運用力の高い投資信託は、サイトを見て確認しよう

投資信託で重要なのは運用力です。高いパフォーマンスをあげることのできる投資信託は、より多くの利益を生むことができます。

投資信託の中には、同じ投資商品に投資するものが複数あることもよくあります。同じ投資商品に投資していても、運用力が高いのと低いのとでは、利益に差が出てしまうのです。

そのため、運用力の高い投資信託を選ぶことが大切です。

では、運用力の高い投資信託はどのように探せばよいでしょうか。

ここでも、投資信託のサイトが活躍してくれます。モーニングスターを見て、確認してみましょう。

運用力の高さを測るには、モーニングスターで投資信託を検索する際に、「詳しく条件を指定して検索(詳細検索)」で検索をします。

そうすると、ファンドのタイプやレーティング等、様々な条件を指定した上での検索ができます。

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出典:モーニングスター

この時に特に重要なのが、リターンの部分です。

インベスターリターンという箇所に注目して下さい。これは、モーニングスター独自のリターンを測る指標です。

基本的に、ファンドの収益を表す際は、トータルリターンを見ることが多いです。トータルリターンは、対象とする期間でどれだけ値上がり(値下がり)したかを表す指標で、投資家が一定期間その投資信託を保有し続けた場合の収益になります。

そのため、ファンドマネージャーの腕、つまり運用力を表しているとも言えます。しかし、トータルリターンの場合、実際には売買のタイミングによって収益は変わってきます。

そのため、モーニングスターでは「インベスターリターン」という指標を算出しています。

このインベスターリターンは、投資家が得た平均的なリターンを表す指標で、金額加重リターンとも言います。この投資信託を保有している投資家が、実際にどれくらい儲かっているのかがインベスターリターンでは分かるのです。

このインベスターリターンは、ファンドに資金が流入した時期の比重を高く、資産が流出した時期の比重を低く設定して算出しているのが特徴です。

なぜなら、ファンドが資金を集めた資金の流入後のパフォーマンスは、流入前のパフォーマンスよりも大きく影響を受けることになるからです。

値上がりを期待して多額の資金が流入したにも関わらず、その後相場が悪化したために基準価額が下落してしまい、多くの投資家が高値掴みをして損した、という投資信託の場合、インベスターリターンは低下します。

反対に、緩やかに価格が上昇し、安定的に資金が流入したことで純資産残高が大きくなった投資信託の場合、インベスターリターンはトータルリターンより高くなる傾向があります。この場合は、その投資信託を保有している多くの投資家が儲けていると言えます。

なお、インベスターリターンからトータルリターンを引いた差をモーニングスターでは、「インベスターギャップ」と定義しています。

このインベスターギャップの値が大きければ、ファンドの実力以上に投資家が儲かっているということになります。そして、投資家の多くが良いタイミングで購入している、ということになります。

日本の投資信託では、人気ランキングの上位のファンドを買いたがる投資家が多い、ということは既に触れました。その結果、多くの投資家が高値掴みしてしまうことが問題なのですが、そのようなファンドの場合、一時的な流行で資金が急激に流入し、その後値下がり基調となっていることが多く、インベスターリターンの数値は低くなります。

人気だけが先行してしまい、実力とかい離してしまっていないかどうかを見るには、インベスターリターンを見れば分かるという訳です。

このインベスターリターンを検索条件に入れる際は、期間を選択しなければなりません。できるだけ期間は長く設定しましょう。また、その隣にあるセレクトボックスは、「分類平均より高い」を選択しましょう。

こうすることで、インベスターリターンの高い投資信託を検索することができます。

また、モーニングスターには、「レーティング」と呼ばれる投資信託の格付け制度があります。格付けのレベルを星で表しており、星の数が多いほど、その投資信託の運用力に対する評価が高くなります。

そのため、レーティングにも注目して検索してみて下さい。同じ検索画面の中にレーティングという項目があります。

ここで総合レーティング、あるいはレーティングを選び、星の数が多いものをセレクトボックスから選びましょう。なお、レーティングの場合は、期間を選んだ上での検索ができるのが、総合レーティングとの差になります。

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出典:モーニングスター

このようにして、良い投資信託を検索してみてはいかがでしょうか。もちろん、この方法で抽出された投資信託だからといって、ずっと良い状態が続く保証はありません。

経済状況などにより、相場は変化します。そのため、定期的にチェックすることが必要になります。もし、運用力が落ちているようであれば、その時は、他の投資信託へ乗り換えてまた新たに運用し直すようにしましょう。