業者に不要になったマイカーを買取してもらいたい時は「ディーラーの下取り」と「買取専門業者に依頼」の2つ方法が頭に浮かびます。
新規に購入する予定のない方は「買取業者に買い取ってもらう」ことを第一に考えるでしょう。
車を売ることが初めてで不安を感じている方へ、買取業者の利用の際に知っておきたい情報をまとめてみました。
トラックやバイクの売却や廃車は下記のページをご覧ください。
バイク買取・廃車@相場、提出書類や査定額アップの秘訣を徹底解説
買取と下取りの違い
冒頭でお話した通り、不要になった車を業者に売却する際には、主に「買取」と「下取り」の2つの方法があります。
買取は専門業者に車を買い取って貰う方法、下取りは車を購入する際に既存の車を引き取ってもらい、その売却価格を購入価格から差し引いて売買を行う方法です。
どちらも古い物品を引き取ってもらうという点では一致していますが、下取りの場合は「購入が条件」という点で異なります。
下取りでは
新車購入時に既存の車を下取りしてもらうことで、購入と売却の手続きを一度で済ませることが可能です。
手間がかからないので楽なのですが、買取と比較すると安い値段で下取りされる可能性が高いです。
また、下取り価格が高額だと言われても、実はその分だけ新車の値引き幅を狭めている可能性があります。
買い取りでは
買い取りの場合は、業者ごとに査定価格が異なります。
下取りと比較して新車購入時の値引きとは完全に区別されるため、下取り価格と値引きが混同してわかりにくくなることがありません。
売却と購入それぞれの手間がかかるという点はデメリットですが、少しでも車を高く引き取ってもらいたい場合は下取りではなく業者買取を選択することをおすすめします。
買取と下取りの違いは車を売る3つの方法 – 下取り、買取業者、個人売却の違いとメリット・デメリットで詳しく解説していますので参考にしてください。
買取依頼前に知っておきたいこと
下取りと比較して高額で売れる可能性が高い業者買取ですが、いくつか知っておくべきポイントがあります。
買取相場と販売相場の違い
業者が関わる場合、「相場」が深く関係することになります。車を買い取って貰う場合は中古車買取の「買取相場」によって、おおよその買取価格が決定されることになります。
中古車買取の相場
中古車買取の相場は「中古車販売価格相場の6割~8割」であると言われています。
例えば、中古車販売店で100万円で販売されている車種があるとすれば、それを買い取って貰う場合は60万円~80万円の査定額が付く可能性が高いということになります。
査定のチェック項目
実際の買取価格は、「査定」によって具体的に決定されることになります。査定は、車種のように見た目ですぐに判断できる情報だけでなく、以下の情報をチェックしています。
- 書類一式(車検証や取扱説明書など)
- 車両の外観
- 車両室内の状態や装備品
- エンジン
- トランクルーム
- ルーフ
マイナスポイントが見つかれば、それだけ査定額は減少することになります。
傷やへこみがあったら?
車を業者に買い取ってもらう際に、売りたい車に「傷」や「へこみ」があっても買い取ってもらえる場合もあります。
ただし傷やへこみの程度が大きい場合だと、査定額に大きく影響することが多いです。
基本は大丈夫
車の買取査定において、多少の傷やへこみであれば査定額に大きく影響することはありません。そもそも「車を買い取る」ということは「中古車を買い取る」ということです。
中古車は既に時速数十キロで幾度となく走行しているものなので、普通に運転していてもそれなりに傷つくものです。
それを買い取るのですから、ちょっとした傷やへこみは許容内であるということです。
ただし、傷が深かったりへこみが大きい場合は、査定に大きく響くことになります。
修理しない方がいい2つの理由
修理することで改善はできますが、必ずしも修理してから査定してもらったほうが良いというわけではありません。
理由その1
理由は2つあって、第一に「修理費用と、傷やへこみによる査定額の影響」の関係です。
要するに「修理費用≦傷・へこみによる査定額の減額」であれば修理すべきであり、逆であれば修理しないほうが良いというわけです。
しかし業者は修理費用は考慮してくれませんし、そもそも修理費用と査定額の減額がどれくらいになるのか素人には判断できません。
理由その2
第二に「事故を疑われる」ということです。これは後の項目でも説明しますが、事故車は査定が大きく下がります。
修理内容によっては「事故を起こして修理したのか」と疑われる可能性があり、査定額に大きく響くことになります。
それならば、修理していない状態で適正な査定額を計算してもらったほうが手間も少なくてお得なのです。
掃除は?
車を買い取って貰う前に、簡単に「車の掃除」をしておきましょう。主に以下のポイントを押さえて車をキレイにしておけば十分です。
- コイン洗車
- 車内の掃除機がけ
- 車内の簡単な拭き掃除
- 芳香剤や消臭剤で車内の臭い取り
査定に掃除が反映する?
掃除をすることで買取査定が良くなるかと言えば、その限りではありません。
理論上、掃除の有無が査定額に影響を及ぼすことは考えられません。
査定に関係するのは傷や故障、装備の不備などであり、綺麗であるかどうかは査定基準とはなり得ないのです。
印象付け程度と考える
ですが、「買取査定をする人も人間である」ということを忘れないようにしてください。
もし、あなたが知人から何かを買い取る際に、ピカピカに磨かれているものと薄汚れているものだと、印象がガラリと変わるのではないでしょうか。査定担当の人もきっとそう考えます。
結局のところは「印象づけ」にしかなりませんが、少なくとも印象を悪くするよりは査定にもプラスに作用するのではないかと思います。
適度でOK
ただし、掃除に手間とお金をかけすぎることは本末転倒なので避けてください。
今までお世話になった車への、最後の感謝の気持ち程度にやっておけば、それで十分でしょう。
ローンが残っていると?
車を個人売買する場合、車の購入時に組んだ自動車ローンが完済していない場合は売却できません。
しかし、買取業者に車を売却する場合は、ローンが残っていても車を買い取ってもらうことができる可能性が高いです。
ディーラーローンで完済してない場合
ディーラーローンや信販会社の自動車ローンの場合、車の所有者は信販会社名義になっていることが多いです。
ローンを完済することで所有権を移動してもらえるのですが、それまでは所有権は信販会社が持つことになります。
つまり、所有権が他人にある以上は車を売却できないということになります。
買取業者を利用すると…
しかし、買取業者に買い取りして貰う場合は話が違ってきます。
例えば150万円のローンが残っている車を100万円で買い取って貰う場合、買取査定額の100万円をローンの返済に充当します。
差額の50万円に関しては自分で支払う必要がありますが、これにより150万円のローン残債を50万円一括払いで完済できるのです。
もちろん、査定額がローン残債を上回っている場合(ローン残100万円に対して査定額150万円など)であれば、買取額からローン充当額を除いた残りを受け取ることができます。
事故車でも買取してもらえる?
事故車というのは曖昧な表現ではあるのですが、事故歴があったり事故で故障した車でも買い取りしてもらえる可能性はあります。
ただし、無事故車と比較すると査定額は大幅に減少することになるということは覚悟しなければなりません。
パーツでも市場がある
- 「故障した車でも買い取ってもらえるの?」
- 「廃車しなければならないような車でも売れるの?」
特に上記2点について疑問に思われる方が大勢いると思います。昨今は故障車でもパーツに販売価値があれば買い取りしてもらえます。
そのためのシステムも構築されていますので、お金を払って廃車しなければならないような車でも値が付く可能性があります。※費用と相殺で無料引き取りというケースもあります
自分で廃車するとなると書類を用意したり、役所に出向いたりと手続きは結構面倒なものです。
具体的な手順や必要書類については、「廃車の際に必要な費用、手続き、書類を徹底調査」のページで紹介しているので参考にしてみてください。
故障(エアコンの故障)などがあっても大丈夫?
車全体の故障ではなく一部分に故障が生じている場合でも、査定額に問題は生じますが買取はしてくれることが多いです。
査定に影響を及ぼす程度については、どれだけ修理費用がかかるかによって変化します。
修理費用が数千円で済む程度の故障であればそこまで査定額に影響しませんが、数万円クラスになると査定にも大きく影響することになります。
ガソリンは満タンにしない方がいい?
車を買い取ってもらう時には、ガソリンがいくら入っていても査定額には影響しません。
数十kmを走行できるだけのガソリンが入っていれば問題はありません。逆にガソリンを入れすぎていると、入っているガソリンの分だけ損をする事になります。
ならば、ほとんどガソリンが入っていない状態で業者に引き渡せばよいのかと言えば、そうでもありません。
評価するに必要な分は入れておこう
まず、全くガソリンが入っていなければエンジンが掛かりません。これでは正しい評価での査定ができません。
また、業者に自宅に車を引き取りに来てもらう場合だと、車を運転して引き取ることになります。
最低でも最寄りのガソリンスタンドまで自走できる程度のガソリンは入れておかなければなりません。
リサイクル料ってなに?
車を購入する際には「リサイクル料」を支払っています。平成17年以前に車を購入している場合は、車検時に支払っていると思います。
このリサイクル料については、車の買い取り時に全額が返金される仕組みになっています。
なぜならこの費用は「車を廃車・解体する際の費用」であり、その負担者は車を廃車や解体した最後の所有者となります。
買取はこれに含まれないため、既に支払っているリサイクル料は返金される決まりとなっているのです。
チェックしよう!
返金されるリサイクル料が「査定額に含まれる」か「査定額とは別に支払われる」かは、買取業者によって異なります。きちんと確認しておいてください。
税金は?
「税金」については税金の種類によって扱いが異なります。
自動車税
「自動車税」については、車を売却する時に残存期間分を月割り計算で還付を受けることができます。
ただし、自動車税が未納の状態では車を買い取ってもらえません。未納分の自動車税を納付してから査定を受けてください。
自動車重量税
「自動車重量税」については還付を受けられません。
これは中古車購入時には逆の状況になり、自動車税は翌年度分までの残存期間分を支払い、自動車重量税は支払う必要がありません(前の所有者が負担しているから)。
所得税
「所得税」に関しては、通勤などに用いられた車の場合は考慮しません。
しかし「業務用」あるいは「レジャー用」の車を売却した場合において売却価格が簿価(売却時の車の価値)を上回った場合(簿価70万円の車が100万円と査定された)は、譲渡所得として計算されます。
消費税
「消費税」については、業務用の車を売却した時だけ考慮します。
買取業者にうまく言いくるめられる?
車を買い取ってもらう時に、多くの経験者が感じているのが「言いくるめられたのではないか?」ということです。
何かと専門用語を並べてそれらしい理由をつけて、不当に安く買い叩かれたのではないかという疑問です。
その不安は至極当然なことです。「実際に売却した値段」と「本来売却価格」に大きい差があるのでは無いかということですが、「本来の売却価格」を明確にできない以上は疑惑を抱かざるを得ないのです。
ですが、あなたが転売で利益を出す立場として考えてみてください。買取業者は買い取った中古車を転売して、差額を利益として計上します。
この時、計上できる利益を最大限にするためには「できるだけ安く買い、できるだけ高く売る」ことが基本となります。
つまり、買取業者はできるだけ安く中古車を買い取りたいのです。いくら安く買われたと思っても、詐欺行為が無ければ後は交渉テクニックの範疇です。
不安を取り除く方法その1
買取の際にそうした不安を取り除くためには、第一に「自分の車のおおよその価値を知っておく」ことです。前述の通り中古車買取の相場は販売価格の6割~8割となります。
つまり中古車販売価格の相場を知っておけば、おおよその査定価格も把握できるということです。
もちろん理由があれば査定額は減少しますが、仮に相場の6割未満の価格を提示されたらきちんと理由を聞いておきましょう。
不安を取り除く方法その2
第二に「複数の業者で査定をしてもらう」ことです。相場があるとは言え、実際の査定額は業者ごとに異なります。
複数の業者で査定見積もりをしてもらい、その中で最も高い値段を付けてくれた業者に決めれば損をすることはないでしょう。
異様に高額な査定を行ったところは怪しいので注意しましょう。
不安を取り除く方法その3
第三に「アドバンテージは自分にある」ということを理解しておくことです。
言いくるめられる原因は「買取のプロVS車にそこまで詳しくない素人」という構図にあります。
しかし、そもそも売りたい車の売却決定権は車の持ち主にあるわけですから、持ち主がイエスと言わなければ売買契約は成立しません。
相手は少しでも安く車を買い取りたいとは思っていますが、「買い取りできなければ業者は利益を出せない」という弱点があることも理解しておきましょう。
買取後に返金請求あるって本当?
無事に車を業者に買い取ってもらえても、それで何事もなく終了とはならない可能性があります。
いわゆる「瑕疵担保責任」と呼ばれるものであり、売買契約後に何らかの問題が見つかった場合に売り主が返金や値引きに応じなければならないというものです。
契約書
おそらく、売却時に交わした契約書のどこかに瑕疵担保責任と売却額の減額についての記述があると思います。
「買取後に問題が見つかった」「オークションに出品したら落札者の方で問題が見つかった」といったパターンで、代金の一部を返金あるいは入金予定の代金を値引きするといった措置が取られます。
問題となる場合
特に問題なのは「査定額を高くするために、意図的にマイナス要素を隠していた」場合です。
例えば「走行距離をごまかすためにメーターを戻した」「修理歴を申告しなかった」といったことです。これらはきちんと調べればわかることであり、明らかに悪意をもって業者を騙そうとした場合は返金請求に対して文句を言えません。
逆の場合もある
ただし、業者が悪質なことをしてくる可能性もあります。
一括査定を利用する等して複数の見積もりを提示してもらう時に、意図的に他社よりも高い査定額を提示して買い取り、買い取ったあとで文句を付けて減額要求するパターンです。
前の所有者に問題がある場合
場合によっては、個人売買等で以前の所有者が意図的に修理歴等を隠して売りつけてきたという可能性もあります。
その場合は相当額を前の所有者に対して請求することが必要になります。
何かと面倒になりますので、査定時にしっかりと調べてくれる業者に買い取りをお願いしたいところです。
買取の手続きの流れ
複数の業者に査定してもらうためには「一括査定」を利用するのが手っ取り早いです。
そこで、一括査定サービスを利用して車を買い取ってもらうまでの、下記のような一連の流れを簡単に説明します。
- 車売却の事前準備
- 車の買取査定サービスの申込み
- 査定と買取業者の決定
- 車の引き渡し
車売却の事前準備をしておく
まず、買い取りしてもらいたい車の準備と、必要書類を準備しておきましょう。車の準備については必要に応じて修理を行い、掃除をします。
必要書類については後ほど詳しく解説しますが、準備できてから今後の行動を開始したほうが安心できます。
書類は「車検証」以外は買い取り時まで揃っていなくても査定は受けられますが、車の準備は査定時までに完了しておく必要があります。
ボロボロで汚れた状態で業者にお披露目しなくて済むように、余裕をもって修理や掃除を完了させておきましょう。
車の買取査定サービスの申込み
車の買取業者を選ぶ際は次の2つの方法があります。どちらも一長一短ですのでメリット・デメリットを考慮して選ぶとよいでしょう。
一括査定サービス
Webから必要情報を1度入力するだけで複数の業者へ査定を依頼することができます。多くの買取業者の見積りをもらうことで最も高く買取をしてくれる業者を探しやすいメリットがあります。
一方、複数の業者の対応をする必要があるため、手間と時間がかかります。
有名な一括査定サービス
個別の業者に査定を依頼
お住まいの地域にある買取業者をGoo買取などで探して、良さそうな買取業者に直接連絡を取り買取査定を依頼する方法です。
たくさんの業者の相手をするのが面倒な方はこちらの方法がよいでしょう。
現在は、一括査定のメリットと個別の業者に依頼するメリットの両方を取り入れたユーカーパックのようなサービスもあります。
査定のための訪問は1回きりですが、その査定情報を基に最大2,000社が入札してくれるサービスです。
業者の対応も1度で済み、かつ多くの業者から入札をもらうことができるのでおすすめです。
車や書類の準備よりも先にこちらのステップから開始しても構いませんが、その場合は出張査定のスケジュールに間に合うように準備を進める必要があります。
特に必要書類の中には紛失時に運輸局等で再発行が必要なものもあります。後になって慌てなくて済むように、先に準備しておくことをおすすめします。
査定と買取業者の決定
申込時に決めたスケジュールに従って、複数の業者に査定をしてもらいます。申込時にある程度の車の情報は送信していますが、実際に見てみないとわからない部分も多いのでしっかりと査定してもらってください。
査定は、1社あたり1時間も見積もっておけば十分だと言えます。
そのため、複数の業者に査定をして貰う場合でも、1日に数社の予定を組み入れても問題なく査定してもらうことができます。
その際、業者同士が鉢合わせしてしまわないようにスケジュールを調整しておきましょう。
全ての査定が終了したら、買い取ってもらう業者を決定します。査定結果次第では値段交渉を行う余地がありますので、見込めそうな業者に連絡してみましょう。
最終的に、最も好条件を提示した業者に決定します。
車の引き渡し
買い取ってもらう業者を決めたら、その旨を連絡して今後のスケジュールを決めてください。
取得および再発行が必要な書類があれば、早めに準備しておいてください。書類が揃っていなければ、業者も買い取りのしようがありません。
代金については、当日に現金払いしてくれる業者もありますが基本的に振込という形で行われます。振込のタイミングについてはこの時に確認しておきましょう。
また、車の引き渡し後にどうしてもキャンセルしたくなることもあるかと思います。しかし悠長にしている暇はなく、翌日以降に連絡しても既に転売済みということもあり得ます。
キャンセルはいつまでなら有効なのかということについても確認しておきましょう。
必要書類
車を引き渡すタイミングになったら、全ての必要書類を揃えておく必要があります。車を売却する際に必要な書類は以下のとおりです(詳しくは買取の連絡時に担当者に確認をしましょう)。
車検証(自動車検査証)
車検証は、車の中に保管しておくことが義務付けられています。そのため、ダッシュボードを探せばすぐにでも見つかるはずです。
もし、紛失してしまった場合は運輸支局で再交付して貰う必要があります。
自賠責保険証明書
これも、車検証と一緒にダッシュボードの中にあるのではないかと思います。紛失している場合は、保険会社に問い合わせて再発行してもらってください。
自動車税納税証明書
車検時に必要になる書類であるため、車検証と一緒にダッシュボードの中に保管している人が多いです。
ただし、単なるレシートと間違えて捨ててしまっている人も少なくありません。紛失した場合は都道府県税事務所もしくは運輸支局で再発行してもらってください。
リサイクル券
これも車検証と一緒にダッシュボードで保管している人が多い書類です。紛失時には、これも運輸支局での再発行手続きが可能です。
実印・印鑑登録証明書
書類に押印するための実印と、それを証明するための印鑑登録証明書が必要になります。印鑑登録証明書は、市町村役場で3ヶ月以内に発行したものを用意してください。
ただし、発行後の期間の制限については業者によって異なりますので、買取決定の連絡時にきちんと確認しておいてください。
住民票・戸籍の附票・戸籍謄本
もし、「車検証に記載されている住所」が「印鑑登録証明書に記載の住所」と異なる場合、条件にあった書類を用意する必要があります。条件および必要書類は以下のとおりです。
住所変更が1回だけあった | 住民票 |
---|---|
住所変更が複数回あった | 戸籍の附票 |
苗字が変わっている | 戸籍謄本 |
上記の書類は市町村役場で発行してもらえます。
車の査定・買取で起こるトラブルと対策
車を買取してもらいたくて業者に査定してもらう際には、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。そこで、査定や買取に際して起こりやすいトラブルについて解説します。
よくあるトラブル
車に傷がつく
査定時には、車に触れる機会も少なくありません。相手は車の取り扱いに関してはプロではありますが、時には失敗をしてしまうこともあるでしょう。
結果、せっかく売りたいと思っていた車に傷がつけられてしまう可能性もあります。
ただし、明らかに業者の過失であると判明したらきちんと責任をとってもらいましょう。厄介なのは持ち主が気が付かない間に傷を付けられてしまい、業者がその過失を認めない場合です。
ちょっとした傷であればまだしも、査定に響くような傷を付けられる可能性もゼロではありません。リスクとして理解しておきましょう。
問い合わせたときよりも査定額が低い
査定を依頼する際に、電話やメールでおおよその査定額を提示されることもあります。それを期待して、いざ査定に臨んでみれば思いがけない低価格の査定結果になってしまうこともあります。
これについては、どんなものであれ現品を見ないことには詳しい金額は出せないということを理解しなければなりません。
例えば「問い合わせの時には説明していなかった部分が大きな問題だった」「問い合わせの時に間違って説明した部分がマイナスポイントになった」と言った内容です。
問い合わせの時と査定時の価格に乖離があれば、場合によってはトラブルに発展する可能性もあります。
代金の振込が行われない
買い取ってもらった車の代金は、多くの場合は「後日の振込」によって支払われます。
きちんと振り込まれてくれれば問題ないのですが、業者によってはなかなか振込してくれないことがあります。
最も厄介なのは「車を引き渡した後に代金未納で音信不通になる」ことです。代金について連絡しても応答がなく、車を持ち逃げされてしまうパターンです。
場合によっては「査定額の半額だけ先に支払い、残りは後日振込みで」というやり方で安心させ、半額で車を持ち逃げされてしまうケースもあります。
勧誘の電話が殺到する
一括査定サービスを利用すると、必ずと言って良いほど発生するのが「勧誘の電話が殺到する」ことです。
これは一括査定サービスの利用規約にも記載があると思うのですが、一括査定を利用すると査定を依頼していない買取業者にも一斉に情報が拡散されてしまうのです。
買取業者は、車を買い取らなければ商売になりません。車を売りたいと希望する人がいることがわかっている以上、彼らも必至なのです。
電話の内容や方法に問題がなければ「これも仕事のため」と割り切ってあげてください。
しつこい勧誘に対しては「もう車は売ってしまった」と言えば、すぐに諦めてくれるはずです。
キャンセル料が高額
売買が成立した後になって、やっぱり車を売りたくなくなったというケースも珍しくありません。
この時、仮にキャンセルできるとしても相当なキャンセル料を要求される可能性があります。
数万円~数十万円、人によっては買取価格よりも高額なキャンセル料を請求されたというケースもあります。
トラブルを回避するための対策
すぐ決めずに落ち着いて考える
査定額が高額あるいは十分な金額だった場合でも、その場で買取を即決しないようにしてください。
冷静になって考えて、本当にその業者に買い取ってもらうのが最善の選択肢かどうか考えてください。
前述の通り業者の中には査定額を高く伝えて、後になって減額要求してくることがあります。
そこで、気になる業者についてネット上の口コミや評判をチェックして、問題の有りそうな業者かどうか確認することをおすすめします。
過去にトラブルを何件も起こしているような業者だけは避けたほうが無難です。
知名度の低い買取業者は避ける
できれば、買取業者は「大手」であることが望ましいです。もちろん常に大手が最善の選択肢であるとは限りませんが、聞いたことが無い業者よりも安全性が高いと言えます。
減額要求も真っ当なものしか起こらないでしょうし、無用なトラブルも無く売買を終わらせることができるはずです。
また、大手の業者であれば代金を払わずに車を持ち逃げということもありません。
どの業界でもそうですが、知名度の高い業者が評判を落とす覚悟でそのような詐欺まがいなことをするとは考えにくいです。
振込については、大手であれば契約書に振込の期限が記載されていると思いますので確認しておきましょう。
キャンセル料について
キャンセル料については、契約書に何らかの記載があるかもしれません。
しかし、消費者契約法によれば違約金は「契約解除よって事業者に生じる平均的な損害額」を超える部分に関しては無効であると定められています。
要するに、高すぎるキャンセル料は満額を支払う必要がないということです。
キャンセル料に関して不当な金額であると判断する場合は、キャンセルによって生じる損害を細かく提示してもらってください。
売却後の減額について
車の引き渡し後に見つかった問題を理由として、代金を減額するように業者から言われるケースもあります。
実は、車を売った人が意図的に隠し事をして査定額を高くしようとした場合であれば反論できないのですが、そうでない場合は減額要求に応じる必要が無いのです。
そもそも、査定を行ったのは「査定のプロである買取業者」です。巧妙な手口であれば別ですが、査定に影響しそうなポイントであれば業見が落とすことの方がおかしいのです。
つまり売り主に騙す意図が無かったのだとすれば、プロが見落としてしまった部分に関しては売り主に何の責任も無いということになるはずです。
そのため、それを理由にして減額要求することはお門違いということになります。
仮に、契約書に「重大な問題があれば契約を解除できる」と記載されていても、これは消費者契約法に反する内容となるため無効を主張できます。
査定・買取でトラブルが発生したらどうすれば良い?
特に、買取が終わった後で生じたトラブルは厄介です。代金の引き渡しやキャンセル料など金銭的なトラブルが中心になると思いますが、個人で解決することは難しいことも多いでしょう。
そこで、トラブルに巻き込まれてしまった場合は「消費者センター」に相談することをおすすめします。
売り主に過失がある場合だと希望通りの結果にならない可能性もありますが、トラブルの解決のために力を貸してくれるはずです。
【参考】国民生活センター 消費者ホットライン188:全国の近所の消費生活相談窓口に案内してくれます。
http://www.kokusen.go.jp/map/
まとめ
中古車の買い取りを今まで経験したことがない人にとっては、相応のプレッシャーを感じるかもしれません。
しかし、一通り理解すれば不安もかなり払拭できたのではないでしょうか。
個人売買と比較すると安全性が高く、手続きを業者に任せられるという点が大きなメリットです。
しかし、絶対に何もトラブルが起きないというわけではありません。
買取時のトラブルを少しでも減らすためには、査定時に詳しい情報を包み隠さず担当者に伝えることです。
それでもトラブルに巻き込まれた場合は、早めに最寄りの消費者センターに相談してください。