せっかく転職しても絶対に避けなければならないことは、転職先がブラック企業であることです。すぐに辞めないと心身共にダメージを受けてしまいますが、即転職は履歴書に傷がついてしまいます。一番はそうした企業に就職しないことですが、用心しておきましょう。
ブラック企業の定義は色々ありますが、ここでは募集要項にないことを入社後強いてくる企業と解釈します。例えば
- 残業代が全くでない
- 休日出勤が多すぎる
- 募集職種ではない業務を(いきなり)やらせる
- パワハラが日常的に存在する
などもこれに該当します。
面接でブラック企業は何を言う?
直接的に
「うちは、残業が出ないんだよ」
「実質週休1日。週休2日は対外的に公開しているもの」
「給料もほとんど上がらないから」
などと、自分からブラックです、違法行為をしていますと言ってくれるところであれば問題なくそこはお断りできるのですが、ブラックがブラックたるゆえんでそうしたことは巧妙に隠してくる場合があります。しかし、よく話をしてみると「おかしい?」と思うことがあるはずです。
ポイント1 その場で内定が出る
本来企業の採用というものは非常に重要なもの。例え、人事担当者にその権限が与えられ内定者を決める権限があったとしても、その場で出すことはあり得ません。社長なり専務なりの最終的な決裁を取らなければ組織的な判断になりません。
それでもその場で内定を出し、判断する時間を与えず、相手を拘束する、つまり誰でもいいからうちで働いてくれという意思の表れです。当然そんな企業は、社員を使い捨ての駒としか考えていないブラック企業ですからやめましょう。
ポイント2 内定書にその場でサインさせる
内定承諾書にサインをさせるなどは論外です。もし、サインを迫って来たら全力で拒否すること。部屋に閉じ込めれば監禁罪という立派な刑法犯罪になります。
ポイント3 「いつから来られる?」と聞く
「いつから来られる?」も要注意です。本来募集容項の段階で採用日が記載されてあったはずです。要はそれを無視するということですので、人が足りていない状態=人が辞めている状態だと考えることができます。こうした言葉や行動をかけられた場合はブラック企業です。
ポイント4 面接で、聞くべきことを質問してこない
そして、肝心の面接が面接になっていない場合も要注意です。本来聞くべき将来設計や、自分ができること、転職したらやりたいことなどを聞かず、どうでもいいことだけしか言わない企業は要注意です。
逆に自社の良いところしか言わない(こんなにすばらしい!)や「君もぜひ!」みたいに新興宗教の勧誘みたいになっているところもダメです。
ブラックすぎて人事の仕事をまともにやったことがなく、指示もないのに(いやいや)やらされているのが前者、やはりブラックで社長の(おかしい)経営理念に「帰依」してしまうことで宗教信仰心を持ってしまったのが後者です。どちらも絶対に関わりたくないですよね・・・。
人間を大切にしていないのがブラック企業
こうしたところは「キャリアアップ」にはつながることはありません。厳しい環境で頑張って成長した・・・という美談を語る人がいますが、そもそもブラック企業は違法行為をしているわけですからご自身もそれに加担することになってしまいます。
面接前に、応募段階で対ブラック企業アンテナを貼る
一番良いのはそもそも求人の段階でブラック企業に応募しないことですが、ブラック企業が多いと言われるハローワーク以外にも(転職サイトなどでも)ブラック企業は存在しています。そうしたものを見抜くためのポイントを簡単にお示しします。
求人情報を常に掲載している企業
常に人員不足→みんなすぐに辞めていく可能性が高い企業です。ハローワークならば、そうしたところは容易に見つかります。転職サイトに常にあるところは、儲かっているけど人を使い捨てているところです。社員に還元せず他のところに投資しているため人が足りなくなるのです。
採用のハードルが不明確
何年経験をしていた人歓迎、どういった仕事をしていた人歓迎、どこかの資格○○○点以上など、採用に当たっての欲しい人材のアウトラインが示されているところはいいのですが、「やる気のある人」「夢のある人」「諦めない人」など精神的なものを訴えてくる会社はかなりの確率でブラックです。
誰でもできる使い捨てなのだから求めるものはないし、下手に頭の切れる有能な人は不要なのです。「無能な怠け者」どころか「無能な働き者」を求めているのかもしれません。
不自然に給与が高い
給与が高ければ多少大変でもブラックではないのでは?と思われるかもしれませんが、本当のブラックだと多少高い給与でも時給換算すると「最低賃金」すら下回ってしまうことが良くあります。高校生のバイト以下の時給で働かされているということです。
正当に評価されていて給与が高いのならいいのですが、中には「名ばかり管理職」「名ばかり裁量労働制」などを採用して、残業代や休日出勤手当を一切支払わず、その代わりに多少給与を上げているところもあります。「多く払っているのだから我慢しなさい」というわけですね。
怪しいと感じたら少し立ち止まってその企業の業界研究を
一般的な基準として高すぎると思ったら少し立ち止まってその企業の業界研究をしてみましょう。もちろん、構造的に極めてホワイトで高収入、労働環境最高の業界もあります。「医療系出版」や「児童向け絵本出版」などがそれに当たります。ネットで調べてみてもすぐに出てきますが驚きます。もっともそういうところの人が辞めることはほとんどないので、中途採用の求人も出ないのですが・・・。
ブラック企業だと分かったら
ブラック企業だと分かれば、その企業に転職する必要はありません。選考の途中であっても「他社に決まりそこに行きます」「色々考えた末、ご辞退します」で問題ありません。さっさとそうした企業からは去りましょう。
問題は内定が出てから考え直して「ヤバい」と思った場合です。法的には内定が出て就業の意思表示が必要だとされています。したがって、その場でサインさせられる企業は論外ですが、そうではない場合はなるべく引っ張って考えましょう。
- 断る決心がつけば「並行していたもう1つの会社に行きます」で構いません。
- くれぐれもサインや押印をしないこと
- 雇用契約をするまでならば容易に逃げられます。焦らず毅然と断りましょう。
さあ、もう1回転職を再スタートしましょう!
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