無担保借入れのリフォームローンを上手に利用しよう
リフォームの種類や方法は、居宅の増改築にとどまらず、バリアフリーに改築する、キッチンや水回りを修理する、ガレージや門扉リフォームをするなど、その内容はさまざまです。
それらマイホームの増改築などをするときに利用できるのがリフォームローンです。リフォームローンは住宅ローンと異なり、無担保で借りられ、住宅ローンを返済中の人は金利優遇を受けられることもあります。
マイホームのメンテナンスには欠かせないローン
たとえ新築でマイホームを購入しても、何年か住み続けているうちに、マイホームの改修は必要になります。そのときに利用できるのがリフォームローンです。
具体的には、傷んだ箇所のみを元に戻す原状の回復、年齢を重ねたことによる暮らし安さを追求したバリアフリー化などがあります。
特に、キッチンやお風呂場やトイレなどの水回りは劣化しやすい箇所になりますので定期的にメンテナンスが必要になるため、そんなときリフォームローンの出番です。
リフォームローンの最大のメリットは担保の提供が不要であること。マイホームを担保にするのに抵抗がある人であれば、良い選択になります。
住宅ローンを返済中の人でも利用可能です。住宅ローンを利用している金融機関でリフォームローンを借り入れた場合には、通常の金利よりも優遇金利が適用されます。
借入れ先を一本化することで総支払額を抑えることも可能になるでしょう。
利用可能なリフォームの種類とは?
一口にリフォームといっても、どこまでリフォームするのか、どのようなリフォームをするのかは、物件の状態や希望する内容によって違ってきます。
リフォームローンが、具体的にどのようなリフォームをするときに利用できるローンなのかを知っておくことが必要です。
リフォームローンは、以下のリフォームで利用できます。
増改築
マイホームを増築するときや間取りを3LDKから2LDKへと変更するようなときに利用できます。
ただし、増築をするときには、建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)や容積率(建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合)といって法律で定められた範囲があります。この範囲での増築でないときにはローンは借りられません。
修理・改装
傷んだ箇所を修理したり、新しいものに入れ替えたりするときに活用できます。そのほかに、耐震や免震構造に改装するときにも対象になります。
キッチンの改良
キッチンを新品に替える、ガスキッチンをIHクッキングヒーターなどに変更する場合などがあります。そのほかに、システムキッチンを購入する場合にも利用できます。
お風呂場の改良
脱衣場に暖房を入れる、お風呂場を滑りにくいものに替える、浴槽を入れ替える場合などがあります。
バリアフリー住宅
段差の解消や手すりの取り付け。そのほかに、トイレのドアを引き戸にする場合などもバリアフリー住宅になります。
エコ住宅
エコキュート、エネファーム、エコジョーズ等の設備工事、購入を伴う工事の費用が対象になります。
マンション共有部分の修繕工事
マンション全体に貸し出すのではなく、個人の負担金が借入れの対象です。
シロアリ駆除
シロアリが発生した際に、駆除にかかる費用に活用可能です。
ガレージ、門扉などエクステリア
ガレージを増設する、門扉などの設置費用にも利用可能です。
インテリア購入費用
家具や照明などのインテリアの購入資金も対象になります。
融資可能の範囲は、金融機関によって違いがあります。工事を始めるときや設備を購入するタイミングで、自分が利用したい金融機関に問い合わせるとよいでしょう。
知っておきたいリフォームローンと住宅ローンの違い
リフォームローンと住宅ローンの最も大きな違いは、リフォームローンが担保不要であるということです。
そのため、担保を設定する際に必要な数万円から数十万円程度の抵当権設定費用が不要になるというのもリフォームローンを利用するメリットのひとつです。
リフォームローンの借入期間は最長10年~20年となっています。住宅ローンでは借入期間30年や35年が一般的ですので、リフォームローンのほうが借入期間は短くなります。住宅ローンの金利タイプには、変動金利や固定金利があり、どちらかを選ぶことは可能です。
一方、リフォームローンは、主に変動金利のみを取り扱っている金融機関が多いようです。一部の銀行では、固定金利と変動金利の両方が利用可能ですが、この場合にも一定の制限があり、固定金利が利用できるのは借入期間10年までのみ。10年を超える借入れの場合には、変動金利のみの取扱いになります。
リフォームローンと住宅ローンの違い(主な例)
リフォームローン | 住宅ローン | |
借入金利 | 変動金利/3.8% (一部、固定金利あり) |
変動金利/2.475% 固定金利/3.100% |
最長借入期間 | 10年~20年 | 35年 |
貸出限度額 | 2,000万円 | 1億円 |
繰上げ返済 | 利用可 | 利用可 |
担保提供 | 不要 | 必要 |
※借入金利は金融機関の一例。平成27年10月1日現在。
使えるリフォームローンを知って賢く利用しよう
金融機関では、さまざまなタイプのリフォームローンを取扱っています。リフォームの内容ごとにローンが設定されていたり、リフォームの内容によっては金利が優遇されたりするタイプの商品もあります。
どこで借りることができる?
リフォームローンを利用する時の窓口は、銀行、ネット専業銀行、信用金庫、信用組合、JAなどの金融機関のほか、信販会社、住宅設備メーカー、電力会社など、多数です。
取り扱っている会社によっては、特定のリフォームのみを融資の対象にしている商品もありますので、商品の内容を見極めて、選ぶようにしましょう。
リフォームローンの種類と特徴
リフォームローン(ベーシックタイプ)
銀行が定めるリフォームの条件にあっていれば利用できるもの。住宅ローンを利用していれば、通常適用金利よりも優遇されることがほとんどです。
インターネット限定ローン
店頭には出向かずに、インターネットで申込みをするリフォームローンです。
たとえば三菱UFJ銀行では、自行で住宅ローンを利用かつエコ機器の購入やバリアフリー化のリフォームをする場合、通常金利よりも0.885%も優遇された金利で融資を受けることが可能になります。そのほか、多くの金融機関でインターネットから申込みが可能です。
ネット専業銀行
ネット専業銀行でも有店舗の金融機関と同じようにリフォームローンを利用することが可能です。
ただし、一般の金融機関に比べて融資限度額が低く設定されていますので、自分が希望する融資額は可能なのかを確認することが必要でしょう。
一方で、繰上げ返済手数料が無料などのサービスが充実しています。また、住信SBIネット銀行では、一定の条件をクリアすることで、金利が最大で1.0%優遇されるなど利用者にとって嬉しいサービスがあります。
エコ、太陽光リフォームローン
リフォームの内容に、太陽光発電、エネファーム、エコウィルなどが含まれているときには金利を優遇するローンです。常陽銀行のエコリフォームローンは、最大で1.4%の金利が優遇されます。
オール電化リフォームローン
オール電化工事をするときに利用できるローンです。エコキュートやエコジョーズを購入、増改築工事をともなうとき、店頭金利よりも優遇金利が適用されます。
その他、関西電力のグループ会社でもオール電化リフォームローンを提供しています。エコキュートの購入を含む工事をするときに利用できるローンで、オール電化機器の長期保証も付いています。
住宅設備販売会社のリフォームローン
建材・設備機器業大手のLIXIL(リクシル)が運営しているリフォームコンタクトでは、定期的にキャンペーンを実施しています。加盟店で申し込み、一定の条件をクリアすることで、無金利すなわちゼロ金利で融資が受けられるというものです。
ただし、利用できる加盟店は制限されており、LIXIL製品を採用するなどの制約があります。
住宅ローン利用者専用ローン
現在、住宅ローンを利用している銀行で、リフォームローン用に新たに融資を受けるローンが利用者専用ローンです。
たとえば横浜銀行では、給与振込、カードローンなどを利用すると最大で0.4%の金利が優遇されます。
他行借換えリフォームローン
他行で住宅ローンを利用していて、新たにリフォームローンの借入れを検討している場合に利用できるローンです。
このリフォームローンのメリットは、金利が優遇されるとともに、既存の住宅ローンと新たに借り入れるリフォームローンを一本化することが可能になります。
ローンを一本化することで、返済管理がしやすくなりますし、繰上げ返済をする場合には、手数料も節約できるのが大きなメリットになります。
リフォームローンの一覧
リフォームの種類 | 利用可能なローン |
---|---|
改修・増改築 | リフォームローン |
バリアフリー化 | バリアフリーローン |
エコキュート、エコジョーズ | エコリフォームローン |
太陽光発電 | ソーラー、エコリフォームローン |
住宅ローン利用者 | 住宅ローン利用者専用ローン |
LIXIL利用者 | リフォームコンタクト(LIXIL専用) |
オール電化住宅 | オール電化専用ローン |
リフォームにマッチしたローンを利用しよう
リフォームの内容は、ケースによって違います。希望するリフォームの専用ローンがある場合には、専用のリフォームローンを活用することで、金利の優遇が受けられるなどのメリットが受けられます。
今回、いくつかのリフォームローンを取り上げていますが、地域によって専用のローンが無い、エリア対象外になっているケースなどもあります。
リフォームをするときには、どのようなリフォームをするのかとともに、自分が住んでいる地域やリフォーム内容にマッチするローンにはどのようなものがあるのかを事前に調べておきましょう。
また、リフォーム業者によっては提携ローンなどもあります。その業者を通して申込みをすると金利を優遇が受けられるものもありますので、リフォーム業者にも確認してみるとよいでしょう。