車の買取で「下取り」や「買取業者」を選ぶと、間に人が入る分だけ利益をとられ、それが販売価格に影響します。
車を売りたい人にとっても買いたい人にとっても、「直接取引」の形をとれば間に業者が入ることによるコストを考慮しなくて済みます。
しかし、ネット上では車の個人売買は危険であるとも言われていることも事実です。
そこで、車を個人売買する時に知っておきたいポイントを解説します。
また、車を売却するには個人売買以外にも「ディーラー下取り」や「買取業者」を使うこともできます。
この3つの方法をい比較してから決めたい方は「車を売る3つの方法 – 下取り、買取業者、個人売却の違いとメリット・デメリット」をご覧ください。
車の個人売買とは?
車の個人売買とは、業者を媒介せずに車の売買取引を行うことを言います。
「車を売りたい人」と「車を買いたい人」が直接取引を行い、ディーラーや自動車買取業者を間に挟まずに取引を完了させます。
削減できる費用
単純に考えると、「車を最も高く売る方法」および「車を最も安く購入する方法」であると言えます。
業者が間に入ることで人件費がかかり、その分だけ売り手と買い手が損をする事になります。
例えば100万円で下取りされた車を業者から200万円で購入するとします。
この車を直接取引で中間の価格である150万円で売買すれば、売り手は50万円高く売ることができ、買い手は50万円安く購入できます。
インターネットで範囲拡大
最近はインターネットが普及したことにより、車の個人売買は幅広くやりやすくなったと言えます。
売り手が車の情報や取引の条件を提示して、車を探している買い手がその情報を確認することによって売買の下準備が整います。
売り手が情報の拡散をしやすくなったことにより、売買の当事者のマッチングがしやすくなったのです。
車の個人売買をサポートするサイト
車の個人売買をサポートする企業も登場しています。
売り手としては買い手とのマッチングをサポートしてもらえるだけではなく、取引する段階でのサポートも受けられるサイトがあります。
車を個人売買することに不安を感じている方でも、これなら比較的気軽に車の売買が行えます。
車のフリマサイトについて詳しく知りたい場合は「車のフリマの使い方完全ガイド」のページでガリバーフリマとクルモを比較しながら解説しているので一緒にご覧ください。
個人売買のメリット・デメリット
個人売買によって車を取引する場合のメリットおよびデメリットについて解説します。
個人売買のメリット
- 高く売れて、安く買える
- 査定相場を無視した値段で取引も
- 消費税不要
- 「希少車」が見つかるかも
高く売れて、安く買える
個人売買の最大のメリットは、「売り手は高く車を売ることができる」「買い手は安く車を購入することができる」というポイントです。
何十万円というお金が関係することもあるため、これを理由に個人売買を利用するという人が多いです。
もし、売り手と買い手の間に業者を挟む場合はいわゆる「中間マージン」が発生することになります。
これにより売り手は安く買われることになり、買い手は高く購入することになります。
個人売買は業者の仲介を挟まないため、「中間マージン」が発生しないので理論上は売り手も買い手も相応の得をすることになります。
査定相場を無視した値段で取引できる
商品の売買は、売り手と買い手が取引価格に合意することが基本条件となります。
逆に言えば、詐欺や脅迫などの不法行為が関わらなければ、双方が合意すればどのような価格であっても売買は成立します。
業者が介入する場合、買取価格や販売価格は一定の相場の範囲内に収まることが多いです。
個人売買の場合は相場価格より高い値段でも買い手が、低い価格でも売り手が納得して合意すれば売買が成立します。個別のケースを価格に加味しやすくなるのです。
消費税不要
車を個人売買する時、買い手は「消費税」を負担する必要がありません。
通常、販売店で車を購入する場合は消費税を支払う必要があるのですが、個人間の取引である車の個人売買は消費税の対象とはなりません。
国税庁ホームページでは、消費税については以下の説明が記載されています。
『消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の引取りです』
個人売買では事業者が介入しないため、この条件に当てはまりません。
車の売買は相応の金額が関わるため、消費税がかからないことは相当なメリットになります。
特に買い手の側で言えば業者から購入する場合と比較して本体価格も安くなるため、少ない予算で車を購入できます。
買い手は「希少車」が見つかるかもしれない
個人売買では、時として「希少車」に巡り会える可能性があります。
車好きの人にとっては、自宅でインターネットをしながら希少車と巡り合えるチャンスを掴める可能性があるということです。
もちろん、常に希少車が売りに出されているわけではありませんが、情報収集が手軽であるという点は高く評価できます。
個人売買のデメリット
- タイミングの問題
- 手間と時間がかかる
- 名義変更トラブルの可能性
- 基本的に「一括払い」のみ
- トラブルの確率
「車の受け渡し」と「代金の支払い」のタイミングが問題になる
個人売買が「危険である」と評価されている理由は「車の引き渡しと、代金の支払いのタイミング」が問題になるという点が挙げられます。
これを解決して取引しないと、必ずと言って良いほどトラブルの原因になります。
手間と時間がかかる
個人売買は、間に買取業者を介入させることはありません。
これにより中間マージンの分だけ損をすることはなくなるのですが、何もかも自分たちだけで行わなければならないという点がデメリットになります。
必要な手続きもそうですが、遠方に住んでいる人同士の車両と代金のやりとりや、必要に応じて契約書を作成することもあります。
特に売り手と買い手の住んでいる場所が離れている場合だと、直接会うだけでも相当な手間になります。
スケジュール調整や変更時の手間
直接会って取引したい場合、会う場所と日時を決めるだけでも苦戦する可能性があります。しかも場所や日時が決まったら、それに従わなければなりません。
万が一、決まった予定を遂行できなくなったら相手との交渉をしなければならず、相手の事情によっては予定変更も難航します。また、相手が予定を守らない可能性も危惧されます。
近所に住んでいる人同士の取引であれば取り返しもつきやすいのですが、遠方に住んでいる人同士の個人売買だとなかなかスムーズに取引完了とはいかないのです。
名義変更のトラブルの可能性
自動車は、登録が必要な資産の一つです。その売買、つまり所有権を移動させるとなれば、登録している項目について変更手続きを経る必要があります。
車の名義変更や自賠責保険の変更手続き、ナンバープレートの変更も必要になります。
業者が介入する場合は、必要な手続きは全て業者が代行してくれるので書類の用意だけすれば問題ありません。
しかし個人売買の場合は当事者が自分で手続をしなければなりません。これがトラブルの原因になるケースもあり、やはり面倒が増える原因となるでしょう。
基本的に「一括払い」のみ(買い手デメリット)
車を購入する場合、ディーラーローンや金融機関の自動車ローンを利用して分割払いする方が多いでしょう。
車の購入代金は相応な金額となりますので、一括で支払う場合はまとまった現金を用意しなければなりません。
個人売買で車を買う場合、基本的にローンを組むことはできません。
知り合いや職場の関係者であれば別ですが、ネットで買い手を募った場合であれば知らない人に対して売るケースがほとんどです。
見ず知らずの人に対して分割払いを認めることは非常にリスキーであり、売り手に何のメリットもありません。
業者から購入するよりも本体価格は低くなりますが、それでも何十万円、何百万円という購入資金を一括で払うために現金を用意しなければなりません。
取引する車の種類や価格によっては、買い手の現金調達の難易度が高くなります。
その他、さまざまなトラブルが発生する可能性が高い
車の個人売買でよく起こるのが「売買に関するトラブル」です。次の項目で詳しく解説しますが、知り合いではない他人と車の個人売買を行うことを考えているのであれば無視できない内容ばかりです。
個人売買でよくあるトラブル
業者との取引であれば起こらないであろう数多くのトラブル、個人売買を検討されている人はそのリスクを納得した上で実行に移してください。
車の引き渡しや代金の支払いが行われない
車の個人売買は、売り手が買い手に車を引き渡し、買い手が売り手に代金を支払います。当たり前の構図ではあるのですが、ここにトラブルの原因が眠っているのです。
トラブル例1
例えば車を先に引き渡しておき、後で代金を口座に入金するという方法で売買を行うとします。
この時、買い手がなかなか代金を支払わなかったり、「既に手渡しで支払った」と主張する可能性があります。
トラブル例2
逆に車の購入代金を支払ったのに、なかなか車を引き渡してくれないケースもあります。
そして、そのまま連絡が途絶えてしまうというケースも少なくありません。
理想と難点
理想的な形式としては、車と代金を一度に交換してしまうことです。こうすれば、後で引き渡すほうが渋るということは避けられます。
しかし、売買の当事者が遠方に住んでいる場合だとスケジュール合わせが難しくなり、一度に双方が引き渡すのが難しいということになる可能性が考えられます。
名義変更などが行われていない
車の売買では、その車に関わる名義などを変更する手続きをしなければなりません。売り手は自動車税の問題が、買い手は自分名義の車と主張できなくなります。
この手続は売買の後できる限り早めに行う必要があるのですが、ここにもトラブルの原因があるのです。
名義変更の手続き
これは売り手・買い手の双方が必要書類を用意して、運輸局にて手続きを行います。
しかし、忙しくて運輸局で手続きする時間がない場合であれば、片方が「委任状」を用意して、もう片方が委任状と必要書類を持参することで運輸局での手続きが可能です。
実際には?
片方だけでも手続きできるとは言え、運輸局に出向いての手続きはなかなか億劫に感じるものです。
加えて、委任状を用意する側の人が必要書類と委任状をなかなか送付してくれないというトラブルも発生しています。
売りに出す時の車の情報
車の個人売買でよく起こるトラブルは「車の状態」についてです。
売り手は車を売りに出す時に、写真や文章による説明を提示します。
この時に事故や修理のことを提示してないで、買った後から修理の跡などが見つかると、買い手とのトラブルに発展します。
売りに出した方は「うっかり書き忘れた」としても買い手から見ると、ウソをつかれたと感じる方も多くいます。
例えば、「事故車ではない」という説明を受けていたにも関わらず、フレームを修正した形跡がある(つまり事故を起こしている)場合や、提示されていた車の写真には写っていない傷やヘコミがあるといった内容です。
買い手が情報を見落としていたり勘違いしていたのであればまだしも、売り手が誤認させるような情報を意図的に提示していた場合はトラブルは避けられません。
売買後に車が故障してしまう
他にも「売買後すぐに故障してしまう」ということもありえます。車も精密機械ですから、使用中に故障してしまうことは避けられません。
ですが、取引後すぐに故障してしまった場合だと、やはりトラブルに発展します。「すぐに故障することを知っていて、それを隠して売却したのではないか」と買い手に疑われてしまうのです。
売り手としても、最低限の清掃とメンテナンスをした状態で引き渡すと思います。
ですが本職の自動車販売業者ほどに、完璧と言えるメンテナンスをした状態で引き渡すというわけではありません。そのリスクは明らかに大きくなります。
とは言え、売り手が車の状況を騙して伝えていたわけではない、つまり悪意をもって個人売買に臨んだわけではないのであれば買い手の主張をそのまま受け入れることはできません。
故障の原因が明確にならない以上、売り手と買い手の主張が相容れることは無いでしょう。
まとまった金額のお金のやりとりも絡んでいますから、下手をすれば大きなトラブルに発展する可能性も否定できません。
「盗難車両」の可能性も・・・
これは買い手側のデメリットですが、個人売買で留意したいポイントの一つに「盗難車両」があります。
盗難車両はどうやって売られる?
盗まれた車両を「自分の車」として他人に売り渡すのです。普通の業者に買い取ってもらうと盗難車両であるとバレる可能性が高いのですが、個人売買では盗難車両であると看破することは難しいです。
購入後はどうなる?
盗難車両を購入してしまうと、本来の持ち主に返還しなければなりません。支払った代金については返還を要求できますが、盗難車両を売りつけるような人ですから連絡がつかない可能性が高いです。
盗難車に多いのは?
傾向としては、買い手がつきやすい「人気車種」や「高級車」が多いようです。
個人売買を行う時の8つの注意点
車の個人売買を成功させるための8つ注意すべきポイントについて説明していきます。
- 売販売価格の設定
- 情報開示
- ローンが残っている時
- 契約書作成
- 故障時の責任
- 現車確認
- 車の点検と整備
- 車の所有者と委任状
販売価格の設定
個人売買では、車の所有者(売り手)が価格を自由に設定できます。もちろん高額すぎれば誰にも買ってもらえることはないでしょうから、本当の意味で「自由に」とは言えませんが。
業者の査定以下にしない
この時、設定する価格をあまりに安くしすぎないことです。「これくらいで売れれば御の字」と思ってつけた価格が、実は買取相場以下の値段である可能性もあるのです。
車の個人売買において売り手が最も恩恵を受けられるのは「価格設定により、業者による買取よりも高く売れる」ということです。
にも関わらず業者の査定額より低い値段で、しかもトラブルのリスクが大きい個人売買を行う必要はありません。
相場をチェックを忘れずに
個人売買で売り手が販売価格において注意すべきポイントは「自分の車の価値を知る」ことです。購入価格はわかっても、現時点での車の価格は素人には判断できません。
そこで、複数の買取業者で買取査定をしてもらい、その平均価格から「自分の車の現在の価値」を調べてください。
それを下回っていなければ、買取業者に売るより低い価格で個人売買することは避けられます。
売り出す時はしっかり情報開示
車を売りたい場合、売りたい車の情報を提示することになります。この時、売りたい車に関する情報は可能な限り細かく、正確に記載しておく必要があります。
車の状態を確認し、買い手が細かく車の状態を確認できるようにしてください。
情報開示しないことによるトラブル
買い手が見つかり、車を引き渡す段階になってから何か問題が見つかれば、売買が不成立になったり返金を要求される可能性があります。
前もって情報を正確に細かく提示していれば、その部分で文句を言われることはなくなります。
もちろん、売り手が気づかない部分に問題を抱えていた可能性は残されていますが、できる限りトラブルの種は減らしておくに越したことはありません。
ローンが残っている場合は?
所有者に関するもう一つの問題としては「売りた車にローンが残っている場合」です。
車の購入は相応の金額が動きますので、一括払いではなくローンを組んで購入することが多いです。
もし、売りたい車のローンが完済されていない場合であれば、車を売ること自体を待たなければなりません。
ディーラーローンで完済してない場合
ディーラーローンや信販会社のローンを利用して車を購入している場合、車の所有者は購入者ではなく信販会社名義になっているはずです。
この状態では、車を売却することはできません。信販会社名義の所有権を、自分に移してからでないと車を売ることができないのです。
では、どのようにして信販会社名義の車の所有権を移すのかといえば「ローンを完済する」ことが基本となります。
ローンを組んで購入した車は、該当のローンを完済した時点で所有権が購入者に移転されます。
つまり、車を個人売買で売りたい場合、残っているローンを完済してからでないと売りに出せないとうわけです。
完済しなくてもOKなのは?
ただし、銀行の自動車ローンなど一部のローンについては最初から所有者が購入者名義になっている場合があります。
その場合はローンを完済しなくても自分名義の車になっていますので、気にせず個人売買が可能です。
できる限りトラブルを避けるために「契約書」を作成する
車を個人売買する時には、必ず「契約書」を作成しましょう。車の個人売買に関する売買契約書であり、これを作成しておくことで後々のトラブル、特に売り手と買い手の意見の相違によるトラブルを回避できます。
特約を活用しよう
契約書には、個人売買における「特約」を含めることが可能です。口約束だけでは後々トラブルの原因になる可能性がありますが、契約書として残しておくことにより証拠として機能します。
書式はネットで
車の個人売買における契約書には、正式な書式は存在しません。ネット上には参考になりそうな書式が数多く公開されていますので、必要に応じて参考にしたりダウンロードして利用させてもらいましょう。
作成した契約書は2部印刷して、売り手と買い手の双方がこれを保管します。
故障時の責任の所在を明確にする
契約書を作成する際の売り手側のメリットとしては「瑕疵(かし)担保責任」が挙げられます。
これは引き渡した(売った)車が故障した場合において、1年以内であれば買い手に責任がないものに関しては売り手が修理費用を負担しなければならないという民法上のルールです。
例外の設定
契約書に「瑕疵担保責任を負わない」あるいは「修理時の負担割合を決める」といったように、瑕疵担保責任として売り手が100%の責任を負わなければならないという基本ルールに対する「例外」のような取り決めを含めることが可能です。
明記がポイント
契約書に故障時の対応について明記しておけば、実際に故障が発生した場合でも当事者でトラブルが発生することを避けられます。
買い手に現車確認してもらう
車の個人売買では、遠方に住んでいる人同士でのやり取りが発生することもあります。
この時、場所と日時を指定して直接会って取引する場合もあれば、車とお金、書類のやり取りだけで直接会わずに取引を完了させる場合もあります。トラブルを避けたいのであれば、直接会って取引することをお勧めします。
車の状況については、買い手を募る際に写真と文章で説明していると思います。ですが、実際に見てみないとわからない部分もあると思います。
買い手がこだわっている部分に問題があれば、取引自体にも問題が生じます。特に厄介なのは取引後に問題が見つかった場合です。
これを避けるために、買い手にきちんと車の状態を確認してもらうことが重要なのです。
車の点検と整備をしてから引き渡す
車を個人売買する時には場所を指定して直接会い、買い手に現車を確認してもらうことも重要です。
その際、最低でもガソリンスタンドで受けられる基本的な整備点検だけでも利用しておくことをお勧めします。
プロの手による整備点検を利用すれば、走行時のトラブルを未然に防ぐ事ができます。もし、点検によって重大なトラブルが見つかれば、取引自体を見送ることも可能です。
売り手としては手間がかかることではありますが、取引後の故障・事故の発生を防ぐことも必要です。
整備点検の費用については、買い手が負担することが多いです。この点についても契約書に明記しておくと良いでしょう。
整備点検を受ける場所を決めたら、その近くで落ち合うことにすれば楽です。
車の所有者を確認し、必要に応じて委任状を用意してもらう
車には「所有者」と「使用者」が存在します。所有者とはその車を所有している人、使用者はその車を使用している人です。
基本的に一致するはずなのですが、車の状況次第ではこれが別々の名義になっている可能性があります。その場合は注意が必要です。
例えば「家族名義の車を売る」という場合です。この場合、使用者は売り手になっていると思いますが、所有者は家族名義になっているはずです。
所有者が車を売るのではないため、いくつか書類を必要とします。詳しくは後ほど解説しますが、ひとまず「売りたい車の所有者が誰なのか?」という点はきちんと確認しておいてください。
個人売買に必要な書類
車の個人売買では、車に関する名義変更等の手続きをしなければなりません。
手続きには、何かと必要になる書類が存在するものです。個人売買で売り手・買い手が準備しなければならない書類について解説します。
売り手が準備しなければならないもの
車検証
正式には「自動車検査証」と呼ばれるものです。名義変更に必要な書類の一つですが、車内での保管が義務付けられているので基本的に探す必要はないと思います。
ただし、名義変更時点で有効期限が切れていないものである必要があり、紛失している場合は管轄の運輸支局で再発行してもらう必要があります。
自賠責保険証明書
自賠責保険の保険料を納付していることの証明書類です。これも車検証と同じく車内に保管することが義務付けられているので、探す必要はありません。
紛失した場合は保険会社に再発行手続きを依頼してください。
自動車税納税証明書
自動車税を納税していることの証明書です。納税後に渡される領収書であり、毎年5月に送付されることになっています。
当年分の証明書を持参する必要がありますが、紛失時には各都道府県の税事務所または自動車税管理事務所にて再発行してもらう必要があります。
リサイクル券
「自動車リサイクル料」を支払ったことを証明するための書類です。車検証と一緒に保管していることが多いと思いますが、紛失時には運輸支局で再発行してもらってください。
住民票および戸籍謄本
必要書類の一つ「車検証」に記載されている住所が、現住所と異なる場合に必要になります。基本的に、発行後3ヶ月以内の住民票を持参すればOKです。
ただし、車検証に記載されている住所から数回の転居を繰り返している場合は発行後3ヶ月以内の戸籍謄本が必要になります。
予備検査証および登録識別情報等通知書
車を個人売買する際に、「一時抹消」「予備検査」付きで売る場合に必要になります。
委任状および譲渡証明書および印鑑証明書
売る予定の車が使用者本人の名義ではない場合に、所有者の委任状および譲渡証明書を必要とします。また、書類に押されている実印を証明するために、印鑑証明書も必要になります。
買い手が準備しなければならないもの
車庫証明
これは「車の保管場所」を示す証明書となります。一部の地域を除けば、車を所有するためには車の保管場所を確保する必要があります。
車の名義変更において、警察署で取得できる発行後1ヶ月以内の車庫証明書を必要とします。
実印および印鑑証明書
実印と、それを証明する印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は、発行後3ヶ月以内のものでないと有効とはなりません。
個人売買できるサイト
一昔前は親戚間や友人間、職場の人間同士での個人売買が基本であり、ネットの普及によって掲示板やネットオークションを用いた売買方法が登場しました。現在では、車の個人売買をサポートするサイトも登場しています。
ガリバーフリマ
中古自動車業界の大手である「ガリバー」が運営するサイトです。
車の個人売買を仲介し、必要な手順をサポートしてくれるサイトとして利用者を集めています。以前は「クルマジロ」というサイト名でした。
ガリバーフリマのメリット【1】
利用のメリットとしては、第一に「手続きを代行してもらえる」という点が挙げられます。
前述の通り、車の個人売買では「車の引き渡し」「お金のやり取り」「名義変更手続き」など面倒でトラブルの原因となる手続きが少なくありません。
ガリバーフリマを利用すれば、ガリバーにそれらの手続きを代行してもらえます。
ガリバーフリマのメリット【2】
第二に「個人売買専用ローンオプション」を利用できるという点です。前述の通り、個人売買では通常はローンを組むことはできません。
しかし、ガリバーフリマではローンを組むことができるので、買い手の負担が減り、金銭系のトラブルが起こりにくくなります。
ガリバーフリマのメリット【その他】
その他にも「出品料無料」「出品中に乗車OK」「個人情報の保護」など、売り手には数多くのメリットがあります。また買い手にもさまざまなメリットが有り、購入希望者が集まりやすいという点も魅力です。
ガリバーフリマとクルモを比較しつつ、フリマサイトの詳しい説明を下記ページでご覧になれます。参考にしてみてください。
車のフリマの使い方完全ガイド ‐ ガリバーフリマとクルモを徹底比較
ヤフオク
日本最大級のオークションサイト「ヤフオク」でも車の個人取引は可能です。日本最大級ということで注目している人が多く、買い手が集まりやすいという特徴があります。
ただし、出品時および落札時に手数料がかかりますので、きちんと準備した上で車を出品するようにしてください。
ヤフオク! https://auctions.yahoo.co.jp/
ジモティー(掲示板系)
「ジモティー」は、不用品の譲渡や売買のための掲示板系サイトです。
「地元」がテーマであり、他サイトのように遠方同士の取引になるリスクが減少します。また手数料がかからないので、よりお得な条件で取引が可能になります。
トラブルも..
ただし、トラブルの発生も少なくありません。掲示板でのやり取りというスタンスとなるため、ガリバーフリマのように手続代行や保証などを受けることはできません。
取引を円滑に進めるためには、あくまでも掲示板というマッチングの場所を提供してもらっているというだけであり、取引の中身については当事者同士の節度やモラルが基本であることを忘れないこようにしましょう。
地元の掲示板 ジモティー https://jmty.jp/
まとめ
車を個人売買することは金銭的なメリットが中心となる一方で、手続きの面倒さやトラブルといった点でデメリットが大きいです。
そのため、ネットでは「個人売買はリスクが大きい」と評されるのですが、方法次第ではデメリット・リスクを最小限にして取引が可能です。
売り手としては事前準備や取引の方法などに注意を払うことにより、売値を少しでも高くできるというメリットが強調されることになります。
売り手側も買い手側も少なからずリスクを抱える以上、それを低減させられる提案には協力してくれる可能性が高いです。
デメリットを軽減する工夫をして、それでも起こり得るリスクは納得できるという場合であれば少しでもお得に車を売買できる個人売買は魅力的と言えるでしょう。