新車の購入時などに乗らなくなった車を売却しますが、どんな方法を選択しますか?
- 「新車を購入する時に販売店に下取りしてもらう」
- 「買取業者に査定依頼して買い取ってもらう」
- 「業者を挟まずに個人間で売買する」
車の売却には、上記の3つの方法があります。それぞれの方法には特徴があり、選択を誤ると大きな損得につながることもあります。
そこで、そうならないために3つの車の売却方法の違いについてわかりやすく解説します。
トラックやバイクの売却や廃車は下記のページをご覧ください。
バイク買取・廃車@相場、提出書類や査定額アップの秘訣を徹底解説
目次
「下取り」「買取業者」「個人売買」の基本
まずは、そもそも「車を売る時の3つの方法」についての基本的な話からしておきます。簡単に言えば「誰に車を売るのか」という点が大きく違います。
「下取り」は、車を販売している業者に車を売ります。「買取」は、車の買取を専門に取り扱っている業者に車を売ります。
「個人売買」は、仕事とは関係なく車を買い取りたい人に車を売ります。さらに大雑把に分けると、下取りと買取は業者に、個人売買は個人に車を売ります。
- 下取り:車を販売している業者に車を売る
- 買取(買取業者):車の買取を専門に取り扱っている業者に車を売る
- 個人売買:車を買い取りたい人に車を(対個人)
ディーラー(販売店)下取りの特徴
ディーラーに車を下取りしてもらうというのは、新車または中古車の販売を手がけている業者に「今まで乗っていた車」を引き取ってもらうことです。
基本的に最も手軽に車を買い取ってもらえる方法ではあるのですが、車の買取価格が最も低くなりやすい方法という特徴を持っています。
「下取り」って何?
「下取り」とは、商品の購入を条件として購入品と同種の所有物を販売店に引き取ってもらう方法です。
車を購入する場合であれば、所有する車を引き取ってもらう方法となります。
車だけではない
車に限った話ではありませんが、大雑把に言えば「一つしか使わないような物品」の購入時に用いられる事が多い買取方法であると言えます。
車以外だと例えば「家電製品」「ビデオカメラ」「パソコン」といった商品において用いられることがある買取手法です。
購入代金から差し引く
下取りは、ただ引き取ってもらうだけではありません。下取りする物品に相応の価値があれば、商品購入代金からその金額を差し引いて購入することができます。
例えば200万円の車を購入するとして所有する車の査定額が50万円となれば、200万円から50万円を引いて150万円で車を購入できるということです。
商品購入が条件
また、下取りの特徴としては「商品の購入を条件とする」ことが挙げられます。
中古品買取とは異なり、下取りは新品もしくは中古品の商品購入に際して利用できるサービスであるため、単独での売却にはこれを用いることができません。
下取りのメリット
まずは下取りのメリットからご紹介します。
メリット:車購入時に手続きもできる
下取りは、新しく車を購入する際に既存の車を買い取ってもらう方法となります。これにより、新しい車を安く購入することができますが、メリットはそれだけではないのです。
車の下取りは「手間が少ない」というメリットが大きいのです。
手間が少ないってどういうこと?
仮に、買取専門業者に買い取ってもらうとします。その場合、前後するとは思いますが「買取業者による買い取り」と「販売店での車の購入」という2つのプロセスを経ることになります。
それぞれの取引において車の売買に関する手続きが必要になり面倒です。
加えて「個人売買」の場合だと、業者に任せられる手続きも全て自分たち(個人の売り主と買い主)で行わなければならなくなります。
メリット:トラブル回避に詳しくなくても大丈夫
下取りの場合であれば、一度のプロセスで全ての手続きを販売業者に任せることができます。
わざわざ2回に分けることもなく、個人売買で起こり得るトラブルも起こさずに取引を完了させることが出来るのです。
「売却時の手続き → 購入時の手続き」よりも「購入時にまとめて手続き」のほうが楽に終わります。
そのため車の売買に詳しくない人でも安心して臨むことができます。
ディーラーとの関係が深く関係する
下取りに際しては、ディーラーとの人間関係が売買取引の一連の流れにおいて深く関係することになります。
下取りは、車を購入する時に既存の車を買い取ってもらう方法であるため、ほとんどの方が「2回目以降」の車の売買になると思います。
この時、前回の取引以前に付き合いのあったディーラーの場合は、何かと都合が良くなる可能性があります。
古くからの付き合いのお店なら?
例えば、手持ちの車を購入した販売店で新しく車を購入し、手持ちの車を下取りしてもらうケースを想定します。
手持ちの車の購入時と、おそらく同じ営業マンが担当してくれることになると思います。
この時、付き合いのあった営業マンがいる場合だと、何かと融通を効かせてくれる可能性があるのです。
なぜなら、担当の営業マンの営業成績に寄与することになるため、同じ営業マンは前回の付き合いのときよりも昇進している可能性が高いのです。
結果、昇進したことにより上位の決済権が与えられるため、今回の取引において融通を効かせてくれる可能性が高いということになります。
新規のお店だと損する?
仮に新規の店舗で下取りを依頼する場合でも、営業マンは何かと親切に対応してくれるはずです。
なぜなら、ディーラーは「他社に顧客が流れること」を阻止したいからです。
1週間に数回行くであろう食品スーパーやコンビニとは異なり、車の売買は数年に一度という頻度になるでしょう。
そのため、可能な限り自社を頼りにしてくれる顧客を囲っておきたいものなのです。
「今、多少損してサービスしても、次の契約に結びつけるため」という原理が働きます。
他の方法と比較すると?
買取業者や個人売買での取引相手と比較して、下取りは「今までの付き合い」と「今後の付き合い」に大きく関わる売却方法ということになるのです。
今後の車の売買のことも考えると、車の購入にも関わるディーラーとの関係を良好にできる下取りはメリットが大きいということになります。
下取りだけでなく、ディーラーで車を購入して自動車ローンを組む場合にも注意すべきことがあります。
詳しくはディーラーの自動車ローンはなぜダメか?@3つのローンの違いを比較のページをご覧ください。
下取りのデメリット
デメリット:車の価値を低く見積もられる事が多い
ディーラー下取りで車を売却する場合、他の方法と比較して「車の価値を低く見積もられやすい」というデメリットがあります。
中古車とは言え高額な商品の取引になるため、時には数十万円という金額を損する可能性もあるのです。
そもそもディーラーとは「販売店」ですから、車を買い取ることよりも車を売ることのほうが専門の人たちです。
他の方法と比べると
業者との大きな違いは「中古車の流通ルートが充実しているか」ということです。買取専門業者は、ただ買い取っただけで利益を出せるわけではありません。
独自の販売ルートを確保し、速やかに中古車市場に買い取った車を流せる手法があるからこそ、中古車を相応の金額で買い取れるのです。
ディーラーも中古車の販売ルートは確保していますが、買取専門業者ほどしっかりとしたものとは言い難いです。
業者買取および個人売買の場合はそれぞれ異なる理由で買取価格が高くなりやすいのですが、ディーラー下取りではそこまで高額での買い取りは期待できません。
一昔前と比較すると下取り価格もそれなりに向上してきたように思えますが、それでもやはり他の方法と比べると安く買い叩かれてしまう可能性が高くなることは否定できません。
デメリット:車の購入費用と混同してわかりにくくなる
さらに、買取価格に関してはもう一つの問題点があります。下取りは所有する車を引き取ってもらい、その買取価格を車の購入費用に充当して値引きするという仕組みです。
これ自体は問題ないのですが、「下取り価格」と「購入時の値引き幅」が混同してわかりにくくなるのです。
混同するってどういうこと?
下取りは「中古車の買い取り」と「車の購入」を一度に行う方法です。車の購入時には値引き交渉も可能なのですが、下取りによる充当が加わることで厄介な構図になります。
わかりやすく言えば、「高額で下取りする」と言われて下取りしてもらったら、実は車の購入費用があまり値引きされていなかったということが起こり得るということです。
仮に下取り価格を10万円アップしてもらったとしても、車の購入費用が10万円アップしていればプラスマイナス0という結果になります。
対策はあるの?
買取額と購入額を分けて考えることが難しいため、混同して買取額を冷静に判断することが難しいのです。
混乱を避けるためにも、「下取りは高額にならない」という基本的なことを念頭に置きつつ、売買契約の内容にしっかりと目を通しておいてください。
買取専門業者の特徴
買取専門業者による買取は、車の購入を条件とするわけではなく所有する車を買い取ってもらう方法です。
新しい車を購入する予定がなく、車を手放したい場合はディーラー下取りではなくこちらの方法を選択することになります。
また、新しく車を購入する予定であるとしても、買取は買取業者に、購入は販売店に分けることができます。
買取業者って何?
車の買取業者は、個人から車を買取りし、それを転売して利益を出す業者のことです。
「ガリバー」「ラビット」「ビッグモーター」「T-UP」と言えば、コマーシャルで何度も名前を見聞きしたことがあると思います。
特に大手ともなれば、長く中古車買取業者としての経験を積んできた業者が多いです。
経験が豊富ということは、それだけ中古車の買取と、それに伴う査定のスキルが高いということになります。
買取だけではなく転売においても独自のルートを確保することにより、ディーラー下取りよりも適正・高額な査定額を算出できます。
買取専門業者を利用する時のメリット
専門業者に車を買い取って貰う方法の特徴について解説していきます。
メリット:車を高く買い取ってもらえる可能性が高い
買取業者に買取を依頼する場合、下取りと比較して「車を高く買い取ってもらえる可能性が高い」という点が大きなメリットになります。
新しい車を購入する予定があるのならば、少しでも高く買い取ってもらって購入資金の足しにしたいところです。
買取業者は、ディーラーと比べて「車買取のプロ」です。車の価値を的確に見抜いてくれるため、適正な査定価格を算出してくれます。
また、「相場」にマッチした査定額を算出してくれるため、何らかの理由で車種の中古車販売価格が高騰している場合であればそれに見合った価格で買い取ってもらえる可能性が高いです。
メリット:便利な一括査定
さらに言えば、買取業者は「一括査定」を利用する等して複数の業者に査定してもらうことでより高く車を買い取ってもらえるチャンスとなります。
例えば5社に買取査定を依頼したとします。単純に考えれば、5社の中で最も高額な査定結果になったところに車を売れば良いわけです。
また、既に査定が終わったところがあれば、2社目以降の業者に対してはそれを踏まえて値段をつけて欲しいと匂わせれば、より高額での買取を期待できます。
買取りできないと業者も損
買取業者というものは、買い取った中古車を転売し、その差益が自社の利益となります。
つまり「転売するための中古車を買い取れなければ、基本的に利益を出せない」ということになります。
転売する目的である以上は少しでも安く買いたいのが商人の性というものですが、買取り出来なければ本末転倒なのです。
一括査定で複数の業者に査定を依頼すれば、価格競争の原理により企業間の査定額を競わせることもできます。
メリット:車の買取価格を把握しやすい
買取業者が車を買い取る際に参考になるのが「相場」です。買取相場自体を調べることは難しいのですが、販売相場であれば比較的簡単に調べることができます。
これを基にして、中古車買取のおおよその相場を把握できるのです。
一般的に、中古車買取相場は販売相場の6割~8割であると言われています。
もちろん、大きな傷や付属品の不足、故障などがあれば査定額もマイナス評価を受けてしまいますが、そうでなければおおよそ何円くらいで買い取ってもらえるのかを把握できます。
これにより「相場よりも低すぎる価格」や「相場よりも高すぎる価格」の査定結果になった買取業者を判別できます。
相場より低すぎる場合、その根拠を明示してもらってください。逆に高すぎる場合は、車をだまし取ろうとしている可能性がありますので警戒してください。
相場を知らずに中古車を売ろうとすれば、業者から「◯◯万円で買取ります(下取りします)」と言われた時に「そんなものか」と速やかに納得してしまいます。
相場を知っていれば、その値段が不相応に安いものであると看破できます。
傷や故障など査定額を下げる原因があればまだしも、そうでないなら価格交渉の余地、その交渉材料として相場の知識が役立つのです。
買取専門業者を利用する時のデメリット
デメリット:車の買い換え時はタイミングが問題
車を売却し、新しい車を購入する場合だと買取業者への依頼は問題が生じる可能性があります。
買取の後に新しい車を購入する場合だと、業者に車を引き渡してから新しい車が納車されるまでの間の車の手配が問題になります。代車を手配できるかどうか確認しておきましょう。
ディーラー下取りの場合であれば、新しい車が納車されるまで代車を用意してくれたり、古い車を納車まで使っても良いという措置が取られる事が多いです。
買取と購入が別の業者になることで融通を効かせにくくなり、分けて考えなくてはならなくなってしまう点が少し面倒です。
デメリット:一括査定は何かと面倒がある
複数の買取業者に査定を依頼したい場合、インターネットで「一括査定サービス」を利用することが勧められています。
このサービスは必要事項を入力することで、複数の業者から見積もりと出張査定の申込みを仲介してくれるサービスです。
複数の買取業者にいちいち連絡しなくて済むので手軽なのですが、実は大きな落とし穴が待ち受けています。
一括査定サービスに申し込むと、複数の買取業者にその情報が共有される仕組みとなっています。買取業者は中古車を買い取れないと利益を出せないため、貴重な顧客を逃すまいと営業の電話をかけてきます。
話しによれば、多いところで一度の一括査定で10社以上の買取業者から勧誘の電話を受けるというケースもあるそうです。
デメリット:トラブルに発展する可能性がある
勧誘の電話については、まだマシな方です。買取業者に査定を依頼して、実際に買い取ってもらう際に何かとトラブルがつきものなのです。
大手の買取業者であればまだしも、知名度の低い中小規模の買取業者だと致命的なトラブルに発展する可能性があります。
トラブル例
主なトラブルは、やはり「金銭関係」のトラブルです。
高額な査定によって誘導された結果、代金を振り込んでもらえなかったり後になって値引きを要求される事が多いです。
また、信じ難い話ではあるのですが、震災をネタにして強引に買取を迫られたという人もいます。
心構えが大事
買取業者に査定・買取を依頼する場合は、ディーラー下取りでは想像し難い各種トラブルに見舞われるリスクを考慮しなければならないのです。
ただし、個人売買と比較すればトラブルの発生頻度や重大さは低いと言えます。大手の買取業者を選べば安心感もありますし、「一応は警戒しておかなければならない」程度に考えておけば十分でしょう。
買取業者の利用についてもっと深く知りたい方は、下記ページで確認できます。
車の買取業者を使う前に知っておきたい!トラブル対策、査定、書類、税金、ローン残債を徹底解説
個人売買(友人やネット)の特徴
個人売買は、車に関係する業者ではない人に車を売る方法です。もちろん相手が業者である可能性もありますが、あくまでもプライベートでの売買取引となります。
以前は親戚や会社の同僚など、近所付き合いの範囲内での取引が主流でした。
しかし現在ではネットオークションや掲示板を利用することで購入者を募ることが可能となり、広い対象との取引が可能になっています。
個人売買のよくあるトラブル(売買後の車の故障)や、個人売買を行う時の注意点についてなど、個人売買についてもっと知りたい方は「自動車の個人売買ガイド@メリット・デメリット、注意点、書類、ローン、契約書」のページで紹介しているので一緒にご覧ください。
「友人・知人」と「ネットで募った買い手」の違いとリスク
車に限らず、個人売買の相手を大別すると「知り合い」と「他人」に分けられます。
また、別の分け方をすると「近所に住んでいる人」と「遠くに住んでいる人」に分けることができます。
手軽な取引
個人売買で最も手軽なのは「近所に住んでいる知り合い」と取引することです。
例えば「近所に住んでいる親戚」「同じ職場の人間(同僚や上司)」との取引であれば、トラブルが発生する確率は大幅に下げられます。
重度のトラブルの可能性があるのは?
最も面倒なのは「遠くに住んでいる他人」との取引です。昨今はネットで買い手を募ることができるようになったことで、遠方に住んでいる人も潜在的な買い手として扱うことができるようになりました。
しかし遠方に住んでいて、しかも赤の他人ともなればトラブルが発生するリスクが非常に高くなります。
個人売買のメリット・デメリット
個人売買は、業者を媒介としないことにより大きなメリットとデメリットが混在しています。個人売買で車を売りたいと考える人は、その点をきちんと把握して取引に臨んでください。
メリット:最も車を高く売れる可能性が高い方法
個人売買で車を売る最大のメリットは「車を高く売れる」ということです。
実際の売値は個別のケースにより異なりますが、理論上は下取りや業者買取より高い値段で車を売却することができるはずなのです。
例えば、買取査定が60万円の車があるとします。販売相場が100万円だとすればその6割なので一応は妥当な買取価格となります。
もし、Aさんが業者に60万円で買い取ってもらった車を、業者がBさんに100万円で転売したとします。
この時、AさんとBさんが直接取引することでその中間の価格帯での売買が可能だと思いませんか?
60万円の買取価格と100万円の購入価格ですから、仮に車を80万円で直接取引すればAさんもBさんも20万円ずつ得をする計算になります。
業者を間に挟むことで中間マージンが発生するため、これを排除することで売り主も買い主もお得な金額で取引ができるということになります。
メリットまたはデメリット:とにかく自由度が高い
価格についてはそれだけではありません。個人売買では「相場」を気にせずに車の売買が可能なのです。
そのため、売り主と買い主の双方が納得できる金額であれば、相場とかけ離れた金額であっても売買が成立します。
買取業者はある程度その車の適切な価格で買い取りをしてくれます。
しかし、細かすぎるこだわりは考慮されにくく、傷や故障は容赦なく査定に響かせます。
ですが、車を欲しがっている人の中には「業者が査定に響かせないこだわりを重視する人」や「多少の傷や故障ならば考慮しない」という人もいます。
つまり、業者がプラス査定しない部分を考慮してくれたり、業者がマイナス査定する部分を考慮しないことも十分考えられるということです。
結局のところ、売買契約は双方の同意があれば成立するものです。
個人売買の場合は業者相手の取引よりも自由度が高く、違法性や公序良俗に反する内容でさえなければどのような内容で合意したとしても基本的に問題はありません。
デメリット:ローンが残っていると売れない
売りたい車に「自動車ローン」が残っている場合は、個人売買で車を売ることが難しいです。
この場合は注意
自動車ローンの中でも「ディーラーローン」のように購入店で組んだ自動車ローンの場合だと、個人売買で車を売ることは非常に難しくなります。
ローンが残っているということは、車の所有権が信販会社にあるということになります。
ディーラーローンの場合、購入者はローンを完済するまでは車の使用者に留まり、所有権は信販会社に留め置かれています。
所有権が自分にはない車を売却する場合、所有者に所有権を移譲してもらう必要がありますが、信販会社等が所有者となっている場合は「ローン完済」がその条件となるのです。
その他の方法ならOK
これを下取りや業者買取して貰う場合は、ローンが残っていても車を売れる可能性があります。
その場合、例えばローンが100万円残っている車の査定額が70万円だとすれば、買取価格70万円を充当して残りの30万円を一括で支払うという方法でローンを完済します。
査定額がローン残を下回る場合はお金を受け取れませんが、少ない負担で自動車ローンを完済できます。
個人売買でもこのローンならOK
上記の手順は業者ならではの方法であり、業者を挟まない個人売買の場合だとこの方法を利用できないのです。
ただし、銀行系の自動車ローンのように購入時から車の所有権が自分にある車の場合は、ローンが残っていても車を個人売買で売却できます。
もちろん、残りの自動車ローンは引き続き返済しなければなりませんが、車の売却代金によって返済の負担を減らすことはできます。
デメリット:手続きは全て自分たちで行わなければならない
自由度が高い反面、やるべきことは全て自分たちで行わなければならないという点は大きなデメリットになります。
「車を売る」と一言で言っても、さまざまな手間と面倒が重なるものなのです。
第1の手間
主な原因としては、第一に「手続きを自分たちで行う必要がある」ということです。
車を売るということは「車の所有権を移動させる」ということです。その手続のためには、運輸支局まで足を運んで手続きしなければなりません。
本来であれば売り主と買い主の双方が揃って手続きするのが望ましいのですが、どこに住んでいるかわからない人との個人売買となれば遠方に住んでいる人同士の取引も当然ながら生じるわけです。
この時、片方が「委任状」と「その他の必要書類」をもう一方に渡して手続きを任せることもできますが、では「どちらが面倒な手続きを引き受けるか」という点が問題となります。
下手をすれば、書類に不備があって手続完了までに何度もやり取りを重ねなければならない事も考えられます。
第2の手間
第二に「車と代金のやり取りも自分たちで」というデメリットが挙げられます。
車の売買は、簡単に言えば「中古車」と「代金」の交換です。
非常に単純なこの構図、では個人売買であればどうなるのかと言えば「大きなトラブルの原因」となるのです。
詳しくは次の項目でまとめて説明することにしましょう。
デメリット:最もトラブルが発生しやすい方法でもある
車の個人売買で最も大きなデメリットは「トラブル」です。
相応の資産価値を持つ車と、その購入代金としてのまとまったお金をやりとりする以上、どうしても致命的なトラブルが発生することは避けられません。
皆さんは、ネットオークションで個人的な売買を経験したことはありますでしょうか。
経験したことがないという人でも、ネット上の噂でネットオークションで生じるトラブルとして「商品が届かない」「代金が振り込まれない」というトラブルを目にしたことがあるのではないかと思います。
車の個人売買でも、これと同じことが発生するのです。
前述の通り、個人売買はネットで購入者を募ることによる利便性の反面、遠方に住んでいる人同士の取引になることもあります。
では、その取引をどこで行うのかという点が問題になります。
近所なら?遠くなら?
近所に住んでいれば適当な場所で落ち合うことも簡単ですが、例えば北海道に住んでいる売り主と沖縄に住んでいる買い主で取引する場合、どこで取引するのが妥当でしょうか。
それを決めるだけでも相当な苦労になることは明白です。
スケジュールは?
話し合って取引のスケジュールが整ったとしても、問題は車の引き渡しと代金の支払いのタイミングです。
理想としては、適当な場所で落ち合って車と代金をその場で交換すれば良いでしょう。
ですが、スケジュールの都合上どうしてもどちらかの引き渡しが遅れることもあります。
代金の支払は大丈夫?
例えば車を引き渡して、代金は後日振り込むという形式を取るとします。果たして買い主はきちんと振り込んでくれるでしょうか。
ひょっとしたら、代金を踏み倒して音信不通になたり、いちゃもんを付けて少ない金額しか振り込まない可能性もあります。
その他にも、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
もちろん業者に買い取ってもらう場合でも何らかのトラブルが発生する可能性はありますが、3つの方法の中では個人売買が最もトラブルが起きやすく、解決が難しい方法であると言えます。
3種類の方法を比較
下取りと業者買取、個人売買のメリットとデメリットを一通り解説しました。
では、それらを踏まえた上で3種類の売り方を3つのポイントに分けて比較してみたいと思います。
車を高く売れる方法は?
- 個人売買
- 業者買取
- ディーラー下取り
車を最も高く売る方法は、個人売買です。次に業者買取、最後が下取りです。
個人売買では?
個人売買は中間マージンが発生せず、業者の相場を無視した金額での取引が可能です。
反面、下手をすれば業者買取よりも少ない金額で取引してしまうリスクもありますので注意してください。
相場よりも低い価格で売ってしまったり、運搬や修理費用がかさんでしまったことで手取りが少なくなる可能性があるのです。
業者買取では?
業者による買い取りは、下取りと比較すると高値で引き取ってもらえる可能性が高いです。
買取専門業者は車の買い取りに関してのプロであり、販売のプロであるディーラーよりも適正価格を付けるスキルを保有しています。
ディーラー下取りでは?
ディーラー下取りは買取を専門としておらず、中古車の流通ルートもそこまで充実したものでは無いため高額での下取りは難しいのです。
手間の掛からない方法は?
- ディーラー下取り
- 業者買取
- 個人売買
最も手間の掛からない売却方法は、ディーラー下取りです。次いで業者買取、最も手間がかかるのは個人売買です。
ディーラー下取りでは?
下取りの場合は車の売却と購入の両方の手続きを一度に行えるので、最も手間がかかりません。
「一度に全部任せられる」というのは、精神的にも大きな安心を感じることが多いでしょう。
業者買取では?
業者買取も必要な手続きは任せることができますが、買取と購入のプロセスが別々なのでそれぞれの手続を別々に行うことになります。
それでも、何もかも自分たちで行わなければならない個人売買と比較すれば、手間は少ないと言えます。
個人売買では?
個人売買では、この手間をいかにして最小限に抑えられるかを検討する必要があり、そのためには買い手とのコミュニケーションと協力が必要不可欠です。
安全性の高い方法は?
- ディーラー下取り
- 業者買取
- 個人売買
最も安全性の高い方法も、ディーラー下取りです。次いで業者買取、最後に個人売買となります。
ディーラー下取りでは?
ディーラー下取りでも何らかのトラブルが発生する可能性はありますが、複数の業者とのやりとりが発生する業者買取りや完全個人となるケースが有る個人売買と比較すれば、やはり安全性が高いと評価できます。
業者買取では?
業者による買取の場合、査定や買取後に何らかのトラブルが生じる可能性があります。
特に、大手ではない買取業者との取引では買取前後に金銭関連のトラブルが発生するケースが多いです。
トラブルを避けるためにも、売買契約を結ぶ前に相手業者が安全なところであるか口コミや評判をチェックしておきましょう。
個人売買では?
個人売買は、業者買取以上にトラブルが発生しやすいです。特に、個人売買をサポートしているサイトを利用しない、多目的の掲示板等で買い手を募った個人売買だと安全性が低いと言わざるを得ません。
トラブルを避けるためには、「個人売買をサポートする企業の手助けを利用する」「安易に車を引き渡さない」「契約書を作成する」といった工夫が必要になります。
まとめ
3種類の方法それぞれにメリットとデメリットが存在していることを理解できたと思います。
どの方法も一長一短であり、必ずしも「この方法が最も良い」とも言い難いです。
なぜなら車を売りたい人の事情はそれぞれであり、どの売却方法がベストマッチするか判断できないからです。
車をできるだけ高く売りたいのか、手っ取り早く売りたいのか、トラブル無く売りたいのか、事情はそれぞれ異なります。
何にしても、車を売りたいと考えたら第一に情報収集することを心がけてください。
今の自分にとって最も都合の良い売却方法はどれなのか、その方法を実践するために注意しなければならないことは何なのかを把握して、満足度の高い取引を実現してください。