三大疾病保障保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の保障と、死亡・高度障害保障を確保できる保険です。
三大疾病の罹患リスクは40代以降急激にアップするため、終身型が主流になりつつあります。通常は三大疾病か死亡・高度障害保障のいずれかの給付があると保険は終了します。
三大疾病保障保険のしくみと特徴
三大疾病保障保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の三大疾病に対する生前保障と、死亡・高度障害保障を兼ねた保険で、所定の状態になった場合にまとまった一時金が支払われます。
通常、三大疾病保険金もしくは死亡・高度障害保険金のどちらかが支払われた時点で保険契約は終了します。保険会社によっては「特定疾病保険」と呼んでいるところもあります。
定期型と終身型がありますが、三大疾病の罹患リスクが40代以降、急激に上がることが知られるようになり、終身型が主流になりつつあります。
ここでは終身型を前提に述べています。終身型には解約返戻金があり、三大疾病で使用しない場合は、一部または全部を解約して取り出すこともできます。
三大疾病保険金の支払い条件は、一般には医師によってがんと確定診断をされたとき、急性心筋梗塞は発病後60日以上労働の制限を必要とする場合、脳卒中を発症後に言語障害や運動失調など神経学的な後遺障害が60日以上継続した場合などで、すべて医師の診断が必要です。
がんの保障については、上皮内新生物を対象にしない商品がほとんどですが、中には、上皮内新生物は10%だけ支払われる(1回のみ)商品もあります。
急性心筋梗塞については狭心症や心不全などは対象外、脳卒中はくも膜下出血や脳出血、脳梗塞は対象になるものの、脳動脈留、高血圧性脳症など対象外になるものもあります。
なお、三大疾病のうちがん保障については保障開始まで90日または3カ月間の「待ち期間」が設定されています。商品によって、待ち期間が適用される対象がすべてのがんの場合と、乳がんだけに限定している場合があります。
図表1 三大疾病保障終身保険のイメージ図
<契約例>35歳男性 死亡保障1,000万円
保険料:月28,360円
保険期間:終身
保険料払込期間:60歳
(A保険会社 2015年10月現在)
三大疾病保障保険はどんな人に向く?
三大疾病保障保険は次のような人に向くと考えられます。
がんを含む三大疾病に備えたい人
日本人の死因のワースト3が、がん、急性心筋梗塞、脳卒中です。これらの疾病は、「重大疾病」とも呼ばれ、比較的費用がかさむ可能性があります。
特に脳卒中は、入院が長期化する傾向が見られます。医療保険だけでは心配だという人にとっては、まとまった一時金が受け取れる三大疾病保障保険は強い味方になります。
「がんだけが心配」という人はがん保険が向きますが、がんだけでなく三大疾病が怖い人は三大疾病保障保険で備えるといいでしょう。
三大疾病か死亡保障で「確実にもらえる」保険を望む人
三大疾病にならずに亡くなるリスクもありますが、その場合は死亡保険金として遺族に支払われます。ですので、掛け捨てでなく、いずれかの形で確実に「もらえる」ことを望む人に向く保険でもあります。
ただし、三大疾病保険金を受け取った時点で死亡保障はなくなってしまう点には注意が必要です。
三大疾病保障定期保険はココに注意!
三大疾病保障定期保険の注意点として挙げられるのは、まず、支払条件をきちんと確認しておく必要がある点です。
前述のように、具体的に対象になる三大疾病は細かく規定されているほか、保険会社によって異なる場合もあります。
急性心筋梗塞や脳卒中の場合は「60日以上」など継続する労働制限や神経学的後遺症があったと医師が診断した場合に給付対象となることを頭に入れておきましょう。
給付の対象となる「所定の状態」がどのようなものか、契約する段階から頭を整理しておきましょう。がんの保障が始まる待ち期間についても同様に確認が必要です。
別の注意点としては、三大疾病保障保険に加入していながら、他にがん保険にも加入している場合は、いわゆる保障のダブりといえます。
資金的にゆとりがあって、あえて手厚く備えておきたいなどの理由がある場合は別ですが、本来は保障のダブりは回避したいもの。
がん保障に絞るならがん保険だけを残し、三大疾病に備えたいなら三大疾病保障保険を残すようにするといいでしょう。