生活を取り巻く環境が不足の事態により変化すると、住宅ローンが支払えなくなってしまうこともあります。

今回は、住宅ローンの返済が厳しくなった場合の対処方法、そして多くの方々が不安に感じる競売の詳細についてお話していきたいと思います。

住宅ローン返済

住宅ローンが払えない…そのケースと対処法

住宅ローンの返済

マイホームの購入資金、借入金額、住宅ローンの返済の期間、そして毎月の返済金額はそれぞれ異なります。「住宅ローンが払えない」という状況には、いったいどんなケースがあるのでしょうか。

住宅ローンが払えなくなる状況はどんなケースがある?

毎月○○円という返済金額は、住宅ローンを組んだ当時の状況に基づいて計画されるものです。しかし、突然、下記のような状況の変化によって返済が難しくなることも多いです。

  • 会社が倒産した
  • 働き盛りの年代にリストラにあってしまった
  • 子供の教育資金が予想以上にかかってしまった
  • 夫婦二人で働いて返済していたが妻が仕事を辞めることになった
  • 夫が病気で働けなくなった
  • 突然の大きな病気で医療費がかかった
  • 住宅ローン以外の借金が増えてしまった
  • 離婚した
  • 親の介護の必要性が出てきた

状況はそれぞれですが、住宅ローンを支払うと生活が苦しくなるというケース、住宅ローンの返済が当分厳しいケース、毎月の住宅ローンの返済額を調整すればなんとか返済できそうなケースなどさまざまです。

払えなくなった時にすべきこと

生活費を見直す

払えなくなったらすべきことは4つあります。慌てずに一つずつ確認していきましょう。

その1:生活費を見直してみましょう!

住宅ローンの返済額は、おそらく家計の出費の中でも大きな割合を占めていることでしょう。そもそも、住宅ローンの返済額を含め、光熱費、食費、学費なども生活していく上では重要な出費です。しかし、削れるものは削っていくことで、少しでも住宅ローンの返済にまわせることもあります。

また、先の見通しがある場合には、貯金を崩す、親戚から借りるなど一時的に対応することも必要です。

その2:金融機関への相談をする
相談

多くの人は、住宅ローンが払えなくなった時に、金融機関へ相談するのをためらいます。なぜかというと「払えない=家を取られてしまうのでは?」という先行的なイメージが大きいからでしょう。しかし、相談をためらい「滞納期間」が長引くと、最終的に「競売」にかけられてしまうリスクに繋がります。

「返済が困難になる」という中でも、一時的なケースのこともあるでしょう。特に、「家族が入院して医療費にお金がかかった」「子供の進学費用がかさんだ」などという場合です。

こういった場合には、収入自体はあるので、返済額を少なくするなど返済計画を変更してもらえることもあります。ボーナス払いを一定期間取りやめる、毎月の返済額を少なくして負担を減らす、一定期間の返済を利息分だけにするなどいくつかの対処方法を取ってもらえるケースもあります。こうした対応がとってもらえれば、最悪のケースを免れることができるでしょう。

その3:借り換えの検討をする

住宅ローン商品は、さまざまな金融機関で組むことができるので、思い切って「借り換え」をすることも検討してみましょう。金利が低いものに借り換えすれば、月々の返済が少し楽になることもあります。

その4:マイホームを手放す

せっかく手に入れたマイホームは、手放したくないのが本心です。しかし、家計を調整しても返済が見込めない場合には、どうしても売却するしか方法がないこともあります。売却するには、「競売」と「任意売却」という方法がありますが、競売には裁判所が絡んでくるため、デメリットが多くあります。

また、売却されたとしても残債分をカバーできずに、「競売したから問題解決」とはならず、その後の精神的不安も続きます。

払えなくなった時にすべきこと

  1. 生活費を見直す
  2. 金融機関へ相談
  3. 借り換えの検討
  4. マイホームを手放す

 
下記ページでは、「その2.金融機関への相談」にも含まれる条件変更や「その3:借り換えの検討」を具体例を提示して説明しています。
宅ローン返済が苦しくなったら

 

住宅ローンを放置してしまうと「競売」の可能性も?

住宅を手放す

「住宅ローンが厳しいな」と家計の苦しさを感じたら、少しでも早く対処することが大事です。前述のように、金融機関に相談したり、借り換えを検討するなど「滞納」してからだと遅いことがあります。毎月の住宅ローンの支払いが難しくなってしまった場合、何か月かすれば目途がつくから…、と返済を放置してしまうことがあるかもしれません。

しかし、この「放置」が結構大変なケースを呼び寄せるのです。

何か月放置すると「競売」になる?

「今月も来月も住宅ローンは支払えない」と、たった1~2回の滞納だからと安心してはいけません。放置すればするほど、厄介な状況に陥ってしまいます。まずは、住宅ローンを滞納してから競売になるまでの一般的な流れについてみてみましょう。

住宅ローンを滞納する
住宅ローンの支払いをせずに放置しておくと、金融機関から「催告書」「督促状」という書面で通知がきます。もちろん、電話連絡で連絡がくることもあります。
期限の利益の喪失の通知が届く
滞納が半年ほど長く続くと、金融機関は分割での支払うことを認めなくなります。これが「期限の利益の損失」です。この通知が届くと今後、分割払いができません。この状況の時に、「マイホームを手放したくない」と思っても残債を一括で支払うしか方法がありません。
代位弁済の通知が届く
定められた期日までに一括返済ができないと、銀行では保証会社から代位弁済をしてもらいます。代位弁済は、保証会社が債務者の代わりとして銀行に返済することです。
「競売」が申し立てられる
それでもなお一括返済しないで放置すると、競売が申し立てられます。

競売が申立てされるまではどのくらい?

借入をしている金融機関の判断によるので、競売が開始されるまでの期間がどのくらいかかるかは早ければ半年ほどということもありますし、1年くらいということも…ケースバイケースとなります。

しかし、どんな状況にでも言えることが、対処をしないままの滞納は大きな問題となってしまうということです。支払いが困難になってしまったときに適切な対処をしていれば、こんなに苦しまなかったというケースも多いです。

最終的にはマイホームを手放すことになり、さらには借金が残ってしまうという状況になってしまうのです。

競売には費用がかかる

住宅ローンの滞納が続き、何の対策もしないでいると債権者によって競売の申立てがされます。その後には、裁判所が競売を進めていくことになります。この「競売」そのものにかかる費用は、債務者が負担しなければなりません。

つまり、競売は市場価格より定価で売却されるうえ、費用負担も増えて現実的に厳しい状況になってしまうのです。
 

「競売」が申立てられるとどんなことが?

現況調査

競売が申立てられてからは、どんな流れが待っているのでしょうか。

競売の流れ

1.競売開始の通知の決定
裁判所から「競売が開始されました」という内容の通知が届きます。そして、差し押さえされることにより本人が自由に不動産を売却したりすることができなくなってしまいます。
2.現況調査が行われる
その後、裁判所より「不動産の調査をします」という内容の通知が届きます。当日には、裁判所の執行官と評価人である不動産鑑定士が訪れることになります。調査は、聞き取りや建物内部の間取りの確認、写真撮影が行われます。室内が物で散乱していても、その状態が写真に写され、後から公開されてしまいます。また、隣地との境界確認や道路との関係についても細かく調査されます。

事前に調査にやってくる日は書面によって指定されます。仮に何の連絡もなしに当日に留守にしてしまったとしても、カギを開けられ本人のいないところで調査は進められます。

また、この調査は「裁判所」が介入している強制力のあるもの。当日に「調査は止めて欲しい」と入室を拒否しても、執行官は中に入る権限を持っています。

3.現況調査報告書ができあがる
現況調査で状況を確認した執行官は、それに基づき「現況調査報告書」を作成します。また、同日同行した不動産の鑑定評価人である不動産鑑定士が不動産の価値を評価した「評価書」を作成します。
4.物件の情報が公開される
期間入札通知が書面で届きます。入札期日前頃には、物件の情報が裁判所のインターネット上に公開されます。
5.入札、そして落札者が決まる
入札の期間内で一番高額で入札した人が落札者になり、落札されます。その後、落札した人が手続きをふまえて代金を納付することで、正式に所有権が移転されることになります。そして、物件を新しい所有者に明け渡さなければなりません。

競売では安く評価される

競売物件を調査する評価人は、不動産の評価を専門的な知識により公正に判断する国家資格を持つ不動産鑑定士です。物件の評価は、「競売」という特殊な取引ゆえ一般的な市場価格よりもかなり安く判断されます。そして、その評価価額から裁判所が算出する売却基準価額はさらに低くなります。

そのケースはさまざまなのですが、場合によっては市場価格の半分程度の価格で落札できることもあるのです。

近隣に「競売」ということが知られてしまう

競売

競売にかかってしまうと物件情報が新聞広告やインターネットに掲載されます。そのため、近所の人に知られてしまうことになります。

競売後にも借金が残ってしまうことがほとんど

競売では、市場価格よりも評価が下がるので、落札金額もかなり低めです。そのため、落札金額で住宅ローンの残債に充てようとしても、全額支払い切れることはまずありません。残った借金は、債権回収会社への返済をしていくことになります。

 

競売を回避できる任意売却という方法とは?

任意売却

おそらく「任意売却」という言葉自体は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

任意売却とは?

裁判所が介入して、強制的にマイホームが売却されてしまうのが「競売」です。一方、不動産会社を介する形で売却するのが任意売却です。任意売却は、金融機関の許可をもらい売却する形ですから、市場価格に近い額で通常の不動産売買のように取引できます。

任意売却はメリットがあるの?

マイホームを売るのですから、辛い現実とであることには変わりありませんが、競売で強制的に売られる方法と比較すると、メリットと感じられる部分が多くあります。

  • 競売よりは市場に近い価格での売却が可能
  • 近隣には住宅ローンが支払えなくなったトラブルと知られることがない
  • 強制的に立ち退く必要がないので、引っ越しの時期の融通がきく

少しでも高く売って残債を減らそうと考えるならば、任意売却がいいでしょう。しかし、手続きには時間がかかってしまうため、少しでも早めに行動を起こす必要があります。

任意売却ができるのはいつまで?

任意売却できる条件は、一定期間「滞納」をした人ということです。そのため、滞納する前に任意売却の手続きはできません。ただ、住宅ローンの支払いが厳しいことを相談することで、何らかの対処ができる可能性もあります。

一般的には、住宅ローンの滞納から半年から8か月目ほどで、競売開始の決定通知が届きます。滞納を初めてから、その頃までに任意売却を進めていくのがいいでしょう。それを過ぎても任意売却ができると言われていますが、遅くなれば遅くなるほど現実的に考えて厳しくなってきます。

住宅ローンの支払いが困難となり、「滞納しなければならない」と切羽詰まっている状態ならば、相談するのは早いほどいいのです。

残った借金はどうなる?

借金

任意売却をしたとしても、住宅ローンの残額と売却価格の差額によっては借金が残ってしまうことが多いでしょう。残った残債については、返済していく責任があります。任意売却では代位弁済により、保証会社が金融機関への返済をします。その後は、住宅ローンを借りていた人は、保証会社あるいは債権回収会社へ返済をしていくことになります。

任意売却した後には、「無担保」の借金になってしまいます。そのため、返済額はあまり厳しくないなど返済について交渉の余地があります。毎月の返済額は交渉次第ですが、生活に支障がない程度の金額に設定できることもあります。
 

まとめ

マイホームを購入する時には、希望に満ちあふれているので住宅ローンの滞納については考えもしないことでしょう。もちろん、何のトラブルもなくローンを完済できることが理想です。

しかし、長い返済期間の中で住宅ローンを滞納してしまう可能性はゼロではありません。住宅ローンの滞納は、長くなればなるほど借金が増え、生活は現実的に辛くなってしまいます。支払いが厳しいという現実に直面した時には、悩んで放置することなく、少しでも早く金融機関や専門家への相談をすることが大事です。