保険契約のベースとなるのが主契約、主契約に付加して保障を充実させられるのが特約です。主契約はそれだけで契約できますが、特約は常に主契約とセットで契約することになります。
特約には多くの種類がありますが、むやみに付加すると保険料負担が重くなります。給付対象や給付条件をあらかじめ確認し、必要な特約を選ぶようにしましょう。
「主契約」は本体、「特約」はオプション
保険商品は、保険契約のベースとなる「主契約」と、ニーズに応じて主契約に付加して、保障を充実させることができる「特約」の組合せでできています。
たとえば、図表1のような主契約の終身保険に傷害特約・災害入院特約・疾病入院特約が付加してある保険に加入していて、不慮の事故にあったとしましょう。
不慮の事故が原因で入院した場合には、災害入院特約から入院給付金を受取ることができます。
不慮の事故が原因で死亡した場合には、終身保険の死亡保険金に加え、傷害特約の災害死亡保険金を受取ることができます。
主契約は契約の本体であり、単独で契約することができますが、特約はいわば本体に付けるオプションのため、特約だけで契約することはできません。
そのため、特約は常に主契約とセットで契約します。また、主契約を満期や解約で終了すると、特約も消滅することになります。
図表1の例では、終身保険のみでの保険契約はできますが、疾病入院特約や災害特約、傷害特約だけで契約することはできません。
また、特約を解約して終身保険だけを継続することはできますが、終身保険を解約して、特約だけを継続することはできません。
その他、保険会社の規定によって異なりますが、主契約を減額した場合には、特約の給付金額も併せて減額しなければならない場合もあります。
保険の見直しの際には、どの保障が主契約で、どの保障が特約かなども把握した上で行うようにしましょう。
図表1 主契約+特約のイメージ図
主契約の終身保険に傷害特約、疾病入院特約、災害入院特約を付加した例
主な特約の種類
特約には大きく分けて、死亡保障関連の特約と、医療保障関連の特約があります。それぞれの主なものを図表2と図表3にまとめましたが、特約の名称は保険会社によって異なることがあります。
主契約となる保険によって付加できる特約の種類は決まっているので、保険を選ぶ際には、パンフレットなどで付加できる特約も確認しましょう。
対面コンサルで説明を受ける際にも、特約についての説明もしっかり聞くようにしましょう。特に、給付の条件が限定されていたり、給付日数に上限があるなど、細かい内容も、できれば約款等で確認して理解しておきましょう。
多くの特約は更新型なので、一定期間ごとの更新時には、そのときの年齢に応じて保険料が高くなっていきます。多くの特約を付加すれば保障は充実しますが、保険料負担は重くなります。本当に必要な保障に絞り込んでシンプルな加入を目指したいもの。
年齢を重ねて、家族構成や生活スタイルが変わると、必要な保障も変わってくるので、人生の節目ごとに、主契約だけでなく特約についても、そのときに必要な保障内容、保障額に見直していくとよいでしょう。
また、主契約のみならず特約についても、請求忘れがないか定期的に点検しましょう。病気やけがなどで給付を受けられそうな場合は、早めに保険会社の問い合わせ窓口等でも確認しておくとよいでしょう。
図表2 主な特約の種類と特徴<死亡保障に関する特約
病気・事故で死亡の場合 | 定期保険特約 | 一定の保険期間中に死亡・高度障害となった場合に保険金が受取れる。 |
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収入保障特約(生活保障特約) | 一定の保険期間中に死亡・高度障害となった場合に保険金を年金形式で受取れる。 | |
リビング・ニーズ特約 | 被保険者の余命が6カ月以内と診断されたとき、生存中に死亡保険金を前払いで請求できる。保険料は不要。 | |
事故で死亡の場合 | 災害割増特約 | 不慮の事故または所定の感染症で死亡した場合には、災害死亡保険金が受取れる。 不慮の事故または所定の感染症で高度障害状態となった場合には、災害高度障害保険金が受取れる。 |
傷害特約 | 不慮の事故または所定の感染症で死亡した場合には、災害死亡保険金が受取れる。 不慮の事故または所定の感染症で所定の障害状態となった場合に、障害の程度に応じて障害給付金が受取れる。 |