初心者にはオススメの投資信託

資産運用に興味があるけど、どこから始めたらいいかわからない・・・、そんな投資初心者の方には投資信託から始めるのがオススメかも知れません。

投資信託は株式投資などと同じ金融商品の一つですが、株式投資より比較的始めやすい投資手法と言われています。

以下は、投資信託の特徴やメリット・デメリットについてできるだけわかりやすく解説していきます。

一般的に言われている投資信託の代表的は特徴は3つです。

  1. 専門的な知識はいらない
  2. リスクが低い
  3. 少額から始められる

以下で詳しく見ていってみましょう。

専門的な知識がいらない

投資先を選ぶ必要はない

投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家であるファンドマネジャーが株式や債券等に投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの商品です。

よって具体的な投資先を選定するための専門的な知識は不要です。プロのファンドマネージャーが投資家に替わって投資先を選定してくれるのです。

投資家がするべきことは、誰に運用をお願いするか(どの投資信託を購入するか)を決めることなのです。

成績はファンドマネージャーの腕だより?

運用成績は、市場環境やファンドマネージャーの運用方針などにより大きく左右されます、その結果が投資のリターンとなります。

運用により生じた損益は、投資額に応じて各投資家にすべて帰属される事になります。

つまり、投資信託は元本が保証されている金融商品ではく、この点が銀行の預金とは異なってきます。

集まった資金を運用し、どこに投資するかを決めるのは多くの知識と経験を持ったファンドマネージャー、つまり投資の専門家ですから投資家自身は市場や金融商品について専門的な知識を有している必要がありません。

ファンドマネージャーは専門家として国際的なネットワークを持っており、最新情報には常にアンテナを張っていて情報の収集や分析に努めています。

もちろん専門家とはいえ確実に利益が出るとは言い切れませんが、なんといってもプロなので、なかなか理解できないうちは任せてしまえるというのは心強いことです。

勉強してる時間がないならプロに任せる

自分で投資しようと思えばいろいろと勉強しなくてはなりませんし、株式であればどの売買のタイミング自体を自分で判断しなければなりません。

しかし、投資信託であればそうした判断も任せることができますから、かなりの手間を省いて資産運用することができます。

証券会社の中でも店舗型の証券会社であれば専門のアドバイザーがいるので、こちらでよくわからなければ投資の相談に乗ってくれますし、いろいろと教えてはくれます。

ただし、取引にかかる手数料が比較的高く設定されている、というデメリットはありますが。

リスクは相対的に低くめと言える

投資信託は2つの意味でリスクが低いと言われています。

  1. 基本的に分散投資である
  2. 運用資金は保全される

1)基本的に分散投資である

分散投資でリスク分散

株式投資でよく行われるのがリスクの分散です。

単一の銘柄での取引はその株価の値動きにダイレクトに影響を受けますが、複数の銘柄に投資を分散させることでリスクを分散が可能です。一つの投資先が赤字となったとしても他方でそれを支え、一方的な損失を防ぐための方法です。

リスクの大きさや収益性、値動きなどを判断して組み合わせつつ分散して運用することで、リスクよりも高い収益が期待できるよう投資していくのです。

もしこの方式を個人的にやろうとした場合は分散した分単純にその倍数の資金が必要となるため、多額の資金が必要となりますし、知識的な制約からどうしても判断が難しくなります。

投資信託なら集めた資金をもとに投資を行いますので、十分な資金を元手として効果的なリスクの分散を専門家が行ってくれます。

つまり、少額投資でも十分にリスク分散をすることができるのです。これも大きなメリットではないでしょうか。

好みにあった投資分野を選べる

また、投資信託では投資先のファンドごとに、国内株式や海外株式、先物取引、不動産と多岐に渡りますが、どの分野にどのように投資をするかはファンドごとにおおよそ設定されていますから、自分の好みに合った分野に投資を行っている商品を購入することができます。

ファンドによっては複数の分野に投資するものもあります。ファンドの中には公共債投資といって、国などで発行する長期国債などを中心として投資する元本割れリスクが限りなく低い手堅い商品です。
 

利益を得るまでは長い投資期間が必要ですが、ほぼ確実に利益を得ることができると言われています。

 

様々な投資先の中には個人では購入できないものや情報を集めるのが大変なもの、投資するためには大きな金額での取引となるものもあります。

例えば発展途上国の株式や債券に投資しようと思った場合はそれ相応の専門的な知識が必要となります。しかし自分でその国のことを調べて知識を学ぶとなるとやはり、かなりの時間がかかってしまいます。

そういったものにもファンドマネージャーがしっかりと調べて投資してくれるため、投資信託を経由することで手軽に手を伸ばすことができます。

利益を受け取るタイミングを選べる

投資信託は投資成績が上がっていれば基準価格が上昇し、出資時よりも高い価格で売ることができますが、それ以外にも定期的に分配金をもらえる方式のものもあります。

こちらは本体となる投資信託の価格は上がりにくいものの、利益がわかりやすい形で手元に来るため実感がわきやすいともいえます。

日本では毎月分配型の投資信託が一番人気があると言われています。

また、投資信託はNISA口座でも利用することができます。NISA口座であれば5年間は非課税となるため、その間に利益が出たときはそのまま投資家に還元されます。金額に上限はありますが、最初はNISA口座を利用するのがいいでしょう。
 
様々なメリットがある投資信託は、株式やFXに比べて元本保全性が高くリスクの少ない金融商品といえると思います。必要がなくなれば資金の引き上げもできますので、まず投資を始めようという人にはおすすめといえるでしょう。

最初は難しいことは専門家に任せ、市場の傾向などを分析しつつ将来的には自分で選んだ銘柄を直接取引するようになればいいのではないでしょうか。

そういった意味では運用実績が投資にあたっての参考とできるため、教材としても役に立ちます。難しいイメージがある投資信託は実はとてもシンプルな投資方法なので、自分の希望に合う投資信託があればぜひ検討してみてください。

2、運用資金は保全される

投資信託は多くの場合、「販売会社」「運用会社」「受託銀行」の3つの運営者によってなされています。

それぞれが役割を果たす事で、投資信託の安全性が守られているのです。

運営主体 役割
販売会社 投資家への窓口となり、商品の販売、資金やリターンの受け渡し。
ファンドに関する情報提供などを行う。
運用会社 運営会社に属するファンドマネージャが、具体的な運営を実行する。
受託銀行 投資信託の金庫番として、資金を管理する。
販売会社

投資信託を始める場合には、まず販売会社で口座を開設しなければなりません。その役割を担っているのが、証券会社や銀行といった金融機関です。

投資家たちが投資信託の販売・換金、分配金や償還金の受け渡しをする際の窓口となるほか、投資信託に関する情報の提供や、投資した資金がどれだけ増減しているのかを投資家にお知らせするのも販売会社の役割です。

万が一、販売会社が破綻したとしても、あくまで販売会社は投資家が投資信託を利用する際の窓口でしかないので、投資家に損失が及ぶことはありません

運営会社

それに対し、投資信託の内容を企画し、具体的にどんな株式や債券にどれ位のお金を投資するのか、を決定するのが運用会社の役割です。

ファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロが中心となり、投資に必要な様々な情報を収集・分析し、運用方針を決めていきます。そういった意味では、運用会社が投資信託において最も重要な役割を果たしている、と言っても過言ではありません。

ちなみに、運用会社は投資信託の法律上、「委託者」と呼ばれます。万が一、運用会社が破綻したとしても、運用会社はあくまで運用方針を決めているだけなので、投資家に損失が及ぶことはありません

受託銀行

そして、運用会社からの運用指図に従い株式や債券等の売買や監理を行うのが受託銀行です。

受託銀行は信託銀行が担うことが多く、投資家から集めたお金(信託財産)を自社の財産とは区別して法律上管理・保管を行わなければなりません。

そうする事により、万が一、受託銀行が破綻したとしても、投資家に損失が及ぶのを防いでいるのです。受託銀行は謂わば、投資信託の金庫番のような存在なのです。

ちなみに、受託銀行は投資信託の法律上、「受託者」と呼ばれます。

このように投資信託は、販売・運用・資産の保管、などの業務を行うそれぞれ専門の機関が役割を果たすことで様々なリスクを回避して成り立っている金融商品なのです。

少額からスタートできる

投資信託は株式投資に比べて少額からスタートが可能です。

通常、株を買う場合は最低取引単位が決まっている場合が多く、株価が300円と安めの銘柄であっても、最低取引単位が100株からと決まっている場合、300円(1株当たりの価格)× 100株(最低取引単位)=3万円 となりますが、投資信託であればおおよそ1万円から投資をスタートができます。

また、多くの証券会社で積立式の投資信託も用意されており、毎月1,000円ずつ積立投資が可能という商品もありますので、自分に希望額に合った投資を手軽にスタートすることができます。

もちろん利益は出資額が多ければその分増えるのですが、投資実績が良好で投資金にもう少し余裕ができたときはその都度追加で投資すればいいのです。
 

  • 投資信託は1万円から始めることが可能
  • 毎月1,000円から継続的に積立投資が可能

 

▷ 投資信託とその他の金融商品の違いについて知りたい場合は下記リンクのページで詳しく解説しています。

投資信託は株式投資や債権投資とどう違う?ファンドって何?
 

投資信託の歴史について

現在のように、お金を増やす手段としての投資信託の原型が作られたのは、19世紀のイギリスと言われており、更にそれがアメリカに渡り、より一層発展したと考えられています。

しかし、「財産管理を人に任せる」という観点から見ると、その考え方はもっと古くからあり、12~13世紀頃、十字軍遠征の中世まで遡ります。

当時のイギリスは、戦死してしまった人の土地を子が相続する場合には、国王や領主に対し多額の税金を納めなければいけませんでした。

そこで、重い負担から開放すべく考えられてた仕組みが「ユース」と呼ばれるもので、これが投資信託の起源だと考えられています。

例えば、これから戦地へと向かうAという人物が、その子Bに土地を残したいと考えているものの、そのままBに相続させると多額の税金がかかってしまいます。

そこでAは、信頼の出来るCに予め自分の土地を譲り管理を任せ、その土地から得られる収益を、息子のBに渡すようにCに頼んでおきます。

そうすることにより、仮にAが戦死したとしても土地はCの所有物なので、息子のBは土地を相続する必要が無く、税金を納めなくてもよくなり、且つ、その土地から得られる収益を受け取る事が出来る、という内容でした。

このように、「ユース」という仕組みは相続税対策的な意味合いで生まれました。

それが長い歴史の中で発展・進化し、19世紀頃になると投資手段として活用されるようになったのです。当時のイギリスは産業革命を背景に工業生産が伸び続け、世界に植民地を大幅に広げ、盛んに海外へ投資を進めていた時期にあたります。

海外への投資には巨額な資金と、遠く離れた外国の事情について高度な知識が必要不可欠となります。

ですから、このような投資が出来たのはごく一部の資本家で、個人では到底無理だったのです。そこで、個人でも投資に参加出来るよう多くの人から少しずつお金を集め、深い知識や豊富な経験を持った人に投資を任せる方法が考案されました。

これが「投資組合」と呼ばれるもので、1868年には株式会社に改組され、そこで初めて「会社型」の投資信託が誕生しました。

その後アメリカに渡りさらに発展し、様々な投資信託が開発され今日に至るのです。

日本で投資信託が誕生したのは1951年6月で、証券投資信託法が施行され、当時の野村、大和、日興、山一の4大証券が国内株式ファンドの販売を開始したところまで遡ります。

元本保証のないリスク商品という特性もあって、投資信託の販売は長い間、証券会社に限定されてきました。

しかし、バブルの崩壊をきっかけに打ち出された、金融ビッグバン構想の一角として98年に銀行窓口での取扱いが開始されると、次第に個人投資家にも投資信託が浸透していきました。

後に銀行や郵便局(現在のゆうちょ銀行)にまで販売網が広がったことで、残高も積み上がっていきました。

運用面における規制緩和も、投資信託の残高の積み上げに貢献しています。

投資信託に組み入れることができる資産は、1950年代まで国内株式に限定されていました。その後60年代には国内債券、70年代には海外証券まで拡大され、さらに為替変動リスク低減のための先物予約も行えるようになりました。

また、1995年にはデリバティブの利用が認められるようになり、投資信託の中で元本の何倍もの資金を運用することが可能となりました。

現在人気のリート(不動産投資信託)に投資を行うファンドも、2003年の規制緩和を経て誕生したものです。

しかし、こうした流れの中で、日本では少子高齢化やバブル崩壊後の株価の低迷とゼロ金利政策の影響もあり、預貯金だけでは資産を殖やし難い時代に突入していきます。

そこで政府は、「貯蓄から投資へ」を後押しすべく、2004年4月から証券優遇税制を施行し、株式投信の売却益と分配金にかかる税率を、従来の20%から10%に軽減しました。そして、証券優遇税制の終わりとともに、NISAの導入が始まり、今日に至るのです。

日本の投資信託の歴史は、イギリスや米国と比べるとまだまだ浅いと言わざるを得ません。

前述のリート型ファンドも、毎月分配型を中心に根強い支持を集めていますが、最も過去の運用成績の履歴(トラックレコード)の長いものでも、まだ10年程度です。

日本で運用されている投資信託(国内追加型株式投資信託)の設定日から償還日までの運用年数は、約5年程度と、運用年数としては長いとは言えません。

現在、個人の資産形成に自助努力が求められる時代の中で、投資信託が担う役割は今後ますます大きくなるとみられています。