保険は1度加入したらそれで終わり、ではありません。家族が増減、収入の増減、家を買ったりなどなど…。ライフステージが変われば必要な保障も変わります。
自分や家族の人生に大きな変化が起きたら、保険の見直しどきです。
ライフステージの変化に合わせて保険を見直そう
生命保険は、ライフステージに合わせて必要な保障を変えていくものです。自分自身や家族の人生に大きな変化が起きたときには、保険の見直しが必要です。まずはライフステージに合わせて、代表的な保険見直しのタイミングと、そのポイントを整理しておきます。
就職したとき
自分で働いてお給料をもらうようになったら、経済的に親から独立したといえます。万が一の場合でも、病気やけがでの入院・治療費用などで親に負担をかけないようにしたいもの。
とはいえ、就職したばかりでは十分な収入や貯蓄はありませんから、月々少額の保険料で済む手軽な医療保険に加入し、自分のことは自分で守れるようにしておきましょう。
結婚したとき
夫婦のどちらかが長期に入院したり、亡くなったりすれば、もう一方に経済的な負担が重くのしかかります。結婚したら、いざというときに大切な人がお金のことで苦しまないよう生命保険で備えておきましょう。
お互いに収入のある共働き夫婦よりも、夫の収入のみに頼る専業主婦のほうが、夫の収入が途絶えたとき、経済的なリスクが高くなります。妻の働き方に合わせて、必要な保障を考えましょう。
子どもが生まれたとき
子どもが生まれるということは、守るべき家族が増えるということです。親にどんな不測の事態が起こっても、子どもが成人するまで経済的にしっかり守れるよう、死亡保障を増やして生活費や教育費分の保障を確保します。
貯蓄の少ない家庭でも月々の掛け金を支払えば、遺族が生活していける保障を得られるのが生命保険のメリットです。また、こども保険・学資保険を利用すれば子どもが小さいときから計画的に教育費を貯めていくこともできます。
住宅を購入したとき
住宅を購入すると、死亡保障を減らすことができます。なぜなら、住宅ローンを組むとき、通常は「団体信用生命保険」という保険に加入するからです。これはローンを借りた本人が死亡したり、重い障害になったりして、返済できなくなったときに、ローンを貸した金融機関がローン残高相当の保険金を受け取るという仕組みの保険です。
つまり、一家の大黒柱に万が一のことがあっても、遺族はローン返済を免除され、そのまま自宅に住み続けることができます。遺族の生活費や教育費が必要なのは変わりませんが、住居費の心配がなくなるため、その分の死亡保障を減額できます。
子どもが独立したとき
子どもが独立して家族のサイズが小さくなったら、保険も小さなサイズに見直しましょう。これまで子どものために加入していた高額な死亡保障はもう必要ありません。
夫婦それぞれに相手のために必要最低限の死亡保障を確保しつつ、迫る老後に備えて医療保障に重点をシフトしていきます。医療保険は年を重ねるごとに保険料が高くなっていきますから、早めに見直し・加入を検討しましょう。
定年退職したとき
定年退職を迎える頃には、子どもが独立し、住宅ローンも完済するという方も多いでしょう。夫婦ふたりの老後に備え、死亡保障はお互いの葬儀代プラスアルファ程度を残してスリム化しましょう。
一方で、年を重ねるほど病気にかかるリスクは高まります。長期の入院にも対応できる十分な医療保険に加入しているかどうか再度確認しましょう。医療保険は日々進化しています。若い頃に加入した保険なら、同程度の保険料でも差額ベッド代や高度先進医療などにも対応したよりよい商品があるかもしれません。検討の際には、医療保障の詳しい内容も確認しましょう。
図表 ライフステージで変わる必要保障額
そのほかこんなときも保険を見直そう
脱サラしたとき
脱サラで自営業になったときも保険の見直しは必要です。自営業や個人事業主は死亡退職金がなくて遺族年金も小さく、また、店舗や事務所を構えて営業していた場合は、死後整理資金などがかかることもあります。
妻の働き方が変わったとき
妻の働き方も夫の死亡保障に影響します。妻が専業主婦やパートなら、夫が亡くなった後、安定収入が見込めない可能性があるからです。今まで専業主婦だった妻が正社員として勤め始めた場合は、逆に保障額を減額することができます。また、妻自身の保障も見直しが必要です。
離婚したとき
離婚したときも、保険の見直しが必要です。特に、これまでパート程度だった妻が親権を持って1人で子育てをしていくことになったとき、これまで以上に経済的な備えが必要となります。万が一、自分に何かあっても、子どもがせめてお金の不安を抱かずに成長していけるよう、十分な死亡保障を確保します。