グリーンファンディング_ロゴ

グリーンファンディング(GREEN FUNDING)は、2011年6月設立された株式会社ワンモアが運営する、購入型クラウドファンディングを中心としたクラウドファンディングのプラットフォームサービスです。

2011年にサービスを開始して以来、カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携により、成長を加速させています。

詳細は後述いたしますが、グリーンファンディングの特徴は、購入型クラウドファンディングプラットフォームを、提携企業に提供しているところです。

つまり、様々な企業がグリーンファンディングのインフラを利用して、別々のブランドで購入型クラウドファンディングサービスを提供しているということです。

また、カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携を生かして、実店舗とのコラボレーションやイベントなどを開催していることもグリーンファンディングの特徴です。

TSUTAYAや蔦屋書店などの店舗を通じて製品の体験やプロジェクトを立ち上げた人との交流などが行われています。

購入型や寄付型のクラウドファンディングについて、さらに詳しく比較してみたい方は下記のページを是非チェックしてみて下さい。

購入型と寄付型クラウドファンディングのプライスレスな特徴とは? – 8つの運営業者も紹介

 

グリーンファンディング(GREEN FUNDING)の基本情報

最低出資額 数百円から数十万円 商品・サービスによって異なる★★★☆☆
利用者の支払う手数料 無料 投資家の負担はなし★★★★★
その他手数料 銀行への振込手数料、Paidyの手数料(350円)は利用者負担 一般的★★★☆☆
支払方法 銀行振込、コンビニ払い、クレジットカード払、paidy(コンビニ後払い) 様々な支払方法が選べる★★★★★
対象 商品やサービス(購入型) リターンは現物商品やサービスとして提供される★★★☆☆

 

グリーンファンディングは投資ではなく、プロジェクトの応援

グリーンファンディングの提供しているクラウドファンディングサービスは、購入型のクラウドファンディングです。

グリーンファンディングを通じて、新しい商品やサービスを提供したいと考えている企業や個人や、また様々な目的を達成するために立ち上げたプロジェクトを経済的に応援することができます。

また、利用者はリターンという形で、プロジェクトから様々な製品やサービスを受け取ることができます。

 

扱うプロジェクトは多い

グリーンファンディングでは様々なプロジェクトが資金募集を行っています。

特にカルチュア・コンビニエンス・クラブとの関係から、出版や映像・映画、音楽、アートといった分野のプロジェクトが多く見受けられます。

また、グリーンファンディングはプロジェクトの資金調達成功率を80%であると公表しています。

この数値は、他のクラウドファンディングサービスと比較してもかなり高い数字だと思われます。それだけプロジェクトの審査を厳しく行っているものと考えられます。

 

グリーンファンディングの平均支援額は非常に高い

グリーンファンディング01
出典:GREEN FUNDING
https://greenfunding.jp/

グリーンファンディング01
グリーンファンディングの1プロジェクトあたりの平均支援総額は347万円だと公表されています。

日本でもクラウドファンディングが一般化してきており、中には1億円近い調達を行ったプロジェクトも出てきています。グリーンファンディングは、数千万円級のプロジェクトがを立ち上げるよりも、一つ一つのプロジェクトの資金調達の成功を重視しています。

2015年には77%であった資金調達成功率は、2016年には80%、2017年には89%となっています。

世界で最も大きいクラウドファンディングであるKICKSTARTERの資金調達成功率は40%と言われており、いかにグリーンファンディングの資金調達成功率が高いかがわかります。

 

利用者は手数料不要、決済方法は数多い

グリーンファンディングのビジネスモデルは、プロジェクトを立ち上げた発起人から、資金調達の金額に応じて20%の手数料を得ることで成り立っています。そのため、利用者には手数料が発生しません。

また、プロジェクト支援時の決済方法は色々と用意されており、利用者のニーズに合わせて選ぶことができます。

銀行振込・コンビニ払い・クレジットカード払・paidy(コンビニ後払い)などが用意されています。今後さらに増えていき利便性が向上することが見込まれます。

 

リターンを受け取りには時間がかかることも

グリーンファンディングで提供されているプロジェクトは、利用者が支援することで動き出します。そのため、プロジェクトの進捗や達成までの過程を利用者も一緒に共有していくことがグリーンファンディングの醍醐味の一つです。

プロジェクトの進行状況に応じてリターンが提供されるため、支援を行ってからすぐにはリターンを受け取れない場合も考えられます。

リターンを受け取ることができる時期についてはプロジェクトの紹介ページに記載されているので、支援する前に確認しておくとよいでしょう。

 

主な購入型クラウドファンディングの手数料比較

業者 利用者の手数料 掲載手数料 決済手数料 プロジェクトオーナーの手数料
GREEN FUNDING(グリーンファンディング) なし 20% なし 20%
A-port(エーポート) なし 総支援型20%から25% なし 20%から25%
COUNTDOWN(カウントダウン) なし 15% 5% 20%
Kibidango(キビダンゴ) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%) なし 原則10%(楽天ペイ利用時は14%)
Makuake(マクアケ) なし 20% なし 20%
Readyfor(レディーフォー) なし 12%(シンプルプランは7%) 5% 17%(シンプルプランは12%)
ShootingStar (シューティングスター) なし 15% 5% 20%
キャンプファイヤー 1件につき216円 12% 5% 17%

 

購入金額は数百円から数十万円

購入金額はプロジェクトによって異なります。また同一のプロジェクトでも、いくつか支援金額のコースが設けられていることが一般的です。

グリーンファンディングは数百円から支援できるプロジェクトも多く、敷居は非常に低くなっており、初めて購入型クラウドファンディングを始める人にとっては、ハードルが低いと言えるでしょう。

 

グリーンファンディングの強みは何か?

グリーンファンディングの強みは80%という高い資金調達成功率です。

購入型クラウドファンディングを支援した場合、累計支援金額が目標に達せずプロジェクトが成立しないケースがあり、期待していたリターンが得られなくなってしまう場合があります。

資金調達成功率が高いということは、期待しているリターンを得られる可能性が高いということになります。

また、TSUTAYAや蔦屋書店とのコラボレーションを生かした、イベント開催もグリーンファンディングならではの強みです。

例えばプロジェクトの記事や、プロジェクトの起案者のインタビュー記事などがメディアを通じて掲載されることがあり、多くの人の目に触れる可能性が高まります。

また、TSUTAYAや蔦屋書店の実店舗で、プロジェクト起案者のトークイベント、プロジェクトの写真展示会、製品の体験イベント、プロジェクトで作成されたフードやドリンクの試食・試飲会、プロジェクト起案者が芸能人であれば握手会なども行われており、こういったイベントに参加することができます。

また、書籍や写真集、映画、DVDなどの制作プロジェクトが完成すると、TSUTAYAや蔦屋書店で販売され購入することもできます。こういった実店舗での展開は、グリーンファンディングならではの取り組みです。

 

グリーンファンディングは企業等にプラットフォームを提供

グリーンファンディングは、自分たちでプロジェクトを募集することと同時に、プラットフォームを他企業にも提供しています。

たとえばLoftや伊勢丹・西日本新聞・西武百貨店・広島テレビ・徳島合同証券などが、グリーンファンディングのプラットフォームを使って独自のクラウドファンディングを行っています。

クラウドファンディングを用いて自社のビジネスや、地域経済の活性化を検討しているものの、自前でクラウドファンディングサービスを立ち上げると初期コストや維持費がかなりかかってきます。

しかし、グリーンファンディングのプラットフォームを借りることで、そういったコストを気にせずにクラウドファンディングサービスを開始することが可能になります。

このようなプラットフォームを提供しているビジネスは珍しいため、今後さらに様々な企業等がグリーンファンディングのプラットフォームを使ってクラウドファンディングサービスを行うことが期待されます。

 

グリーンファンディングのメリット・デメリット

キャンプファイヤーの良い点

  • 資金支援をすることで、気軽にプロジェクトの支援を行うことができる
  • プロジェクトへの出資を通じて、リターンとして商品やサービスを受け取ることができる

 

グリーンファンディングの良い点

  • 投資ではないので、金銭的なリターンを得ることはできない
  • カルチュア・コンビニエンス・クラブのビジネスにつながるようなプロジェクトが多くなっている

 

募集実績

  • プロジェクト募集総数:951件
  • 資金調達成功件数:758件
  • 支援金累計額:1億4,000万円以上
  • 支援者会員数:130,537人
  • 実際に支援を行った会員数:92,428人
  • フランチャイズパートナー企業数:47社

(公式ウェブサイトの情報に基づく、2016年時点)

 

登録の流れの概要

登録は公式ウェブサイトから新規会員登録のリンクをクリックして開始できます。メールアドレス、Facebookアカウントで登録することができます。

メールアドレスで登録をする場合は、パスワードの設定必要になります。Facebookアカウントの場合は、ログインすることで登録が完了します。

 

支援の進め方

支援したいプロジェクトを選択し、「このプロジェクト支援する」ボタンをクリックします。その後支援金額に応じたコースを選びます。もしプロジェクト起案者にコメントを送りたい場合は、ここで記入することができます。

次に支援金額、リターンの内容、コメント、メールアドレスを確認し、問題がなければ確定ボタンを押します。

最後に、GMO社の提供する決済画面に遷移するので、希望する支払方法を選択し、決済を確認すれば支援完了となります。

 

信用できる運営会社か?

  • 社名:株式会社ワンモア
  • 本社所在地:東京都渋谷区代官山町9-10 SodaCCoビル5F
  • 設立:2011年6月1日
  • 事業内容:クラウドファンディングサイト 「GREEN FUNDING by T-SITE」運営の運営・管理
  • 資本金:94,850,000円
  • 代表取締役:沼田健彦
  • 主要株主:創業メンバー, カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

 

資本参加するカルチュア・コンビニエンス・クラブはTSUTAYAや蔦屋書店を経営

グリーンファンディングの株主として、カルチュア・コンビニエンス・クラブが入っています。そのため、グリーンファンディングはTSUTAYAや蔦屋書店とのコラボレーションを活かしたクラウドファンディングサービスを独自の特色としています。

ただし、プロジェクトの多くがTSUTAYAや蔦屋書店のビジネスにつながるようなプロジェクトが多く見受けられるのも事実です。プロジェクトの達成ではなく、TSUTAYAや蔦屋書店への訪問者を増やすためのプロジェクトなどもあるのが気にかかります。

 

代表取締役は電通の出身

代表取締役の沼田さんは、東京大学を卒業した後、電通に入社されました。その後、株式会社ワンモアを創業しグリーンファンディングをスタートさせています。

カルチュア・コンビニエンス・クラブが2015年に始めたT-Venture Programというスタートアップ企業の育成支援プログラムをきっかけに、カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携を始めました。

エンターテインメントと親和性の高い電通での経験が、グリーンファンディングに活かされているものと考えられます。

 

プロジェクトについて

グリーンファンディング_案件
出典:GREEN FUNDING
https://greenfunding.jp/

プロジェクトの案件説明ページでは、ムービーや写真や文章を使って、なぜこのプロジェクトを起案したのか、このプロジェクトはどのような夢や目的を達成するのかといったことがプロジェクトの起案者によって説明されています。

利用者が選べる支援コースの種類や金額、得られるリターン、残りの募集日数、すでに支援した方々のコメントなどが記載されています。

プロジェクトごとのページは資金調達成功後、都度アップデートされていくので、出資したプロジェクトについては定期的に確認をするとよいでしょう。

また、実際に過去の投資プロジェクト例については以下ようになっています。

 

世界最小、高音質級骨伝導CLIP型イヤホン「earsopen®(EO)」プロジェクト

  • プロジェクト:世界で最も小さい骨伝導のイヤホンを制作する
  • 最終資金調達金額:101,515,371円
  • 目標資金調達金額:1,000,000円

 
ランニングやサイクリングなど、音楽を聴きながらワークアウトをしたい場合でも、道路を走る車や通行者との接触を避けるために、外部の音も把握したいという人たちのニーズに応えるために立ち上げられたプロジェクトです。

骨伝導イヤホンという、骨を通じて音を聴く事で、耳を塞がない(鼓膜を使わない)イヤホンをワークアウト中に使えば、危険を回避することができるというものです。

このプロジェクトは、1,000万円を超える金額を調達し、7,594人が参加をしたグリーンファンディングで最大のプロジェクトとなりました。

 

ベガルタ仙台が東日本大震災被災地の方々1000人を、仙台で開催される試合に招待するプロジェクト

  • プロジェクト:Jリーグのベガルタ仙台が、東日本大震災の被災地の方々1,000人を無料で試合に招待する
  • 最終資金調達金額:7,385,000円
  • 目標資金調達金額:5,000,000円

 
ベガルタ仙台は、仙台をホームタウンとするプロサッカーチームです。Jリーグの男子チームと、なでしこリーグの女子チームを運営しています。

このプロジェクトは、被災地の方々を元気づけ、かつ被災地の方々と支援者をつなげるために立ち上げられました。Jリーグとなでしこリーグの試合に岩手・福島・宮城の方々を1,000人招待することが目的です。

また、リターンには震災時の流木を用いたストラップやスマホスタンドなどがありますが、これらは被災地の方々が作成され、支援者に届けられました。

 

小学6年生の少女が動物殺処分について真正面から向き合った作文を絵本化したい!『78円の命プロジェクト』

  • プロジェクト:小学6年生だった愛知県豊橋市の谷山千華さんが動物の殺処分について綴った作文『78円の命』の絵本化
  • 最終資金調達金額:3,900,959円
  • 目標資金調達金額:1,000,000円

 
2012年に当時小学6年生だった愛知県豊橋市の谷山千華さんが動物の殺処分について、綴った作文『78円の命』を絵本化するプロジェクトです。

『78円の命』という作文は、動物の殺処分という現実を受け止めることにより、小学6年生の少女が「命」について、考える内容になっています。“78円”とは、動物一匹の殺処分にかかる金額です。

多くの子供たちに、「命」について考えるきっかけ作りをしたいという、起案者に賛同者が多く集まり予定の4倍の支援金が集まりました。また、このプロジェクトは、NHKのクローズアップ現代でも取り上げられました。

 

まとめ

グリーンファンディングの魅力は、資金支援を行うことで、直接プロジェクトにかかわることができることです。

グリーンファンディングは資金調達成功率が過去80%とても高いため、かなりの確率で支援したプロジェクトが成立することが見込まれます。

また、グリーンファンディングはカルチュア・コンビニエンス・クラブとの資本提携により、多くのプロジェクトの製品や、起案者のトークショー・握手会・写真展示会などをTSUTAYAや蔦屋書店の実店舗で見ることができます。

インターネットでプロジェクトの進捗をみて応援するだけでなく、実際に店舗で体験する機会を得られることで、より一層プロジェクトへ共感を感じることができます。

実際に製品を試してみたいと思う方や、起案者に実際に会える機会が欲しいと思う方にとって、グリーンファンディングは非常によい購入型クラウドファンディングサービスのプラットフォームだと言えます。

購入型や寄付型でなく、投資の意味合いの強いクラウドファンディングや、少額から投資のできるソーシャルレンディングについては、下記のページで詳しく解説しています。

こちらも合わせて是非参考にしてみて下さい。
ファンド型と株式型クラウドファンディングの違いと特徴 – 大手6運営業者を解説

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