定期保険は、一定期間だけ保障が継続する掛け捨て型の死亡保険です。保険期間が終了すると保障はなくなります。

その分、終身保険に比べて保険料が安いのが特徴です。死亡保障が必要な間だけ割安な保険料で加入できるシンプルでわかりやすい保険です。

定期保険のしくみ

定期保険は、一定期間の死亡・高度障害保障が確保できる保険で、終身保険などの貯蓄型と比べると保険料が安くて済みます。

保険期間が短い定期保険には通常、解約返戻金はなく(保険期間が長い定期保険の場合、解約返戻金がある時期があります)、そのため「掛け捨て」といわれることもあります。満期になっても満期保険金はありません。

保険期間には、5年、10年、15年、20年、30年などの「年満了」と、60歳、65歳などの「歳満了」があります。また、5年、10年、15年など短めの期間で更新をしていく「更新型」と、最初から30年など長期で契約する「全期型」に分類されます。

「更新型」は保険期間が終了すると同じ保障内容で80歳までなど一定年齢まで自動更新が可能です。告知は不要ですが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、通常更新ごとに保険料が上がっていきます。「全期型」は保険期間中、保険料が変わることはありません。

図表1は、保障額が一定の定期保険のイメージ図です。35歳男性が死亡保障1,000万円の定期保険を契約した場合、保険料は2,890円です。これが同じ1,000万円の終身保険だと24,270円と約8倍の保険料になります。

図表1 定期保険のイメージ図
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契約例:35歳男性 死亡保障 1,000万円
保険料 月2,890円
保険期間:60歳
保険料払込期間:60歳
(C保険会社 2015年10月現在)

定期保険のメリット

定期保険の特徴としては、安い保険料で高額な死亡・高度障害の保障が確保できることです。よって一定期間に高額な保障が必要な遺族の生活費保障の準備に向いているといえます。

なお、定期保険の一種に、保険金を年金のように受け取ることができる収入保障保険もあります。

なお、保険会社によっては割引制度を設けているところもあります。「煙草を吸わない」、「健康体」などといった条件に合えば、保険料を割引くケースがあります。

定期保険はどんな人に向く?

定期保険はどのような人に向くか、考えてみましょう。

●高額の死亡保障が必要な人
定期保険は割安な保険料で高額な保障を確保できることから、例えば、幼い子どもがいる世帯の大黒柱など、高額の保障を必要とする人に向きます。

死亡保障のうち、子どもたちの教育資金を定期保険、生活費を収入保障保険と、組み合わせて保障を設計するのも一法です。

●一定期間だけの死亡保障が必要という人
何かの都合により一定期間だけ保障をプラスしたい。そんなニーズがある人にも定期保険は向いています。

例えば、子どもが幼い時期の専業主婦の死亡保障をカバーする目的で、中学を卒業するまで15年満期の定期保険に加入するといった具合です。

●経営者や役員などの節税&退職金準備をしたい法人
解約返戻金のある長期の定期保険を活用して、節税をしながら経営者や役員などの死亡保障や退職金を準備することができます。そうした節税ニーズがある法人にも向きます。

定期保険はココに注意!

定期保険はあくまでも一定期間の保障です。保険期間を1日でも過ぎてしまうと、保障はなくなります。

また、更新型の場合、更新で保険料が上がっていくことには注意が必要です。更新後は更新時点の年齢で算出した保険料となり、高齢になるほど保険料アップの幅は大きくなります。

さらに更新型は自動で更新手続きがなされてしまうため、更新が不要な場合は、満期の2、3週間前までには保険会社や代理店等に連絡を入れる必要があります。