生命保険01

万が一のことが起きたときのために「保険をかけておく」といいます。人生にはさまざまなリスクがつきものです。

具体的には、病気やけがで多額の入院・治療費用がかかったり、死亡で収入が途絶えたりするリスクに加え、長生きして老後資金が不足することはリスクでしょう。

長い人生、いざというときに経済的に困らないように備えることができるのが生命保険です。

突然の死、病気やけがから家族を経済的に守る

もしも自分が明日病気で倒れたら、ましてや死んでしまったら、残された家族はどうなるでしょうか。そんなことを考えたことはありますか?

健康な人ほど自分には関係のない話だと思うでしょう。しかしどんな人も生きている限り、病気や死のリスクと無縁ではありません。

家族が病気やケガで長期間入院したり、死亡したり、といった予期せぬ不幸が襲えば、すぐにまとまったお金が必要になります。

さらには大黒柱の収入が途絶え、遺族は生活に困るかもしれません。精神的な悲しみと経済的な苦しさのダブルパンチとならないよう、経済的なリスクに備えることができるのが生命保険です。

学費や老後資金など将来必要なお金に備える

子どもの教育資金や自分の老後資金など、おおよそいつ頃までにいくらくらいの金額が必要だと今から分かっている場合は、保険を利用して将来の支出に計画的に備えることができます。

例えば、こども保険(学資保険)や個人年金保険などがそれです。毎月一定額の保険料を支払い続けていくことで、10年後、20年後、30年後には目標額が準備できていることでしょう。

通常の貯蓄とは異なり、保険の契約期間中に万が一のことがあった場合には、何らかの保障がある商品がほとんどです。

こども保険・学資保険は、子どもの入学や進学に合わせて満期保険金を受け取れる生命保険商品ですが、通常、契約者である親が亡くなった場合には以降の保険料の払込みが免除され、子どもの教育資金が守られるようになっています。

図表1 人生のさまざまなリスクに生命保険で備えることができます
リスクに対する保障ニーズ 保険の種類(主契約)
死亡した場合、遺族を経済的に守りたい 定期保険、終身保険、収入保障保険、変額保険など
病気やけがをした場合の治療・入院費に備えたい 医療保険、がん保険など
将来の介護費用に備えたい 介護保険
子どもの教育費を確保したい こども保険(学資保険)
老後の生活資金を確保したい 個人年金保険、変額個人年金保険など

必要な保障範囲を見極めて、生命保険を使おう

病気から学費まで、さまざまな経済的リスクに備えられる生命保険ですが、保障を得るためには保険料という掛け金が必要です。保障の範囲が広く手厚いほど保険料は高く、逆に保険料は安くてもいざというときには保障が不十分なこともあります。

人生のあらゆるリスクに生命保険で備えようとすれば非常に高額な保険料を支払わなくてはなりません。

そこで、それぞれのリスクの高さを発生頻度と損失の大きさで比べて、優先順位をつけて保険を選ぶ必要があるのです。

保険料は発生頻度が高く、損失が大きいほど高くなります(図表2の②)。例えば、大黒柱の長期入院や突然死。若いうちの発生頻度は低いですが、万が一のときには家族の経済的損失は甚大ですから、ここは保険で備えるべき範囲(図2の①)です。

一方で、短期の入院や通院なら、発生頻度はやや高くてもある程度の金額なら貯蓄でまかなえるという人もいるでしょう(図2の③④)。

このように、必要な保障の範囲は現在の家族構成や貯蓄額などの条件で1人ひとり異なります。つまり生命保険が必要か必要でないか、必要であるならどれくらい必要かは1人ひとり異なるのです。

いざというとき、自分や家族にはどんな保障がいくら必要なのか、優先順位をよく考えて効率的に生命保険を活用しましょう。

図表2 「発生頻度」×「損失の大きさ」でリスクに優先順位を
①:損失の額が大きく、発生頻度が低い → 最優先で保険で備えるべき範囲
②:損失の額が大きく、発生頻度が高い → 保険で備えると保険料が非常に高額に
③:損失の額が小さく、発生頻度が低い → 貯蓄があればまかなえる範囲
④:損失の額が小さく、発生頻度が高い → ③と同じ。発生頻度を低くする工夫

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