自動車保険
自動者を持っている人は必ず「自動車保険」に加入しますが、さまざまな保険会社と保険商品があります。

初めて自動車を買ったほとんどの方はディーラーおすすめの保険になんとなく加入してしまい、「自分に合った自動車保険」を選ばないまま、毎年更新しがちです。

全ての自動車保険の保険内容をくまなくチェックしていては、いつまで経っても自分向けの自動車保険を選ぶことなんてできません。

そこで、いくつかのポイントや基準を決めそれらを満たしている自動車保険がどれなのかを調べる方法を考えました。

 

自動車保険を正しく選ぶための5つのポイント

本ページでは以下の5つのポイントについて、それぞれの特徴や利点を説明していきます。

自分にとって条件の良い自動車保険の特徴を調べる際に役立ててください。

  • 「代理店(対面)型」と「ダイレクト(通販)型」
  • 事故対応の違い
  • 保険料の違い
  • ロードサービスのサービス内容
  • 特約について

 

「代理店型」と「ダイレクト型」の違い

車ディーラー
自動車保険に加入する際には「代理店型」と「ダイレクト型」という2つの加入方法に大別されます。

これらは、加入時にどのような方法で契約をするのかという違いがありますが、加入後の特徴も異なるため自動車保険選びにおいて重要なポイントの一つだと言えます。

 

代理店型とは?

代理店型あるいは対面型と呼ばれる加入方法は、自動車販売店などの代理店で担当者と対面した状態で契約を進める方法です。この方法は従来型の自動車保険加入方法であると言えます。

この場合、顧客は保険会社と直接のやり取りをするのではなく、代理店の担当者を介して見積もりと申し込みを行います。

自動車販売店が保険代理店も兼業している場合だと、自動車の購入時に自動車保険の見積も添付されている場合があります。

 

ダイレクト型とは?

ダイレクト型あるいは通販型と呼ばれる契約方法は、インターネットや電話で保険会社と直接のやり取りをして契約を進める方法です。外資系の保険会社を中心に展開している契約方式です。

代理店型との一番の違いは「人件費と保険料」です。

ダイレクト型はインターネットや電話、郵送でのやり取りが中心です。

代理店型の場合は保険会社と顧客の間に代理店が入ることで中間の人件費がかかり、その分だけ保険料が上乗せされます。

間に人を挟まないダイレクト型の場合、人件費を抑えている分だけ保険料も抑えることができるのです。

 

代理店型とダイレクト型のメリット・デメリットまとめ

代理店型とダイレクト型、それぞれのメリットとデメリットを表にまとめてみました。

 

メリットを比較

代理店型のメリット 対面式なので、わからないところを適宜質問しやすい
自動車の購入時に一緒に保険の手続きができる
担当者が経験豊富なら頼りになる
ダイレクト型のメリット 人件費がかからない分、保険料が割安
インターネットを中心とするため、忙しい人でも契約しやすい

 

デメリットを比較

代理店型のデメリット 人件費がかかる分、保険料が割高になる
担当者が経験不足だと頼りにならない
ダイレクト型のデメリット 保険の内容は基本的に自分で調べることになる
ネットでの加入では決められない補償内容がある
代理店と違って何かあった時に同じ人に対応してもらえない可能性が高い

有り体に言えば、代理店型は「受け身」であり、ダイレクト型はその逆です。

代理店型の場合は人件費がかかるというデメリットはありますが、経験豊富な担当者に当たればプロが推奨する保険の契約内容を知ることができます。対面式という安心感も無視できません。

一方でダイレクト型の場合、やはり保険料が割安になるメリットが大きいです。

保険会社と直接のやり取りになるため、契約や見直しの際の見積もり計算も早い事が多いです。

ただし代理店での契約とは異なり近場の店舗の担当者に知り合いができないため、いざという時に不安を感じやすくなります。

実際、代理店型で契約した場合は事故発生時に担当者が駆けつけてくれることがありますが、ダイレクト型の場合は保険会社の担当者が現場に来てくれることは原則としてありません。

 

どちらを選ぶのが良いのか?

タイプ別のおすすめ

  • 自動車保険に詳しくない方 ⇒ 代理店型
  • 自動車保険に自信がある、良く知っている方 ⇒ ダイレクト型

代理店型とダイレクト型を選ぶ際の基準は「自分が自動車保険に詳しいかどうか」が分かれ目となります。

あまり自動車保険に詳しくない、初めて自動車保険に加入するという場合はプロが提案してくれる代理店型がお勧めです。

自動車保険に詳しく、ネットを使って自分で内容について調べる自信がある人は、保険料が安いダイレクト型がお勧めです。

もちろん、初めて加入する人がダイレクト型でも問題ありませんし、ベテランが代理店型で契約することも悪くありません。

自動車の利用頻度が高く、有事の際に頼れる人を確保する目的で代理店型を選ぶ人も少なくありません。

また、代理店型とダイレクト型を保険選びの重要なポイントとして位置付けしないという考え方もあります。

結局のところ、どこで契約するにしても補償内容と保険料のバランスが重要なのであって、どこで契約したのかはそれに対して絶対的な影響は受けないという考え方です。

 

事故対応の違い

車事故
自動車保険に加入する理由は「事故が起きた時」の備えです。保険に加入していれば損害補償や入院保障などでお金の問題はしっかりと解決できます。

ですが、実際に事故を起こしたり事故に巻き込まれた時に必要なことはお金だけではありません。

「担当者が現場に来てくれるか?」という点も大きなポイントになります。

 

事故対応の安心感

これに関しては、基本的に代理店型とダイレクト型の契約が最初の分かれ目になります。

一般的にダイレクト型の契約方式で自動車保険に加入した場合、ロードサービスは来ると思いますが担当者はまず来ないと考えて間違いありません。

ぶっちゃけて言えば、事故現場に保険会社の担当者が来ても「やること、できることが何もない」のです。

ですが代理店型の自動車保険の場合は、事故現場に顔なじみの担当者が駆けつけてくれる可能性があります

代理店型の場合でも事故現場で何かできるというわけではありませんが、事故の当事者としては「知り合いの顔を見られる」というだけで何となく安心できるものです。

こうした精神的なケア目的で、現場に来てくれる可能性があるのです。場合によっては、事故現場での対応に関して適切なアドバイスを受けられる可能性もあります。

 

その点が気になり、変えた方も

実際、保険契約に携わる人の話によると、ダイレクト型で加入した自動車保険の加入中に事故を起こして、事故対応が冷たかったことを理由に代理店型の自動車保険に切り替えたという人も少なくないそうです。

付き合いが長い担当者であれば、親身になって応対してくれることも多いのでありがたいと思うことも確実にあるでしょう。

 

「いつでも」という訳ではない

ただし、彼らにも限界というものはあります。例えば「真夜中」「旅行先」「年末年始の休みの時期」に事故を起こした場合、代理店の担当者もさすがにすぐ駆けつけるということは無理です。

普段の事故でも、常に担当者が来てくれるとは限りません。代理店型で加入する場合、そのあたりはきちんと理解しておく必要があります。

 

保険料の違い

車保険料
保険を選ぶ際に大きな要素となるのが「保険料」です。保険料が高ければ収支を圧迫することになりますので、可能な限り保険料は最小限に抑えておきたいところです。

前述の通り、代理店を挟まないダイレクト型の契約であれば人件費がかからない分だけ保険料を安くできます。

ですが、同じダイレクト型の自動車保険でも工夫次第でさらに保険料を安くできます。

 

等級による保険料の違い

保険料を決める要因として大きなものの一つに「等級」があります。

等級は、被保険者を20段階(保険会社によっては22段階の場合もある)の等級に区分して、等級に応じて保険料の割引・割増率が変動するというシステムです。

これは「事故を起こすリスク=保険が適用されるリスク」によって保険料の増減を決めるという原理に則っています。

 

等級の仕組み

等級の仕組みは、1年間その自動車保険で補償を受けなかった、つまり自動車保険が適用されるような事故を起こさなかった場合に、翌年の等級が1段階アップします。

例えば6等級のときに1年間無事故だった場合は、翌年の契約では7等級になっているという仕組みです。

 

変化する等級

さらに無事故で過ごせば8等級、9等級とアップしていき、20等級制であれば時間をかければ20等級まで上げることができます。

等級が上がれば同じ保険内容でも割引率が高くなるため、年を重ねるごとに保険料が少しずつ安くなっていきます。

逆に、運転中に事故を起こして自動車保険を適用した場合は、等級が数段階下がります。等級が下がれば割引率も下がり、下層の等級まで下がってしまうと保険料が割増扱いになって高額な保険料を負担しなければならなくなります。

また、一度でも事故を起こして自動車保険を使ってしまった場合は、同じ等級でも割引率が10%~20%ほど低下してしまいます。

 

今すぐの節約にはならない

事故を起こした時のための自動車保険とは言え、保険料を安く済ませたいのであれば無事故を維持することが重要です。

ただしこの方法は1年間無事故で1等級ずつ上げていき20等級を目指すという性質上、すぐに保険料を安くする方法としては活用できません。

 

年齢による保険料の違い

自動車保険の保険料は、保険の対象となる人物の「年齢」にも依存します。

例えば生命保険も同じですが、年齢によって保険適用のリスクが異なるため、リスクに応じた保険料が必要であるという考え方に則っています。

ただし、若いほど保険料が安くなる生命保険とは異なり、自動車保険は過去の統計から見て若年層の事故率が高いことにより若い人ほど保険料が高くなります。

 

年齢区分

具体的に年齢と保険料の関係については「年齢区分」という仕組みが用いられます。

これは、自動車保険の対象となる人物の年齢を制限し、高齢に制限するほど保険料を安くできる仕組みです。

例えば「26歳以上」の年齢区分で自動車保険に加入した場合、25歳以下の人物が運転して事故を起こした場合は保険適用の対象外になります。

つまり自分の年齢に合わせた年齢区分を設定すれば、その分だけ保険料を安くできますし、区分による対象外になることはありません。

 

子供が運転するようになったら変更を

ただし、問題がないわけではありません。例えばお子さんがいる家庭において、そのお子さんが自動車の免許を取得した場合です。

若年層であれば自分のお金で車を購入するよりも親が運転する自動車に乗る機会のほうが多いと思います。

ここで注意すべきなのは年齢区分を高く設定している自動車保険の場合、若いお子さんが運転する場合は対象外になるということです。

「保険に入っているから事故を起こしても大丈夫」と誤認してしまうと、いざという時に補償が受けられなくなってしまいます。

この場合は、免許取得から早いうちに保険会社に連絡し、年齢区分を変更してもらってください。

基本的にいつでも変更可能なので、免許を取得したお子さんが保険の対象内に入るような区分に変更する必要があります。

その分だけ保険料は上がりますが、お子さんが自分で自動車を購入および自動車保険に加入するまではお子さんの年齢を対象にできる区分で加入しておくことをお勧めします。

 

やはり即効性のある節約ではない

年齢区分による保険料の節約も、即効性に欠ける方法だと言えます。

なぜなら高齢な年齢区分で保険に加入するためには、被保険者が年齢を重ねる必要があるからです。

等級と同じく、年単位で時間が必要になります。

 

制限を設けるほどに保険料は安くなる

先程の年齢区分の考え方と同じですが、自動車保険が補償する内容を制限すればするほど、保険料は安くなります。

保険会社が補償しなければならない内容が限定的であるほど、補償のリスクは少なくなりますので保険料も安くて済むということです。

主な制限の内容としては「運転者」「免責金額」「補償内容」が挙げられます。保険会社にとって補償のリスクを下げる内容であればあるほど、保険料を安く抑えることができます。

自分に合った条件で保険料を下げることができるのであれば、少ないリスクで保険料を抑えることができます。

割引の幅は等級や年齢区分よりも少ないことが多いのですが、等級と年齢区分も合わせて考えると少しでも保険料を安くできることには意味があります。

 

必要な内容まで制限すれば本末転倒

ただし、いくら保険料を安くすることが目的とは言え、自分にとって必要な内容まで制限することは避けなければなりません。

例えば「運転者の制限」ですが、自動車保険の対象となる自動車の運転者を制限するほど保険料は安くなります。

これを本人以外に「夫婦」「家族」「家族+友人」と範囲を広げていくほど保険料は高くなります。

いざという時にも補償が受けられるので安心できますが、友人が自動車を運転する機会がないのであれば広げすぎることは正しいとは言えません。

ですが、運転する機会のある人物が自分以外にもいる場合であれば、その人を対象外にするような制限は設けないほうが無難です。

例えば運転者を夫婦に限定した場合、年齢区分を下げてもお子さんは対象外になります。夫婦で運転するのに対象を被保険者本人に限定することも間違っています。

必要な内容は契約に盛り込むようにして、あくまでも制限するのは「自分たちの自動車運用に不都合にならない内容」に限定しなければなりません。

制限を厳しくしすぎて、いざというときに補償が受けられなければ保険料を払っている意味が無くなってしまいます。

 

自分にとって都合の良い制限が設けられる保険会社を選ぶ

ここで一つ注目したいのは、この「制限できる内容」が保険会社ごとに異なるということです。制限の区分が異なるだけでなく、他社では見かけないオリジナルの制限を利用できる保険会社があるということです。

例えば「走行距離」です。走行距離が一定未満であった場合、保険料が安くなる割引制度を提供している保険会社もあります。

また、同じ割引条件でも保険会社ごとに走行距離の区分が異なり、他社よりも細かく区分していたり区分の上限がさらに多くなっているなど、より良い割引の条件を達成できる可能性もあります。以下の表のようなイメージです。

 

走行距離の会社による区分分けの違い

保険会社A 保険会社B
区分A 区分A~C
区分B
区分C
区分D 区分D~F
区分E
区分F

保険会社Aの場合、区分が6段階に分かれているため自分の条件に最も合った区分が見つかりやすいです。

一方で保険会社Bは2段階で大雑把に区切っているため、例えば区分Cに分類される人でもAやBと同じ区分の扱いになってしまいます。

仮に区分Fに近づくほど割引が多くなるとすれば、AやBと同じ扱いを受ける区分Cは損をする可能性が高いです。

自分にとって都合が良い区分で区切っている保険会社を選ぶことで、より高レベルな割引を得やすくなるのです。

このように、自分にとって達成しやすい割引条件を設けている保険会社を選ぶことも保険料節約につながります。

もちろん、補償内容が十分であることが絶対条件であることは間違いありません。

補償内容が同じで保険料の安さで保険会社を選ぶ場合に、決め手の一つになると理解しておきましょう。

 

ロードサービスのサービス内容

車レッカー
「ロードサービス」とは、自動車の運転中にトラブルが発生した場合に対処してくれるサポートサービスです。

自動車保険に加入すると、基本的にどの保険会社でもロードサービスが付帯しています。つまり「ロードサービス付帯の有無」については、保険会社を選ぶ基準にはならないということです。

 

自動車保険ごとに異なるロードサービスの中身

ただし、保険会社ごとに「ロードサービスの中身」については細かい部分で異なります。

例えば「無料のレッカーサービス」については無料でどれくらいの距離まで移送できるのか、レッカーの移送先の「提携工場の数」はいくつあるのかといった数値的な部分です。

ロードサービスの利便性を追求する場合、同じ種類のサービスでもその具体的な数値まで調べておく必要があります。

 

優先順位は低いと考えるべき

ですが、ロードサービスの中身が充実していれば優先順位を高めるかと言えば、その限りではありません。

あくまでも自動車保険を選んでいるのだという認識を再確認すれば、付帯サービスであるロードサービスが充実していることは絶対的な条件とは言い難いです。

ただし他の要素について差別化が難しく、いくつかの保険会社で迷っている場合であればロードサービスの中身を決め手にするという方法もあります。

あくまでも自動車保険の内容について吟味した上でいくつかの選択肢がある場合の、最後のひと押しとして活用する方法です。

これなら、ロードサービスの内容を優先して肝心の保険の内容で後悔するということは避けられるはずです。

 

特約について

車事故対物
最後は「特約」の選び方について解説します。自動車保険には、基本となる補償内容とは別に特約というオプション補償を付帯させることができます。これは契約者が希望する補償内容を、保険料を追加で支払うことで付帯させることができるのです。

特約は付帯させるほどに、いざという時の補償が手厚くなったり、手助けになる内容となっています。しかし、前述の通り特約をプラスすればその分だけ保険料がかかる結果になります。つまり、不要な特約までつける必要はないということです。特約の中で「最低限、これだけは付帯しておくべき」と言える特約は以下のとおりです。

 

これだけはつけておきたい特約

  1. 弁護士費用補償特約
  2. 対物超過修理費用補償特約

 

弁護士費用補償特約

この特約は、自動車事故で弁護士を雇う必要がある場合において、一定の範囲内でその費用を補償してもらえる特約です。

通常、自動車事故を起こした場合は保険会社が相手との交渉を代わりに実行してくれます。

しかし、これは「わずかでも自己の責任が自分にもある」場合のみです。

 

弁護士費用補償が必要とされるケース

交通事故の中には「100%相手の責任」という事故も存在します。

例えば「信号待ち中の追突」「信号無視した自動車が衝突」など、明らかにこちらに責任がない事故に巻き込まれる、いわゆる「もらい事故」と呼ばれるケースも珍しくありません。

保険会社は、被保険者が無過失な事故の場合は相手との交渉を代行できない決まりになっているのです。

この場合、巻き込まれた方は自分で交渉に臨む必要があります。

ですが相手の保険会社との交渉、あるいは任意保険に加入していないことによる損害賠償の請求交渉など、とにかく手間がかかる上に神経をすり減らすことになることは間違いありません。

こういったことは弁護士に依頼するのが一番ですが、弁護士を雇うには相応のお金がかかります。

 

昨今の危険運転に備える

弁護士費用補償特約は、前述の事故などに発生する弁護士費用を一定の範囲内で補償するという特約です。

万単位で発生する弁護士費用を補償してもらえるのは非常に安心できます。

昨今は危険な運転をする人が多くなっているため「自分が安全に気を付けているだけでは駄目」ということを理解すれば、この特約がいかに重要で必要不可欠なものであるかわかると思います。

 

対物超過修理費用補償特約

この特約は、被保険者に責任がある交通事故において、相手(被害者)の自動車の修理費用が自動車の評価価値を超えた場合の差額を補償する特約です。これも、弁護士費用補償特約と同じく、どんな人にでもお勧めできる特約です。

通常、自分の責任で交通事故を起こし、相手の自動車を壊してしまった場合は賠償する義務があります。

この時、自動車保険が相手の自動車に対して補償できる上限額は、全損扱いにおける自動車の評価額です。

例えば、被害者側の自動車の時価が50万円と評価された場合、自動車保険は相手の被害に対して50万円までしか補償できません。

ですが、相手の自動車の修理費用の見積もりが評価額を超えてしまった場合(例えば50万円の評価額に対して70万円の修理費用が見積もられた場合)、相手は50万円の補償を受けても納得するわけがありません。

この交渉は基本的に保険会社が受け持つことになりますが、お互いの主張が相容れることはまず考えられません。

被害者は、加害者(被保険者)本人に対しても修理費用を補償するように連絡してくることでしょう。

この特約を付帯させていると、評価額を超える補償内容が必要な場合にその差額についても保険会社が補償する、つまり修理費用が評価額を超えた場合でもきちんとこれを補償できるということです。

多くの保険会社はこの特約で補償できる上限を設けていますが、この特約があるのと無いのとでは数十万円という支払いを回避できるかどうかが異なるので付帯させて損ということは考えられません。

 

その他の特約については?

この他にも、さまざまな特約が用意されています。例えば半損事故においても新車に買い換えられる「車両新価特約」や、事故で自動車を修理中に代車を用意できる「代車費用特約」などがあります。

あれば便利な特約ばかりですが、あればあるだけ保険料がかさむということを忘れてはいけません。

特約については、自分にとって本当に必要なもの「だけ」を付帯させるようにしてください。半損事故で新車に買い換える必要がない人や修理中は電車通勤で十分だという人が、上記の特約を付けても十分な恩恵は得られません。

特約ごとに、付帯させるのに適している人というものはあります。

特約を選ぶ時には、その特約のメリットを十分に理解した上で実際にそれが自分にとって額面通りの恩恵を与えてくれるものであるということをシミュレートしてください。

 

自動車保険の選び方のまとめ

自動車保険を選ぶ時にはさまざまな基準を考慮して選ぶ必要があるということがわかります。いざという時に必要な保険でも、その選び方によって得られる恩恵と保険料のバランスは異なります。

また、保険会社ごとに新しい補償内容や特約を用意してくることも考えられます。

特に担当者から勧められた時には、本当にそれが自分にとって必要なものであるかをきちんと考えてください。

必要なものは確実に盛り込んで、不要なものは出来る限り省いた内容で契約をすることで、満足度の高い自動車保険を選ぶことができます。