『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』の評価まとめ

鹿児島銀行の住宅ローンを利用するほとんどの方が使う「かぎん住宅ローン(プロパーコース)」をネット銀行と比較して表にまとめます。

項目ごとに比較表にすることで、公式サイトを見ているだけではわかりづらい違いがはっきりします。

「かぎん住宅ローン(プロパーコース)」は保証会社を使わないため保証料や手数料が不要です。一見ネット銀行より良いように見えます。しかし、ネット銀行より金利が非常に高く、その影響が大きいため総支払額は高くなってしまいます。

年収や勤続年数の指定はないので申込みはしやすいです。保険もがん診断だけでローンを100%保障してくれる団信を銀行負担で利用できるのはとても良いです。

それぞれのセクションで詳しく解説します。

鹿児島銀行「かぎん住宅ローン(プロパーコース)」 vs ネット銀行 ~ 項目別比較まとめ
比較項目 評価
保証料と手数料
とても良い
保証料を払う必要が無いのはネット銀行と同じ。事務手数料も不要諸費用の詳しい評価
審査:申込条件
とても良い
収入・勤続年数の制限がない審査と申込条件の詳しい評価
保険:団信と特約
まあ良い
100%がん保障団信が銀行負担。3大疾病などの特約も有(ネット銀行と同率程度の金利上乗せ率)団信と特約の詳しい評価
一部繰上返済手数料
ふつう
ネットバンキング利用で手数料が無料(ネット銀行同様)繰上返済手数料の詳しい評価

鹿児島銀行住宅ローン一覧

前述の表では、鹿児島銀行のメイン商品である「かぎん住宅ローン(プロパーコース)」を比較しましたが、他にも目的別に多くの住宅ローン商品があります。

新規借入・借り換え:両方対応

借り換え専用

 

『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』新規借入の場合

鹿児島銀行住宅ローン
  • 最大1億円の融資を受けられる
  • 保証会社を使わないので保証料が必要ない
  • 手厚い保障プランが用意されている
  • 対応範囲:新規借入・借り換え
  • 融資額:100万円以上1億円以内(10万円単位)
  • 借入年数:3年以上35年以内(6か月単位)

審査と申込み条件

用途

  • 家屋の新築・増改築資金
  • 居住用住宅・宅地の購入資金
  • 借り換え用資金
  • 上記に係る諸費用・税金など

年齢

借入時点で、年齢が満20歳以上満71歳未満。完済時年齢が満82歳未満の方

収入

安定かつ継続した収入のある方

良いの?悪いの?他行と比較!

一般的に「年収200~300万円、勤続2~3年」 と収入や勤続の条件提示がされます。
 
かぎん住宅ローン(プロパーコース)には明確な年収の指定が無いため年収・勤続年数が足らず、申込みの時点であきらめる必要が無い点は良いポイントです。
 
ネット銀行では住信SBIネット銀行も「安定かつ継続した収入」と年収や勤続年数がありません。また、比較的条件の敷居が低いイオン銀行では年収100万円、勤続年数半年から申込み可能です。
 
しかし、指定がなくても返済可能な安定収入が必要なことに変わりはない点は注意しましょう。
 

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地域制限

鹿児島銀行の営業エリア内にある物件が対象です。鹿児島銀行は鹿児島県全域をはじめ、沖縄県や宮城県、福岡県に店舗を開設しています。

その他

原則として団体信用生命保険に加入する必要があります。

金利

鹿児島銀行『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』では新変動金利型と固定金利選択型の2種類を扱っています。

いずれの金利タイプも事前申込または本申込時もしくは借入時点のうち低い金利が適用されます。

返済方法には元利均等返済方式(毎月の返済額を一定にする方法)と、元金均等返済方式(月々の返済額を徐々に少なくする方法)に分けられます。

またボーナス時増額返済方式も併用できます。毎月6日、16日26日のいずれかに自動的に口座引き落としが行われます。

変動金利型

変動金利型は年2回の基準日(4月1日と10月1日)に金利の見直しを行う金利タイプで、鹿児島銀行では「新変動金利型」として扱われています。

それぞれ6月と12月の約定返済日の翌日から新利率を適用します。

新変動金利型では返済額の見直しは5年ごとに行い、それまでは元本金額と利息額を調整して変更尾を行いません。

また、変更後の新返済額は旧返済額の1.25倍を上限として見直されます。仮に借入期間満了時点に未返済残高がある場合には、原則として一括返済が必要です。

なお、新変動金利型から固定金利選択型へはいつでも変更することができます。

固定金利型

固定金利型とは特約期間中の金利を固定する金利タイプで、鹿児島銀行では「固定金利選択型」とされています。

特約期間は2年、3年、5年、10年、15年、20年の6種類が用意されています。なお、固定金利期間中は金利タイプの変更ができず、特約期間終了時点で金利タイプを選択できます。

保証料と手数料

鹿児島銀行の『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』では保証会社を利用しないため、保証料も必要ありません。
 
プロパーコースの審査通過が難しい場合は保証会社付きのコース(鹿児島保証サービスコース、全国保証プラス)を利用できます。

保障会社付のプラン

鹿児島銀行の『かぎん住宅ローン』ではプロパーコース以外にも「鹿児島保証サービスコース」と「全国保証プラス」の2種類も用意されています。保証会社を利用するので、取扱手数料と保証料を支払わなければなりません。保証料は「一括払型」か金利上乗せの「分割払型」を選択できます。
 
鹿児島保証サービスコース
鹿児島保証株式会社を利用します。融資期間はかわらず最大35年ですが、最大融資額は5,000万円とプロパーコースよりも低くなります。
 
全国保証プラス
全国保証株式会社を利用します。最大5,000万円、最長35年の融資が受けられる点は鹿児島保証サービスコースと変わりありません。そのほか申込み条件に勤続年数や年収が設けられており、返済比率内の借入となります。

良いの?悪いの?他行と比較!

鹿児島銀行の『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』では保証料・手数料も必要ありません。これは地方銀行の住宅ローンとしては珍しく、とてもお得です。
 
他の銀行では、保証会社への手数料として5万円の他、保証料として一括払いの場合60万円程度、分割払いの場合は金利に0.2%上乗せする必要があります。
 
ネット銀行でも保証料は不要ですが、手数料として借入額の約2%(もしくは指定する額:5~10万円)を一括で支払う必要があります。
 

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繰上返済手数料

一部繰上返済

一部繰上返済手数料はインターネットを利用すると無料です。その他にも入金が200万円未満の場合は無料となります。

一部繰上返済手数料一覧(上記以外の場合)
新変動金利型 5,500円
固定金利選択型 22,000円~44,000円(返済額による)

※1回または1件あたりの税込金額

良いの?悪いの?他行と比較!

一部繰上返済の手数料
インターネットで一部繰上返済を行うと無料となる他、窓口でも借入金額が200万円未満なら無料となります。
 
イオン銀行をはじめ多くのネット銀行は一部繰上返済は条件なしで無料で行うことができます。
 
全額繰上返済の手数料
ソニー銀行は全額繰上返済でも金額や借入年数に関係なく手数料無料です。
 

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鹿児島銀行 イオン銀行 ソニー銀行 

その他の事務手数料

返済条件の変更や固定金利選択時には下記の手数料が必要となります。

その他の事務手数料
返済条件変更手数料、固定金利選択手数料 5,500円

※1回または1件あたりの税込金額

保険について

住宅ローン保険

団体信用生命保険

鹿児島銀行で住宅ローンを組む場合には必ず団体信用生命保険を契約しなければなりません。鹿児島銀行では以下の4つのプランを扱っています。
 

団体信用生命保険と特約の種類
保険種別 金利上乗せ率
一般団体信用生命保険 無料
ガン保障特約付団体信用生命保険 無料
三大疾病保障特約付団体信用生命保険 +0.3%
全疾病保障特約付団体信用生命保険 +0.2%
一般団体信用生命保険

加入者が万が一、死亡や高度障害状態になった場合に住宅ローン残高が0円になる保険です。保険料は鹿児島銀行が負担します。

ガン保障特約付団体信用生命保険

上記「一般団体信用生命保険」の保障に加えて、ガン保障も付帯されたプランです。加入者がガンと確定診断された際にも住宅ローン残高が0円になります。

なお、こちらの保険は申込時年齢が20歳以上51歳未満の方が対象になっています。

三大疾病保障特約付団体信用生命保険

「一般団体信用生命保険」に加えて、三大疾病(ガン、脳卒中、急性心筋梗塞)の保障も付帯された保険です。

こちらの保険では申込時年齢が20歳以上51歳未満、完済時年齢が76歳未満の方が対象になっています。なお、保険料は加入者が負担しなければなりません。

全疾病保障特約付団体信用生命保険

「一般団体信用生命保険」に加えて、三大疾病ならびに5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)に加えて、日常のすべての病気やケガまで保障されたプランです。

病気やけがで12か月超にわたって就業不能状態が続いた場合には住宅ローンの負担がなくなります。

なお、こちらは申込時年齢が20歳以上51歳未満でなければならず、加入者が保険料を負担しなければなりません。

 

良いの?悪いの?他行と比較!

がん診断でローン残高0円になる「ガン保障特約付団体信用生命保険」が保険料無料で利用できるところはポイントが高いです。
 
金利上乗せが必要ですが、3大疾病保障や全疾病保障特約もつけることができます。
 
ネット銀行では?
ネット銀行の中には住信SBIネット銀行のように8大疾病特約が無料で利用できるところもあります。
 
他にもSBI新生銀行は「指定の要介護状態が180日以上継続でローンが0円」となる安心パックがあります。安心パックは手数料は定額(108,000円)で利用可能です。
 

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担保と保証人

借入対象の物件(土地・建物)に対して、鹿児島銀行が第1順位の抵当権を設定します。

なお、地上権付土地の場合は地上権に、定期借地権付土地の場合は賃借権・保証金返還請求権に抵当権を設定します。

また保証人は原則として必要ありません。ただし、担保提供者は収入合算者がいる場合はその人が連帯保証人となります。

そのほか鹿児島銀行が必要と判断した場合にも連帯保証人を用意します。

そのほか担保となる建物には火災保険を付保しなければなりません。地上権付土地、定期借地権付土地に建物を建築する場合は質権を設定します。

融資までの流れ

相談 ⇒ 事前申込 ⇒ 正式申込 ⇒ 契約手続き ⇒ 融資実行

申込み前のチェックポイント

  • 鹿児島銀行ではインターネットから事前審査(仮審査)の申込みができます。必要情報を入力すれば手続きできるので、あらかじめ必要書類を手元に用意して手続きするといいでしょう。
  • 一般的に住宅ローン契約時には本人確認書類、所得証明書類、物件関連書類が必要になります。これらはあらかじめ用意しておくことをおすすめします。なお、他にも必要な書類になることもあるので窓口等で確認しましょう。
  • 鹿児島銀行では様々な住宅ローンが提供されています。それぞれのプランの特徴を理解した上で、納得できる借入を行うようにしましょう。
  • 住宅ローンの相談受付は事前予約をしておくとスムーズに手続きできます。インターネットから手続きできるので、事前に相談日程を決めておくようにします。

 

『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』借り換えの場合

住宅ローン借り換え

鹿児島銀行『かぎん住宅ローン(プロパーコース)』は借り換えにも対応した住宅ローンです。

借り換えとは現在、住宅ローンを組んでいる人が他の金融機関のローンに切り替えることを言います。新規借入とは以下の点で異なります。

必要書類

通常であれば借り換えには本人確認書類や所得証明書類に加えて、返済予定表などの書類も提出する必要があります。あらかじめ用意しておくとよいでしょう。

申込み時のチェックポイント

  • 鹿児島銀行で借り換えを希望しているのであれば、あらかじめ支店窓口・ローンセンターにて借換の相談をしておくといいでしょう。
  • 借換が有利になる場合は一般的に債務残高が1,000万円以上あり、残期間が10年以上、金利差が1%以上ある時とされています。もし気になる場合は専門窓口にて相談してください。

 

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その他の住宅ローン

鹿児島銀行ではほかにも多数の住宅ローンをラインナップしています。以下ではそれぞれの特徴を紹介します。

かぎん提携住宅ローン「一軒楽着」

鹿児島銀行ではベーシックな住宅ローンとして『一軒楽着』も提供しています。こちらも「鹿児島保証サービスコース」と「全国保証プラス」の2種類が用意されています。

基本的には「かぎん住宅ローン」と同様の内容になっており、最大5,000万円、最長35年間の借入が可能です。違いは鹿児島銀行が提携している業者が販売・仲介する物件のみに利用できる点です。

かぎん太陽光発電住宅ローン関連

鹿児島銀行では太陽光発電設備を設置している物件に向けた住宅ローンも提供しています。

こちらも「鹿児島保証サービス」と「全国保証プラス」の2種類が提供さ入れています。

融資対象となる物件が「太陽光発電を設置している住宅」である点以外は、基本的にかぎん住宅ローンと同じ内容になっています。

こちらのプランは新規借入と借り換えの両方に対応しています。

かぎん提携住宅ローン「太陽光発電一軒楽着」

こちらも先も太陽光発電設備を設置している住宅のみに利用できるプランで、鹿児島保証サービスと全国保証プラスの2つから選べます。

このプランも鹿児島銀行の提携先業者が販売・仲介する物件に限ります。

かぎん「長期固定金利型住宅ローン(機構買取型)」

こちらはいわゆる「フラット35」と呼ばれる住宅ローンです。フラット35は住宅金融支援機構が住宅ローンを証券化して、それを元手に融資を実行する住宅ローンプランです。

あくまで資金調達の方法が違うだけで、利用者が不利になるようなことはありません。

融資金額は最大8,000万円、融資期間は最長35年で、固定金利型のみの取り扱いが特徴です。フラット35で借入する場合は住宅金融支援機構を定める融資条件を満たさなければいけません。

かぎん住宅資金借換ローン(無担保コース)

こちらは借換専用プランとなっており、担保を必要とせず融資を受けられます。保証会社が「株式会社鹿児島カード」と「株式会社ジャックス」の2社あり、それぞれで融資条件が異なります。

鹿児島カード保証型

最大700万円、最長10年間の融資を受けられます。申込みにあたり勤続年数は5年以上、前年度年収は400万円以上が必要になります。

また借入実績が5年以上あり、直近1年間に遅延がないことが条件となります。

ジャックス保証型

最大1,000万円、最長20年間の融資を受けられます。申込み条件に勤続年数や前年度年収などは設けられていません。

ただし安定的・継続的な収入があることは条件です。また借入実績、返済実績についての条件もあります。

リフォームローン関連

リフォームローンには「かぎんリフォームローン」と「かぎん太陽光発電リフォームローン」の2種類が用意されています。

それぞれ住宅の増改築や他行リフォームローンの借換資金として利用できるプランです。

最大1,000万円、最長15年間の融資が受けられ、金利タイプは変動金利型のみの取り扱いになっています。

申込みにあたっては年齢や年収、勤続年数などの条件を満たしていなければなりません。

かぎん賃貸マンションローン

鹿児島銀行では不動産関連の住宅ローンとして『賃貸マンションローン』を提供しています。

こちらはアパート等の新築・購入資金に利用できるプランです。またアパートローン等の借換資金にも使えます。

最大3億円、最長30年以内の融資条件が設けられています。また申込条件には年齢だけが定められています。

金利タイプは変動金利型と固定金利型の2種類があります。

住宅関連融資つなぎ融資制度

こちらの制度は実際に融資が実行されるまでの「つなぎ」として利用できるプランです。

最大1億円、最長1年間にわたりつなぎ資金を受けられます。なお、すでに住宅ローンの承認を得られている方でないと利用できません。

 

住宅ローン付随サービス

鹿児島銀行で住宅ローンを利用すると、以下の付随サービスも利用することができます。

  • かぎんeバンクサービス:鹿児島銀行が提供しているインターネットバンキングサービスで、繰上返済が無料で利用できます。
  • かぎん住まいの会:鹿児島銀行が提供している情報サービスで、加入していると金利引下サービスの特典が受けられます。

その他サービス

もしもの時のお見舞金

鹿児島銀行では住宅ローンを組んで5年以内に融資対象の建物が全村となった場合に、見舞金を受け取ることができます。

見舞金の対象になる事故は火災や水災、風采や落雷などです。なお、地震や噴火、これらによる津波は対象外です。

お問い合わせ方法

鹿児島銀行の住宅ローンについて知りたいことがあれば、以下の方法で問い合わせできます。

  1. 支店窓口
  2. ローンセンター
  3. 電話窓口

支店窓口

鹿児島銀行は鹿児島県全域と宮城県の一部地域に支店を開設しています。基本的に9時~15時まで営業しているので、この間に窓口にて住宅ローンの相談ができます。最寄りの店舗にて相談するといいでしょう。

ローンセンター

平日の夕方や土日にも住宅ローンの相談ができるようにとローンセンターも構えています。

店舗によって営業時間が異なりますが、いずれの店舗も基本的に土日10時~17時に営業しているので、事前予約して相談するといいでしょう。

電話窓口

鹿児島銀行では平日9時~18時まで営業している電話窓口も開設しています。

住宅ローンのちょっとした相談などであれば電話窓口にて確認してみるのもいいでしょう。