生命保険の種類はたくさんあり、また、同じ種類の保険にもたくさんの商品があります。

そんな数ある保険の中から、自分のニーズに合ったものを選び出すにはどうしたらいいでしょうか。比較の仕方、そして、選び方を見ておきましょう。

定期保障タイプの保険の比較・選び方は?

保険を比較する際、大切なことは条件を揃えて保険料の見積もりを取ることです。その条件は、加入者の年齢・性別は共通事項ですが、それ以外は保険の種類ごとに少し異なります。

定期保障タイプの定期保険と収入保障保険の比較項目と比較の仕方・選び方は下記の通りです。

定期保険

比較項目 ⇒ 死亡保険金額、保険期間(=保険料払込期間)

比較的、少額・短期の死亡保障の準備に向く保険です。もちろん高額でも割安で保障を準備できます。保険金額を1000万円・2000万円などの必要な金額、保険期間は10年・20年・50歳・60歳などの必要な期間を設定して保険料の見積りを取ります。定期保険は条件を揃えやすいので、保険料が高い・安いがよくわかります。

同じ保険金額と保険期間でも、商品によって月数十円の違いがあるので、安い商品を選ぶといいでしょう。

収入保障保険

比較項目 ⇒ 死亡保険金額月額、保険期間(=保険料払込期間)、最低支払い保障期間

収入保障保険は、比較的、高額・長期の死亡保障向きです。保険金額は月額10万円・15万円などの必要な保障額、保険期間は20年・30年・50歳・60歳などの必要期間、そして、最低支払い保障期間を設定して保険料を見積もります。

最低支払い保障期間は、1年・2年・5年・10年など、商品によって複数の年数から選択できるようになっています。同じ年数か近い年数を選びます。この保険も、保険料の安いものを選びましょう。

定期保険と収入保障保険のどちらに入るか迷う場合があります。保険期間は同じで、契約当初の受取り保険金総額を同じにすると、収入保障保険の方が保険料は安くなります。

収入保障保険は、年数の経過とともに受取り保険金額総額が減っていくしくみなので、受取り保険金額がずっと変わらない定期保険に比べて、保険料が安くなります。

必要保障額はライフイベントを消化していくとともに減少していくのが一般的ですので収入保障保険は効率的です。定期保険を利用する場合は、保険期間を短くして更新するごとに保険金額を減額していく使い方をします。

終身保険やパッケージタイプの保険の比較の仕方・選び方は?

次に、終身保険とパッケージタイプの保険の比較の仕方と選び方を見ていきましょう。

終身保険

比較項目 ⇒ 種類、死亡保険金額、保険料払込期間

終身保険は一生涯の死亡保障が必要な場合に使います。通常の終身保険の他に、低解約返戻金型や積立利率変動型、変額型、ドル建てなど、いくつかの種類があります。比較するときは、この種類を同じにします。

そして、死亡保険金額と保険料払込期間(60歳・65歳までなど、終身払い)を揃えて保険料を見積ります。その中で、保険料の安い保険を選びます。

また、異なる種類を比較して選ぶ場合もあります。保険金額と保険料払込期間が同じであれば、現在では、通常の終身保険>低解約返戻金型>変額型の順に保険料が安くなります。

ドル建ては為替の影響を受けるので、円建ての終身保険と比較は適当ではないでしょう。

パッケージタイプ(定期付終身保険、アカウント型保険)

比較項目 ⇒ 種類、終身保険金額、定期保険特約・医療特約の保険金額と保障期間

定期付終身保険、アカウント型保険は、死亡保障や医療保障などの特約をパッケージした保険で、1本の保険で必要な保障を準備したい人向けです。

定期付終身保険の主契約は終身保険、アカウント型保険の主契約は積立金と性格が異なるため、主契約自体を比較できないので、それぞれの種類ごとに比較しましょう。

定期付終身保険は、終身保険金額と定期保険特約保険金額、医療保障の給付金額などの保障内容、保険料払込期間を揃えて保険料を見積もります。アカウント型保険は積立金を除いた、定期保険特約や医療特約などの金額を揃えて比較します。

ちなみに、どうしても定期付終身保険とアカウント型保険を比較したい場合は、共通する保障の特約の保険金額と保障期間を揃えて特約保険料を比較するといいでしょう。

いずれにしても、全く同じ保障内容にはしにくいので、近い保障内容にしての比較になります。その上で、保障内容と保険料のバランスでニーズに合うものを選びましょう。

こうして選んだ保険の最終的な判断ポイントは、保険料負担を続けていけるかどうかです。生命保険は数十年、または、一生涯にわたって保険料を払い続けていく商品です。

今だけでなく、中長期で払っていけるかをよく検討を。もし、難しいかも…と感じたら、保険種類を変える、保障内容を絞るなどで加入する保険を選びましょう。

図表1 保険を比較する際の項目
保険種類 共通比較項目 比較項目
定期保険 ・年齢
・性別
・死亡保険金額
・保険期間(保険料払込期間)
収入保障保険 ・死亡保険金月額
・保険期間(保険料払込期間)
・最低支払い保証期間
終身保険 ・種類
・死亡保険金額
・保険料払込期間
パッケージタイプ
(定期付終身保険、アカウント型保険)
・種類
・終身保険金額
・定期保険特約、医療特約の保険金額と保障期間