話に怯えています。主人も兄も私に同情して死を決意してくれました。・・・死をもってお詫びします」と書かれていました。』
これは、普通の家族が闇金に関わったばっかりに死に追いやられてしまった、悲惨な事件のひとつです。この女性には、死をもってお詫びしなければならないことなど、なにもありません。
でも、そうせざるを得ないところまで闇金は追い詰めてくるのです。
闇金の怖さと危険さ、ご理解いただけたでしょうか?
ご紹介した他にも、闇金による怖い事件はたくさん起こっています。また、闇金から個人情報が裏社会に流れ、怪しげな勧誘電話がしつこくかかってきたり、詐欺のターゲットにされたりすることもあります。
闇金を見分けるには?

闇金の危険さをわかっていただいたところで、次にその見分け方をご説明します。今から借りようとしている業者が闇金なのか、それとも法律を守っている貸金業者なのかを見分けられなければ、いくら闇金の危険性を知っていても意味がありません。
闇金を見分ける3つの方法
利用中またはこれから利用したい業者が貸金業者か闇金なのかを調べる方法はただ1つ、『その業者が貸金業の登録をしているかどうかを確認すること』です。登録済みかの確認する方法は、3つあります。
- 業者が貸金業の登録番号を表示しているかを確認する
- 金融庁の『登録貸金業者情報検索』を利用する
- 管轄の財務局・都道府県に電話をかけて確認する
業者が貸金業の登録番号を表示しているかを確認する
貸金業者の広告・店舗・ホームページには、必ず貸金業者としての登録番号が表示されています。
広告の場合は欄外の隅や業者名の下に書いてあることが多く、店舗の場合は入口からよく見える場所に標章として掲げられていることが多いです。ホームページの場合は、『業者情報』『会社概要』などのページに書いてあることが多いです。
この登録番号を表示していない業者は、闇金の可能性がとても高いです。
しかし、登録番号の表示があったからといって、安心してはいけません。偽物の登録番号を掲げて登録してある貸金業者を装い、借り手を騙そうとする闇金もいます。業者が提示している登録番号を信じるのではなく、次にご紹介する方法でも確認しておきましょう。
金融庁の『登録貸金業者情報検索』を利用する
金融庁がインターネットで公開している『登録貸金業者情報検索』を利用すれば、登録されている貸金業者なのか、業者が表示している情報は正しいのかを簡単に調べることができます。
金融庁 登録貸金業者情報検索入力ページ

検索するには、次の5つのうち少なくともどれか1つの情報が必要です。
- 登録番号
- 所在都道府県
- 商号・名称
- 代表者名
- 電話番号
管轄の財務局・都道府県に電話をかけて確認する
業者の情報が見つけられなかったりインターネットが苦手な方は、管轄の財務局・都道府県に電話をかけて確認することもできます。
電話での確認の手順
- 1. 情報収集
- まずは問い合わせたい業者の名前や電話番号など、わかる限りの情報を集めましょう。問い合わせがスムーズになります。
- 2. 電話する
- お住まいの地域を管轄する財務局・都道府県の窓口に電話をしましょう。「貸金業者について知りたいことがあるのですが・・・」と言えば、担当の人につないでもらえます。
- 3. 闇金かどうか確認
- 知りたい業者の名前や電話番号などを伝え、「この業者は登録されている貸金業者ですか?闇金ではないですか?」と聞けば、担当の人が調べてくれます。
※財務局管轄の業者なのに都道府県にかけてしまった場合は「財務局にかけてください」と教えてもらえるので、とりあえずどちらかにかけてみてください。
※対応時間は地域によって異なりますが、平日の午前10時から午後16時までならどこでも大丈夫です。
確認する時の注意点
登録番号を確認するときには、次の3点に特に注意してください。
- すべての情報が一致していることを確認
- 有名企業の名前に騙されない
- 携帯電話番号を広告に載せている業者は闇金
注意点1:すべての情報が一致していることを確認する
ご紹介したどの方法でも、業者の登録番号や所在地・名称などすべての情報が一致していることを必ず確認しましょう。よく似た名称で住所だけが微妙に違っていたりすることもあるので、注意してください。
注意点2:有名企業の名前に騙されないで!
闇金業者は、誰もが知っている有名企業の名前やロゴ・イメージキャラクター・イメージカラーなどを無断使用し、まるでグループ会社のように装うことがあります。
有名企業の名前をもじった闇金の例
- みずほファイナンス
- 三井住友ファイナンス
- 株式会社東証システム
- マツダファイナンス株式会社
私たち消費者は、ついつい「あの有名銀行のグループ会社なら違法なことはしないだろう…」と思って信用してしまいます。
しかし、闇金はそうした消費者心理を上手く利用して私たちを欺こうとするため、注意が必要です。必ずご紹介した3つの方法でその業者が登録をしているかどうかを確認してから、借り入れるようにしましょう。
注意点3:携帯電話番号を広告に載せている業者は闇金
広告やホームページなどに、業者への連絡先として携帯電話の番号を載せている業者は闇金なので関わらないようにしましょう(「090金融」と言われています)。
登録をしている貸金業者は、必ず固定電話の番号を表記しなければならないため、携帯電話番号が書かれているのはおかしいのです。
闇金からしか借りられないと思ったら

『闇金を見分ける方法はわかったけど、もう闇金ぐらいしかお金を貸してくれないんだよ・・・』という方も、おられると思います。
これまでお話ししたように、貸金業者は総量規制による制限を受けているため、他業者から借金のある人にはなかなか貸してくれません。銀行の融資はもともと審査が厳しく、お金に困っている人にとっては高すぎるハードルです。
となるともう闇金であってもお金を貸してもらって、目の前の借金の返済や生活費をやりくりするしかない状態の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それでも闇金から借りてはいけません!高すぎる利息を払えずに、結局は借金が増えてもっと苦しくなるだけです。
それに、お金を損するだけでなく、違法な取り立てで家族をも傷つけたり、ヤクザに個人情報が流れて怪しげな勧誘や詐欺に悩まされるなど、恐ろしいトラブルに巻き込まれることもあります。
今、あなたが「もう闇金から借りるしかないんだよ!」と思い詰めているのなら、次の2つの方法を検討してみてください。今は面倒臭く思うかもしれませんが、あとから振り返れば、必ず「やってよかった、闇金から借りなくてよかった」と思っていただけるはずです。
もう闇金しかない!と思ったら…行うべき2つの方法
- 債務整理
- 特定調停
方法その1:債務整理をしよう
債務整理とは『今抱えている借金を整理すること』です。
「整理したくらいで借金が楽になるの?」と思うかもしれませんが、借金も部屋の片付けと一緒です。いらないものを捨てて必要なものだけを残せば、あとは必要最低限の部分を返済するだけでよくなります。
また、債務整理の手続きが開始した時点で業者は取り立てができなくなるため、取り立ての電話や請求書におびえなくてもよくなります。
債務整理には、次の3種類があります。
債務整理の種類
【1】任意整理 | 業者と話し合って、借金を整理 |
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【2】個人再生 | 裁判所に借金の返済が困難であることを申し立て、借金を整理 |
【3】自己破産 | 裁判所に借金の返済が絶対に無理であることを申し立て、借金を整理 |
ひとつずつ、ご説明します。
任意整理とは
任意整理とは、業者とあなたが話し合って、借金の返済が可能になるように新しい返済条件を自由に決める手続きです。たとえば、月々の返済額を安くしてもらったり、将来の利息分をカットしてもらえたりします。
任意整理はもっとも簡単で自由度が高い債務整理の方法のため、1番よく利用されています。ただ、自由な話し合いのため、望む交渉結果を生むためにはかなりの交渉力と法律知識が必要です。多くの人は弁護士や司法書士などの専門家に交渉を依頼しており、それなりに費用がかかります。
個人再生とは
個人再生とは、裁判所に借金の返済が困難であることを申し立て、裁判所を通じて業者とあなたが話し合い、借金の返済が可能になるように新しい返済条件を決める手続きです。
だいたい3~5年で完済できるような返済条件に決まることが多く、将来の利息分のカットや借金自体の減額をしてもらえる場合もあります。
個人再生を弁護士などの専門家なしに行う場合、裁判所が『個人再生委員』という第三者をつけてくれます。個人再生委員は、あなたの財産状況を調査した上で妥当な返済条件をアドバイスしてくれるため、専門家なしでもひとりで手続きすることが可能です。
ただし、実際の交渉や裁判所に提出する書類の作成などはすべてあなたがしなくてはならず、ひとりでやるにはかなりの覚悟と勉強が必要です。手間もかかります。弁護士費用を払うゆとりがあるのなら、専門家に依頼することをおすすめします。
自己破産とは
自己破産とは、裁判所に借金の返済が絶対に無理であることを申し立て、裁判所を通じて業者とあなたが話し合い、裁判所にすべての借金の免責許可をもらう手続きです。
すべての借金がチャラになる夢のような手続きですが、その分デメリットも大きいです。
たとえば、車や家などの20万円以上の財産はすべて手放さなくてはいけませんし、借金の保証人になってくれた人に大きな迷惑がかかります。一定期間クレジットカードを作れなくなったり警備員や士業に就けないなど、日常生活にも制限を受けます。
方法その2:特定調停をしよう
特定調停とは、簡易裁判所に借金の返済が難しいことを申し立て、裁判所を通じて業者とあなたが話し合い、借金の返済が可能になるように新しい返済条件を決める手続きです。『裁判所をはさんだ任意整理』とイメージしてください。
特定調停では、裁判官が交渉の間に入ってくれます。裁判官は両者の話しを聞いた上で、妥当な返済条件案を提示してくれるため、交渉力や法律知識はさほど必要ありません。あなたひとりでも十分手続きができます。弁護士費用を払うゆとりがない方におすすめの方法です。
特定調停での返済条件は、だいたい3~5年で完済できるようなものに決まることが多いです。
特定調停で決まった返済条件には、判決と同じくらいの強い効力があります。条件を破ると、裁判なしに給与や財産の差押え(※)などをされてしまいます。3~5年間は絶対に返済が滞らないように、注意が必要です。
※差押え・・・車や家などの財産を強制的にお金に替えて、借金の返済にあてる手続きのこと。
弁護士への借金トラブル相談方法などについては下記のページで詳しく解説しているので参考にしてみてください。
借金トラブルは弁護士、司法書士、行政書士の誰に頼む?裁判所の利用方法も解説
もうヤミ金から借りてしまったら

闇金の怖さはよくわかったけど、もう闇金から借りちゃったんだよ…』という方も、おられると思います。でも、まだできる対策があるので、怖がらなくても大丈夫です。
対策その1:返さなくてもいいことを理解しよう
闇金からの借金は、基本的に返す必要はないということを理解しておきましょう。
闇金はたいてい違法な金利で貸し付けていますが、闇金から違法な金利で借りたお金は返済の必要はなく、支払った利息も全額返してもらえます(最高裁判決、2008年)。
道義的にはともかく、法的には返す必要がない借金なのですから、厳しく取り立てられても強い態度で対応しましょう。
対策その2:警察に相談しよう
違法な取り立てを受けたり、なんだかんだ理由をつけて完済させてもらえないときには、警察に相談しましょう。最寄りの交番や警察署の生活安全課に相談すれば、闇金に立ち向かうためのアドバイスやパトロールの強化をしてもらえます。
ただ、残念ながら、警察は事件が起きないと動いてくれません。最悪の場合、警察が動いてくれるときにはもうすでに、あなたやあなたの家族に危害が及んでいるかもしれないのです。
警察への相談と並行して、弁護士などの専門家にも相談しましょう。
対策その3:弁護士などの専門家に相談しよう
闇金は、弁護士や司法書士などの法律の専門家を恐れています。専門家は闇金の対応にも慣れていますし、法律の専門知識もあるため闇金の違法な点をピンポイントで攻撃して、闇金に大打撃を与えるからです。
費用はかかりますが、弁護士などに相談して味方になってもらいましょう。弁護士や司法書士から闇金に電話を一本してもらうだけで、連日連夜の取り立てがピタっと止むことも少なくありません。費用だけの効果を得られると思いますよ。
弁護士や司法書士への依頼時の注意点
弁護士はどんな借金についても相談できますが、司法書士は140万円以下の借金についてのみ相談できます。また、弁護士によっては闇金関連の依頼は受けてくれない場合も多いでの、事前に電話などで問い合わせてから、訪問するほうがいいでしょう。
行政書士に相談?
まれに行政書士に相談する方もいますが、<行政書士は闇金対策としては弱いのでダメです。行政書士は書類作成のプロなので、個人間での借用書や業者との示談書などの作成は得意ですが、闇金との交渉はできません。 ただ、闇金に強い弁護士や司法書士を紹介してくれる場合もあります。誰かに話すだけでも気分が軽くなりますし、近くに行政書士がいるのなら、相談するのもいい手段です。
対策その4:法テラスを利用しよう
法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕のない方を対象に、弁護士や司法書士による無料法律相談をしている国の機関です。
闇金についても相談にのってもらえ、その場で対応してもらえたり、闇金に強い弁護士や司法書士を紹介してもらうことができます。
相談は完全に無料なので、ぜひお近くの法テラス(地方事務所一覧)に足を運んでみてください。
まとめ
闇金は、貸金業としての登録をしていない業者のことです。法律による規制を受けないため、非常に危険です。違法に高い利息を払わされたり、完済させてもらえないなどのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。どんなにお金に困っていたとしても、絶対に関わらないようにしましょう。
闇金を見分けるには、貸金業の登録番号を確認するのが1番確実です。登録番号は、業者の広告・店舗・ホームページ・金融庁の登録貸金業者情報検索・管轄の財務局と都道府県の窓口で確認できます。
「もう闇金から借りるしかない」と思い詰めている人は、債務整理や特定調停を利用しましょう。安全に借金を減らし、生活を立て直すことができます。
「もう闇金から借りちゃったんだよ…」という人も、大丈夫です。闇金からの借金は基本的に返済の必要がないので、強い態度で臨みましょう。警察署・弁護士・司法書士・法テラスに相談すれば、闇金から安全に逃れる手伝いをしてくれます。
闇金のポイント
- 闇金は、どんなにお金に困っていても絶対に関わっていけない
- とても危険で、一度関わったらもう自力で抜け出すことが難しい
- あなただけでなく家族までをもトラブルに巻き込んでしまう恐れもある